詩集

チョコレートマジック

　生きているとやりきれないコトが山とある


　生きていると泣きたくても笑わないといけない時がある


　生きていると逃げ出したい人に出会うコトがある


　生きていると見たくもない親の面倒にぶつかる


　心が削られて


　愛想笑いが板について


　自分を見失う


　そんな時に、私は買い置きしているアルファベットチョコレートを一粒食べる


　チョコレートが特に好きではないのに


　よく故人の祖母が帰りにもたせてくれた


　私は子供の頃から天邪鬼だったから


　家庭環境と現実に潰されて不貞腐れていた


　祖母からもらった沢山のお菓子の中からチョコレートを一粒とりだして食べる


　不貞腐れた可愛くない自分が緩み、子供らしい顔になる


　　大人になっても不貞腐れて弱り拗ねる自分がいる

　そんな時にチョコレートを一粒食べる


　甘い甘い気持ちが広がり肩の力がぬけていく


　チョコレートのマジックを祖母が教えてくれた


　知らなかったら今でも私は不貞腐れて拗ねている自分を可愛がっていただろう


　また前を向けるように


　今日もチョコレートを一粒食べてマジックを自分の心にかける