250 / 298
エルフと獣人族
38.新たな危機
しおりを挟む
「しかし水の問題は依然として残っておりますな…」
ルスドールが心配そうに呟いた。
「ああ、それなら大丈夫だよ。ウズナと約束もしたから、もう少ししたら起こしてなんとかしてもらうつもりだ」
「そうですか…」
その言葉にルスドールが安心したようにため息を漏らす。
「ともあれテツヤ殿もお疲れでしょう。我が屋敷で休んでくだされ」
リオイが俺の手を持った。
「いやいや、テツヤ殿は我が屋敷の客人、ここは私の屋敷で休んでいただく」
ルスドールも折れようとしていない。
「やれやれ、族長同士が和解したと思ったら今度はこちらで問題か」
リンネ姫が困ったように笑っている。
いや、それは勘弁してほしいんだけど。
その時彼方から雷鳴のような音が響いてきた。
いや、これは何か大集団の足音だ。
それも一方向からじゃない、南北両方向から聞こえてくる。
「「ま、まさか!」」
その音を聞いてバルドとローベンの顔が青くなった。
ほどなくして俺たちのいる場所に二つの軍隊がやってきた。
片方はエルフ族、もう片方は獣人族だ。
両部隊とも兵士の数は千名をゆうに超え、辺りは見渡す限り槍や剣といった武具で埋め尽くされていた。
「ド、ドミウム殿!」
バルドが転がるように前に出てきた。
「これはこれはバルド殿、お言葉に従い馳せ参じましたぞ」
エルフ族の軍隊の先頭にいた煌びやかな鎧に身を包んだエルフが馬上からバルドに呼び掛けた。
「どうやら既に戦闘が始まっていたようですな。しかもかなりの激戦だった模様。しかし私が来たからにはもう安心ですぞ!共に力を合わせて獣人どもを蹂躙せしめてやりましょうぞ」
「い、いや…それは、もういいのです」
バルドはばつが悪そうに答えた。
「…それはどういうことですかな?」
「そ、その…実はもう獣人族とは和解したのです。我々マスロバ氏族は今後獣人族と争いを起こさぬことで合意をとりました。よって…誠に申し訳ないのですがドミウム殿の助勢は不要ということに…」
◆
「おいおい、こりゃひでえ有様だなあ。よっぽど凄え戦闘が行われたみてえだな」
走竜にまたがったスマトーが辺りを見渡しながら驚いた声をあげた。
「しかし相手もまだまだ元気そうじゃねえか。ま、こっから先は俺様に任せておくんだな。あんな連中、歯牙にもかかりゃしねえよ」
「ま、待ってくれ、スマトー!いやスマトーさん」
ローベンがスマトーの前に飛び出した。
「戦いはもういいんだ。俺たちはエルフ族と和解した。これ以上の戦闘は不要なんだ」
「なんだと?和解しただあ?」
「あ、ああ、その通りだ。せっかく来てもらって悪いんだけど、このまま引き取ってくれないか。この借りは必ず返すと約束する」
ローベンは真剣な顔でスマトーに懇願した。
それを聞いたスマトーは何かを考えるように肩に担いだ槍を揺らし、しばらくして軽くため息をついた。
「失望したぜ、ローベン。まさかおめえがそこまで根性なしだったなんてな」
「い、いや、そういことじゃないんだ。無用な戦争は起こす必要がない、そういうことなんだ」
「ああ、もういいわ」
スマトーがうんざりしたように吐き捨てた。
「せっかくエルフ族を攻める口実ができたってのによお。もうお前いいわ。お前ら腰抜け氏族は猫首並べてそこで見てろや」
「スマトー!」
ローベンが声を張り上げた。
「俺のことだけならいい、だが俺の氏族を馬鹿にすることは許さねえ。それにエルフ族との戦争もさせねえ!」
その言葉を合図にパンシーラ氏族が一斉に武器を構えた。
「ほーう、俺たちとやりあおうってのかよ?強がりばかり言っていざって時に逃げ出してた腰抜けが少しは根性見せるじゃねえの」
にやりと笑ってスマトーが槍を構えた。
◆
「つまり、バルド殿は獣人族に屈したということですかな」
ドミウムが眉をひそめてバルドを見つめた。
「い、いや、そういうわけでは…とにかく、我々の問題はもう解決したのです。ご足労いただいて申し訳ないのですが、このままお引き取り願えないでしょうか。この借りはいずれ必ず返し…」
「嘆かわしい!」
ドミウムはバルドの言葉を遮った。
「それでも歴史ある森エルフ族の末裔なのかね、バルド殿!あのような下賤のものと交渉するというだけでもエルフ族の面目が立たないというのに和解するなど!それはもはや敗北に等しい決断ですぞ!」
「い、いや…これには訳が…」
「もうよい!言い訳は聞きたくない!」
ドミウムがマントを翻した。
「其方の不始末はこのドミウムがあの獣人どもをせん滅することで雪いでくれよう。お主はそこで私の戦いぶりを見てエルフ族の高潔さを今一度学ぶといい」
言い捨てて馬を翻そうとしたドミウムの動きが止まった。
バルドが剣先をドミウムに向けていたからだ。
「自分が何をしているのか分かっているのかね」
「も、もちろんです。しかし、今は戦争を起こすわけにはいかぬのです」
バルドの声は震えていた。
それでも目線はドミウムをしっかりと見据えている。
ドミウムは呆れたように頭を振った。
「マスロバ氏族を任せるにはまだ若すぎると思ってはいたが、これほどとは…」
そしてキッとバルドを睨みつけた。
「その行為、気の迷いでは済まされぬぞ!」
「待て!」
俺はよろよろと立ち上がった。
「なんだこ奴は。どこから湧いてきたのだ?」
ドミウムがネズミでも見るような眼で俺を見下ろす。
「みすぼらしいヒト族風情が俺たちに口を挟むんじゃねえよ!」
スマトーが叫ぶなり槍を振り下ろしてきた。
クソ、かわすだけの体力が残ってねえ!
その槍を塞いだのはローベンだった。
「ローベン、こいつは何の真似だ?」
「こ、この人を傷つけるわけにはいかねえんだよ」
「バルド殿、何故そのヒト族を庇う」
背後でもバルドが剣を構えてドミウムと俺の間に割って入っていた。
「い、今、この方に危害を与えるわけにはいかぬのだ」
二人とも冷汗をながしながらも目を背けることはしなかった。
「ふん、ここまで落ちぶれるとは、もはや其方に族長たる資格はないようだな」
「ローベンよ、こうなった以上おめえに任せるわけにはいかねえな。こっちで勝手にやらせてもらうぜ」
ドミウムとスマトーは呆れたようにため息をつくと武器を高々を掲げた。
「いくぞ!エルフ族の力を刃を持って獣人族の身体に刻み付けてやるのだ!」
「高慢なエルフ族を地の底に埋めてやれ!」
ルスドールが心配そうに呟いた。
「ああ、それなら大丈夫だよ。ウズナと約束もしたから、もう少ししたら起こしてなんとかしてもらうつもりだ」
「そうですか…」
その言葉にルスドールが安心したようにため息を漏らす。
「ともあれテツヤ殿もお疲れでしょう。我が屋敷で休んでくだされ」
リオイが俺の手を持った。
「いやいや、テツヤ殿は我が屋敷の客人、ここは私の屋敷で休んでいただく」
ルスドールも折れようとしていない。
「やれやれ、族長同士が和解したと思ったら今度はこちらで問題か」
リンネ姫が困ったように笑っている。
いや、それは勘弁してほしいんだけど。
その時彼方から雷鳴のような音が響いてきた。
いや、これは何か大集団の足音だ。
それも一方向からじゃない、南北両方向から聞こえてくる。
「「ま、まさか!」」
その音を聞いてバルドとローベンの顔が青くなった。
ほどなくして俺たちのいる場所に二つの軍隊がやってきた。
片方はエルフ族、もう片方は獣人族だ。
両部隊とも兵士の数は千名をゆうに超え、辺りは見渡す限り槍や剣といった武具で埋め尽くされていた。
「ド、ドミウム殿!」
バルドが転がるように前に出てきた。
「これはこれはバルド殿、お言葉に従い馳せ参じましたぞ」
エルフ族の軍隊の先頭にいた煌びやかな鎧に身を包んだエルフが馬上からバルドに呼び掛けた。
「どうやら既に戦闘が始まっていたようですな。しかもかなりの激戦だった模様。しかし私が来たからにはもう安心ですぞ!共に力を合わせて獣人どもを蹂躙せしめてやりましょうぞ」
「い、いや…それは、もういいのです」
バルドはばつが悪そうに答えた。
「…それはどういうことですかな?」
「そ、その…実はもう獣人族とは和解したのです。我々マスロバ氏族は今後獣人族と争いを起こさぬことで合意をとりました。よって…誠に申し訳ないのですがドミウム殿の助勢は不要ということに…」
◆
「おいおい、こりゃひでえ有様だなあ。よっぽど凄え戦闘が行われたみてえだな」
走竜にまたがったスマトーが辺りを見渡しながら驚いた声をあげた。
「しかし相手もまだまだ元気そうじゃねえか。ま、こっから先は俺様に任せておくんだな。あんな連中、歯牙にもかかりゃしねえよ」
「ま、待ってくれ、スマトー!いやスマトーさん」
ローベンがスマトーの前に飛び出した。
「戦いはもういいんだ。俺たちはエルフ族と和解した。これ以上の戦闘は不要なんだ」
「なんだと?和解しただあ?」
「あ、ああ、その通りだ。せっかく来てもらって悪いんだけど、このまま引き取ってくれないか。この借りは必ず返すと約束する」
ローベンは真剣な顔でスマトーに懇願した。
それを聞いたスマトーは何かを考えるように肩に担いだ槍を揺らし、しばらくして軽くため息をついた。
「失望したぜ、ローベン。まさかおめえがそこまで根性なしだったなんてな」
「い、いや、そういことじゃないんだ。無用な戦争は起こす必要がない、そういうことなんだ」
「ああ、もういいわ」
スマトーがうんざりしたように吐き捨てた。
「せっかくエルフ族を攻める口実ができたってのによお。もうお前いいわ。お前ら腰抜け氏族は猫首並べてそこで見てろや」
「スマトー!」
ローベンが声を張り上げた。
「俺のことだけならいい、だが俺の氏族を馬鹿にすることは許さねえ。それにエルフ族との戦争もさせねえ!」
その言葉を合図にパンシーラ氏族が一斉に武器を構えた。
「ほーう、俺たちとやりあおうってのかよ?強がりばかり言っていざって時に逃げ出してた腰抜けが少しは根性見せるじゃねえの」
にやりと笑ってスマトーが槍を構えた。
◆
「つまり、バルド殿は獣人族に屈したということですかな」
ドミウムが眉をひそめてバルドを見つめた。
「い、いや、そういうわけでは…とにかく、我々の問題はもう解決したのです。ご足労いただいて申し訳ないのですが、このままお引き取り願えないでしょうか。この借りはいずれ必ず返し…」
「嘆かわしい!」
ドミウムはバルドの言葉を遮った。
「それでも歴史ある森エルフ族の末裔なのかね、バルド殿!あのような下賤のものと交渉するというだけでもエルフ族の面目が立たないというのに和解するなど!それはもはや敗北に等しい決断ですぞ!」
「い、いや…これには訳が…」
「もうよい!言い訳は聞きたくない!」
ドミウムがマントを翻した。
「其方の不始末はこのドミウムがあの獣人どもをせん滅することで雪いでくれよう。お主はそこで私の戦いぶりを見てエルフ族の高潔さを今一度学ぶといい」
言い捨てて馬を翻そうとしたドミウムの動きが止まった。
バルドが剣先をドミウムに向けていたからだ。
「自分が何をしているのか分かっているのかね」
「も、もちろんです。しかし、今は戦争を起こすわけにはいかぬのです」
バルドの声は震えていた。
それでも目線はドミウムをしっかりと見据えている。
ドミウムは呆れたように頭を振った。
「マスロバ氏族を任せるにはまだ若すぎると思ってはいたが、これほどとは…」
そしてキッとバルドを睨みつけた。
「その行為、気の迷いでは済まされぬぞ!」
「待て!」
俺はよろよろと立ち上がった。
「なんだこ奴は。どこから湧いてきたのだ?」
ドミウムがネズミでも見るような眼で俺を見下ろす。
「みすぼらしいヒト族風情が俺たちに口を挟むんじゃねえよ!」
スマトーが叫ぶなり槍を振り下ろしてきた。
クソ、かわすだけの体力が残ってねえ!
その槍を塞いだのはローベンだった。
「ローベン、こいつは何の真似だ?」
「こ、この人を傷つけるわけにはいかねえんだよ」
「バルド殿、何故そのヒト族を庇う」
背後でもバルドが剣を構えてドミウムと俺の間に割って入っていた。
「い、今、この方に危害を与えるわけにはいかぬのだ」
二人とも冷汗をながしながらも目を背けることはしなかった。
「ふん、ここまで落ちぶれるとは、もはや其方に族長たる資格はないようだな」
「ローベンよ、こうなった以上おめえに任せるわけにはいかねえな。こっちで勝手にやらせてもらうぜ」
ドミウムとスマトーは呆れたようにため息をつくと武器を高々を掲げた。
「いくぞ!エルフ族の力を刃を持って獣人族の身体に刻み付けてやるのだ!」
「高慢なエルフ族を地の底に埋めてやれ!」
11
あなたにおすすめの小説
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?
スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。
女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!?
ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか!
これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる