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心の癌
しおりを挟む母親が癌に罹患した日は私が大好きな冬の朝だった
信じられなくて
信じたくなくて
私は現実を塞ぐようにまた瞳を閉じた
長い長い闘病
私の心までジワジワと病んでいくように
生存出来た母親の命と引き換えに
母親の心の均衡と髪を失った
前の母親に戻って欲しい
そんな事は夢物語だ
母親の体に産まれすぎた癌は
心まで蝕んだ
必死に取り返そうと抗ったが
抗うほどに私の心に傷がついた
明らめたその時に
私の心を蝕んでいた孤独の涙があふれでた
心の癌は、命が終わるまで居座り続ける気なのだろうか?
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