詩集

長谷川 ゆう

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生きてみろよ

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  私は「死」が怖くない


 何故なら大切な私を愛してくれた人は


 みんなあの世だ


 逆に生きているのが不思議なくらいだ



 でも、SNSで見るんだよ


 安楽死だの何だの


 本当に人生を辞めたい時にスマホなんて手にしない


 私は11年前に人生の崖っぷちで


 深夜2時誰もいない場所で


 地上から15メートルの崖っぷちにいた


 その時に汚い歪んだ醜い世界が


 人生で1番、美しい夜景として見えたんだ


 その瞬間、泣いてうずくまっていた


 安楽死は楽には死ねない


 肉体は生きようとするから11分以上苦しむ


 脈を切った所では死ねない


 この国は最低8分で救急車がくるから


 息を止める方法では死ねない


 最低5分は七転八倒するから


 言葉は簡単でも肉体は生きたいと抗うんだよ


 それなら、


  この世界を好きになれるまで


   
   自動適用でやってくる「死」がくるまで


  
   沢山の人生と言う保険をかけて


   
   生きてみろよ


  どうせ


  まだ生きたくなるような


  私が見た死ぬ間際の夜景のように


   美しい世界が最期にはくるんだ


  


 


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