詩集

3才の、これなあに？

  よく昔から週間のように図書館へいく


  予約した本以外を求めて夢遊病のようにウロウロ


  「ままあ、これなあに？」


  図書館にはあわない大ボリュームがする


  おもわず見てしまう


  子供コーナーに座っている3才くらいの男の子


  「◯◯じゃない？...小さい声で話しなさい」


   隣に座るお母さんはもくもくとスマホをみてる


   応えもなげやりで疲れてる


   「これ、なあに？なんてよむのお？おはなしじかんがはじまるよ!」


     静かに聞いているとつぎからつぎへと溢れるコトバ


     少し生きることに疲れた私は驚いた


      そのお母さんも私も知っている全てが


       その男の子には全てが未知の世界だ


      それぞれの人生をイキテイルお母さんと私は


       そんなこと、と思ってしまう


        まだまだ生きる始めた男の子は


       すべてがわからない知らない不思議な世界


       それは希望的観測でも育児書にある成長期にもあてはまらない


      その男の子の始まりだ


       大人になり全てを知った気でいてしまう


      大人になり限界を知った気でいてしまう


      たった3才に学ばされる


       この人生もこの世界もまだまだ


       「これなあに？」であふれている


        男の子の後頭部があっちこっちをむいている


        下ばかり見ているお母さんも私も


         みていない、しらないことばかり