詩集

また来てね

　15年以上の前の話を


　風邪をひき高熱がでて近所の病院に行こうとしたが休みだった


　仕方なくフラフラする体で少し先の夫婦で経営してる内科に行った


　昔から虚弱体質で大病もしてきたので変な意味で高熱がでると、これは39℃超えたなあと分かる



　数回しか来たことのない内科で人見知りまである私は待合室で今日の担当が旦那さんだと知り緊張した



　呼ばれて入ると美術家のような髪型にニコニコ顔



　症状を診ていつもの胃腸炎だとわかり


　またフラフラ診察室をでる時だった


　「また、来てね～♪」


　一瞬、自分の耳を疑う


　「また来てね♪」


　また来てねと言う医者をみたのは今のところ彼１人だけだ


　　風邪で？体調悪くて？何で？混乱した頭でその時は家に帰った



　本職は内科ではなく透析の先生だと聞いた


　あの時の「また来てね」を思い出すと



　人も私も病に罹っても良いのだと気が楽になる


　「また来てね」


　そう言われてまた元気になればいいのだ



　何度も繰り返しながら人生を終えていく



　「また来てね」


　少し笑顔になりながら


　また元気になればいい