詩集

人のイタミ

   人のイタミが分かる人に


   人に優しくできる人に


   若い時、そんな言葉や歌が綺麗事だと思ってた


   自分だけ苦労して



   自分だけ親の面倒を人より早く看て



    何もイイコトなんてなかった



    人生、オワラセヨウともした



    十数年かけて


     歳上の方から好かれる性分なのか



     介護や病気や痛みの話を聞く


     その時、自分の十数年と重なる


      その人の本当のイタミは、私には分からない

    

     その人の本当のクルシミは、私には分からない



     でも、綺麗事ではない底無し沼を這うように、這うように生きてきた



    その人の本当の涙の意味が分かる


    その人の本当の哀しみ意味が分かる


     人に共感できるのは



     強さだと思ってから


      優しさだと思ってから


      自分のイタミも悪くないと思った令和