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第四部~魔界(ワールフィア):冬と共に来た女
11.ゴブリンキング
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何かが凄い勢いでこちらに向かってくる。
岩の壁が切れた部分からそれは飛び出してきた。
でかい。
ゴブリンと言えば小柄なイメージだけどそいつは明らかにでかかった。
身長は三メートルくらいでグランと同じくらいだろうか、しかし体の厚みは圧倒的にこちらの方が上だ。
全身を重厚な防具に包み、手には巨大な戦鎚を抱えているというのに驚くほどの速さで走ってくる。
しかも緑色の肌が天然のカモフラージュとなっているために目で追うのがやっとだ。
ゴブリンキングは数十名のゴブリンと共に岩壁に沿ってこちらに向かってくる。
どうやら俺がやっていることに気付いているみたいだ。
アマーリアたちは?
見回すと四人はそれぞれゴブリンの小規模集団と戦っていた。
ゴブリンキングはただ図体がでかいだけじゃないらしい。
こちらの戦力が少数であることを確認したうえで自分たちの兵隊を分散させ、己に攻撃の手が向かないようにしている。
「どうする?いったん手を止めてあいつを倒すか?」
「その必要はない」
ヘルマは顔色を変えずに両手に剣を構えた。
「奴らは私が処理する。テツヤは自分の仕事を全うするがいい」
言うなりヘルマの姿がかき消えた。
いや、そう見えただけで、ヘルマは凄い速度で崖を駆け降り、ゴブリンキングの方へ向かっていた。
しかしあれだけの人数にたったの剣二本でどう立ち向かうんだ?
そう思いながら俺が見守る中、ヘルマとゴブリンキングの距離がみるみる縮まっていく。
「グギョオオオオオオオッ!!!!」
ゴブリンキングの気色の悪い咆哮を合図に手下のゴブリンが矢を放った。
走りながらの狙いも何もないでたらめな発射だがそれ故に放たれた矢は面攻撃となってヘルマに襲い掛かる。
しかしその矢がヘルマに届くことはなかった。
ヘルマが凄まじい勢いで矢を打ち落としていく。
両手がかすんで見えないほどの超高速斬撃だ。
やがて両者は走る速度を全く落とすことなく交差した。
その瞬間、真っ赤な飛沫が岩壁に撒き散らされた。
まるでペンキをぶちまけたように岩壁が血に染まる。
全てゴブリンたちのものだ。
ゴブリンキングも四肢と胴体をバラバラにされて地面に転がっていた。
「凄え……」
あまりの光景に俺は言葉を失っていた。
ヘルマは数十人、数メートルに渡って突進してきた集団をたった一回の交錯で全て斬り倒したのだ。
これがベルトラン帝国最強戦士の本当の実力なのか。
どうやって斬ったのかすらわからない。
ランメルスと同じように特殊な能力なのだろうか?
その時、岩壁の上に一匹のゴブリンが登っているのに気付いた。
そのゴブリンが岩壁からヘルマに向かって飛び掛かった。
「危ねえ!」
無駄だと知りつつもついつい声が出てしまう。
しかしそんな俺の心配をよそにそのゴブリンは空中で両断された。
ヘルマは上を見ることすらしていない。
いや、剣を振るってすらいなかった。
一瞬魔力の輝きが見えたと思ったらゴブリンが真っ二つになっていた。
これがヘルマの能力なのか?
知らず知らずのうちに俺は唾を呑み込んでいた。
俺が川まで岩壁を作り上げるより先に戦いは終わっていた。
森の中や地下道に潜んでいたゴブリンたちは残らず駆逐された。
ゴブリンキングがこちらに攻めてきたのが幸いしたのかワールフィア側には戦力らしい戦力は残っていなかった。
よしんば残っていたとしても頭上十メートル、地下十メートルを塞ぐ岩壁を乗り越えて攻めてくることは無理だろう。
「ご苦労だったな」
森の中で戦っていたヘルマたちが戻ってきた。
「いや、そっちの方こそ凄かったよ。とんでもない強さだな」
「あれくらい大したことはない。焦って飛び出してきてくれたおかげで手間が省けた」
敵の首魁を打ち倒したというのにヘルマは涼しい顔をしている。
「ともあれ、これでこの村が魔界から襲われることはないだろう。礼を言うぞ」
「ま、借りを返しただけなんだけどね」
俺はそう言って山の上から村を見下ろした。
森の縁に張り付くような小さな村だ。
規模としてはトロブと同じ位だろうか。
「しかし意外だったよ。ヘルマのような軍人がこんな小さな村を気にかけるなんてね。結構優しいところがあるんだな」
「この村に対して思う所はない」
俺の言葉にヘルマは全く感情のない声で答えた。
「しかしこの村はベルトラン帝国のもの、つまりは陛下のものだ。それを侵す者は何人であろうと容赦はしない」
「そ、そうですか…」
やっぱりどこまでいってもヘルマは帝国軍人なんだな。
「とりあえずスキャンした限りでは地下道は全て潰されてるし残ってるゴブリンもいないみたいだから当面は安全だろうな」
「うむ、助かったぞ。これで貸しは一つなくなったな」
「で、もう一つの借りはどうする?」
「そのことなのだが…」
口を開きかけたヘルマが不意に空を見上げた。
上空から小さな影が降ってきた。
それは一羽のハヤブサだった。
ハヤブサはヘルマが差し出した腕に留まった。
脚に魔石をあしらった金のアンクレットをしている。
ヘルマが飼っているんだろうか?
ヘルマはハヤブサを撫でるとアンクレットの魔石に手をかざして小声で呪文を唱えた。
「ヘルマ隊長、聞こえますか?」
突然ハヤブサが人の言葉を話し出した。
「うわ、びっくりしたあ!」
「しっ、どうしたのだ?」
「今の声は…?いえ、それよりも至急お伝えしたいことがあります。最寄りの基地か駐屯地に行っていただけますか」
「…わかった。また後で連絡する」
ヘルマが話を切るとハヤブサは再び空へ舞い上がっていった。
「さっきのはシエイ鉱山で一緒にいたマッチョの声だったな。何かあったのか?」
「マッチョ?ああ、ファウェイズのことか。それよりも今日はもう日が暮れるからここから一番近いロッジァンという都市で泊まるといい。すまないがそこからはテツヤたちだけで帰ってくれ。用事ができてしまってな」
「良いってことさ。急な用事は勤め人のさがみたいなもんだろ?こっちはこっちでのんびり観光でもさせてもらうよ」
「せっかくベルトランまで来てもらってもてなしもできずにすまない。この埋め合わせはいずれさせてもらおう」
「楽しみにしてるよ」
こうして日が沈む前にゴブリン討伐を終えた俺たちはロッジァンへと向かうことになった。
岩の壁が切れた部分からそれは飛び出してきた。
でかい。
ゴブリンと言えば小柄なイメージだけどそいつは明らかにでかかった。
身長は三メートルくらいでグランと同じくらいだろうか、しかし体の厚みは圧倒的にこちらの方が上だ。
全身を重厚な防具に包み、手には巨大な戦鎚を抱えているというのに驚くほどの速さで走ってくる。
しかも緑色の肌が天然のカモフラージュとなっているために目で追うのがやっとだ。
ゴブリンキングは数十名のゴブリンと共に岩壁に沿ってこちらに向かってくる。
どうやら俺がやっていることに気付いているみたいだ。
アマーリアたちは?
見回すと四人はそれぞれゴブリンの小規模集団と戦っていた。
ゴブリンキングはただ図体がでかいだけじゃないらしい。
こちらの戦力が少数であることを確認したうえで自分たちの兵隊を分散させ、己に攻撃の手が向かないようにしている。
「どうする?いったん手を止めてあいつを倒すか?」
「その必要はない」
ヘルマは顔色を変えずに両手に剣を構えた。
「奴らは私が処理する。テツヤは自分の仕事を全うするがいい」
言うなりヘルマの姿がかき消えた。
いや、そう見えただけで、ヘルマは凄い速度で崖を駆け降り、ゴブリンキングの方へ向かっていた。
しかしあれだけの人数にたったの剣二本でどう立ち向かうんだ?
そう思いながら俺が見守る中、ヘルマとゴブリンキングの距離がみるみる縮まっていく。
「グギョオオオオオオオッ!!!!」
ゴブリンキングの気色の悪い咆哮を合図に手下のゴブリンが矢を放った。
走りながらの狙いも何もないでたらめな発射だがそれ故に放たれた矢は面攻撃となってヘルマに襲い掛かる。
しかしその矢がヘルマに届くことはなかった。
ヘルマが凄まじい勢いで矢を打ち落としていく。
両手がかすんで見えないほどの超高速斬撃だ。
やがて両者は走る速度を全く落とすことなく交差した。
その瞬間、真っ赤な飛沫が岩壁に撒き散らされた。
まるでペンキをぶちまけたように岩壁が血に染まる。
全てゴブリンたちのものだ。
ゴブリンキングも四肢と胴体をバラバラにされて地面に転がっていた。
「凄え……」
あまりの光景に俺は言葉を失っていた。
ヘルマは数十人、数メートルに渡って突進してきた集団をたった一回の交錯で全て斬り倒したのだ。
これがベルトラン帝国最強戦士の本当の実力なのか。
どうやって斬ったのかすらわからない。
ランメルスと同じように特殊な能力なのだろうか?
その時、岩壁の上に一匹のゴブリンが登っているのに気付いた。
そのゴブリンが岩壁からヘルマに向かって飛び掛かった。
「危ねえ!」
無駄だと知りつつもついつい声が出てしまう。
しかしそんな俺の心配をよそにそのゴブリンは空中で両断された。
ヘルマは上を見ることすらしていない。
いや、剣を振るってすらいなかった。
一瞬魔力の輝きが見えたと思ったらゴブリンが真っ二つになっていた。
これがヘルマの能力なのか?
知らず知らずのうちに俺は唾を呑み込んでいた。
俺が川まで岩壁を作り上げるより先に戦いは終わっていた。
森の中や地下道に潜んでいたゴブリンたちは残らず駆逐された。
ゴブリンキングがこちらに攻めてきたのが幸いしたのかワールフィア側には戦力らしい戦力は残っていなかった。
よしんば残っていたとしても頭上十メートル、地下十メートルを塞ぐ岩壁を乗り越えて攻めてくることは無理だろう。
「ご苦労だったな」
森の中で戦っていたヘルマたちが戻ってきた。
「いや、そっちの方こそ凄かったよ。とんでもない強さだな」
「あれくらい大したことはない。焦って飛び出してきてくれたおかげで手間が省けた」
敵の首魁を打ち倒したというのにヘルマは涼しい顔をしている。
「ともあれ、これでこの村が魔界から襲われることはないだろう。礼を言うぞ」
「ま、借りを返しただけなんだけどね」
俺はそう言って山の上から村を見下ろした。
森の縁に張り付くような小さな村だ。
規模としてはトロブと同じ位だろうか。
「しかし意外だったよ。ヘルマのような軍人がこんな小さな村を気にかけるなんてね。結構優しいところがあるんだな」
「この村に対して思う所はない」
俺の言葉にヘルマは全く感情のない声で答えた。
「しかしこの村はベルトラン帝国のもの、つまりは陛下のものだ。それを侵す者は何人であろうと容赦はしない」
「そ、そうですか…」
やっぱりどこまでいってもヘルマは帝国軍人なんだな。
「とりあえずスキャンした限りでは地下道は全て潰されてるし残ってるゴブリンもいないみたいだから当面は安全だろうな」
「うむ、助かったぞ。これで貸しは一つなくなったな」
「で、もう一つの借りはどうする?」
「そのことなのだが…」
口を開きかけたヘルマが不意に空を見上げた。
上空から小さな影が降ってきた。
それは一羽のハヤブサだった。
ハヤブサはヘルマが差し出した腕に留まった。
脚に魔石をあしらった金のアンクレットをしている。
ヘルマが飼っているんだろうか?
ヘルマはハヤブサを撫でるとアンクレットの魔石に手をかざして小声で呪文を唱えた。
「ヘルマ隊長、聞こえますか?」
突然ハヤブサが人の言葉を話し出した。
「うわ、びっくりしたあ!」
「しっ、どうしたのだ?」
「今の声は…?いえ、それよりも至急お伝えしたいことがあります。最寄りの基地か駐屯地に行っていただけますか」
「…わかった。また後で連絡する」
ヘルマが話を切るとハヤブサは再び空へ舞い上がっていった。
「さっきのはシエイ鉱山で一緒にいたマッチョの声だったな。何かあったのか?」
「マッチョ?ああ、ファウェイズのことか。それよりも今日はもう日が暮れるからここから一番近いロッジァンという都市で泊まるといい。すまないがそこからはテツヤたちだけで帰ってくれ。用事ができてしまってな」
「良いってことさ。急な用事は勤め人のさがみたいなもんだろ?こっちはこっちでのんびり観光でもさせてもらうよ」
「せっかくベルトランまで来てもらってもてなしもできずにすまない。この埋め合わせはいずれさせてもらおう」
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