詩集

鶴の巣ごもりの逆転ホームラン

  ツルの巣ごもりと聞いたら


  ツルが卵を産み巣ごもりするイメージだ


  私も囲碁をしなければ素直に想う


  鶴の巣ごもりは囲碁の1つの戦法だ


  囲碁は現実の国のように陣地取り


  陣地が多くとれたら勝ち


  クロとシロのモノクロ世界


  美しい世界


  私は何でも人より遅く生き方上手の人間を妬む


 だが、数十年に１度だけホームランを打つ


 鶴の巣ごもりは、そんな地味な戦法


 最初は相手に陣地を広げられる損な戦法


 だが、囲碁盤の端に巣ごもりのようにジワジワと抑え込む


   損をしながら、逆転を狙う


 相手が陣地を広げ、私は陣地を囲む


  最後に大きな巣ができれば、全ての石と言う相手の陣地を奪う


  地味で最初は損で、なかなか人が打ちたがらない戦法


 でも、私はいつだって狙っている


 鶴の巣ごもりで、大逆転を狙う人生を


 絶望の砂嵐の中で何も見えなくても


 最後の鶴の巣ごもりの逆転ホームランを人生で狙っている


  こんな潰されそうな夜にでも


  私は一手をユルメナイ