一人っ子の人生

長谷川 ゆう

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ひとりっ子、家事する

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   「家の手伝いすると、おこずかいもらえるんだ」

    私が小学生の時、友人達から聞いて、一番驚いた言葉である。

   なぜなら、小学生高学年から、軍隊並みに厳しい父親を持つ、ひとりっ子の娘の私に父は、母の手伝いをするのが当たり前だろ!とよく怒鳴られたからだ。


   平日は、小学校に行っているため、基本、私の家事のシフト(小学生でシフトってなんだ)は土日、祝日だった。

   ちなみに、友人達のように家事をしたら、その度におこずかいをもらえる程、軍隊家庭は、甘くない。

   もちろん、無給。

  土曜日は、午前中に学校があったため、夕食のお膳立て、夕食の3人分のお皿洗い、テーブルを拭いて、1日の仕事が終わる。

  日曜日は、午前中から、家の掃除、朝、昼、夕食のお膳立てと皿洗い、買い物の荷物持ちを少し、宿題をして、1日が終わる。

   自分で書いていて、小学生ながら、ブラック企業、否、ブラック家庭に勤めている社員のような家だった。

   友人の、皿洗い1つで、おこずかいをもらえるなんて、まさにホワイトカラーの家庭だ。

  ちなみに、当時の私のおこずかいは、1ヶ月、五百円(平成の話です)。

    
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