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始まり R-18
しおりを挟む「は……?」
なぜここでベッドという言葉が出たのか、トオルには分からなかった。ベッドということは寝室に行けということだろうか。
ユウヤなら分かるだろうが、トオルにとってこの家は初めてだ。
この部屋がたくさんある家の中でベッドのある場所など分からないし、聞いてもさらに怒りを買いそうで動けない。
「ユウヤ」
「は、はい!」
シュウに低い声で呼ばれたトオルはどうにでもなれという思いで立ち上がり、一番近い部屋の扉を開けた。
恐る恐る中を見ると、大人が複数人寝ても困らない広さのベッドがトオルを出迎える。
後ろの3人から何も言われないことを見るに、ここがその寝室ということなのだろう。
自らの幸運に内心感謝しつつも、このベッド以外何もない寝室で何をするのか分からず、トオルは3人の方を振り返る。
「あ、の、なにを……」
「服」
突然リクに「服」とのみ言われ、なにをされるのか分かたらない。
トオルの頭は疑問符だらけだ。
「服脱げ」
「は……」
服を脱げ。
そう言い直したリクの顔はさらに険しくなっていた。
煩わせるな、ということだろうか。先程のような暴力を受けるよりはマシとトオルは言われた通り残りの制服を脱ぐ。
ジャケットはもう脱いだ。残りのネクタイ、シャツ、スラックスを脱ぎ、下着だけになる。
たとえ同性でも、同級生の前で下着姿という状況は、異様だ。
アリユキに蹴られたばかりの腹が赤く、腫れている。
裸で行われる暴力を想像しトオルは震えた。
もう1度土下座をし許してもらおうと考えた時、に再度リクの冷たい声がトオルに冷水のごとくかかる。
「下着」
「……え、えっと、その」
「は?」
リクの低く鋭い声。
本能で逆らっては行けないとトオルの脳内で警鐘をならすが、それでも従うわけにはいかない。
「ゆ、許して、ください」
トオルは震える足をなんとか動かし、再度土下座をした。
下着姿で3人の前で土下座するなど、どれだけ滑稽なことか分かっていても、今のトオルにはこれしか思い浮かばない。
「……」
トオルの土下座姿を、3人はしばらく眺めた。
昨日からの訳の分からないこの状況。
そして今の状況。
混乱した頭ではとにかくこうするしかない。トオルは頭をさらにこすり付ける。
その時間が30秒なのか、はたまた30分なのか分からない。トオルは3人から何か言われるまでずっと頭を下げ続けた。
「……」
誰かの足音が、近づいてくる。
また蹴られるのかと思い、トオルは覚悟を決め目をぎゅっと瞑る。
その足音の主の手が伸びた。
「ッ!?」
身につけていた下着を一気に剥がされた。
驚いたトオルが身動きをしたせいで、上手いこと脱げてしまった。トオルは自分の下着を無造作に床に捨てたリクを呆然と見上げる。
「……ッ!」
そのまま勢いよく平手をされ、トオルの体が絨毯の床に叩きつけらた。
トオルは思わず頬に手を当てる。呆然とするトオルにリクはなんとも思わなそうな顔で言った。
「アリユキ」
「はーい」
様子を伺っていたアリユキがこちらにくる。
器用にトオルの腕をとり、一纏めにしたアリユキは裸になっているトオルの体をリクに見せつけるような姿勢を取らされる。
リクはトオルの体を上から下まで舐めるように見たあと、指をトオルの体に滑らせた。
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