詩集

動物達から老いを学ぶ

 昔から、フェレットやハムスターや小魚と暮らしている


  何故なら、彼女達は私の生きる理由の１つで命だからだ


  最近、年老いた動物を見るのが辛いと言っては命を投げ捨てるニュースをみる


  私も数匹の動物達を見送ってきた
それぞれの運命と宿命を抱えて家にきてくれた命


  子供の時は、愛らしく無邪気でわがままで甘えん坊な仕草や生き方を見ているのは秋の始まりのような心地よさと甘さをくれる


  だんだんと、人間よりも早く命の鼓動を鳴らしている彼女達は病にかかりよく眠るようになり見た目も子供の頃より丸くなく、ゴツゴツしていく


  だからと言って、見たくないと言って
私は命を手放さない


  なぜなら、動物達は死ぬまで活きて行きて生きようとする


  大切に、

  愛情で抱きしめて、

   のびのび育った子達が辛そうなのもゆっくりなのも心が裂けそうなほど辛い


  でも、動物達は最期まで命の脆さではなく強さとたくましさと老いる意味を教えてくれる


   ヨタヨタゆっくり歩き


   目が見えなくなり


   よく眠る


   ああ、私も人も若さに強欲すぎるのだ


   生きることに強欲すぎるのだ


   まだまだに強欲すぎるのだ


  最期はいつだって泣くくせに


  私は泣きながら看とる


   強欲すぎた私を諭すように


   動物達は眠りにつく


   最期はたくさん後悔するくせに


   今が命の終わりだと諭してくる


   最期はありがとうしか言えない私に


   叱るように見つめてくる


   「また、会いにきてね」


      「弱虫になったね」

 いつの間にか、立場が逆転している


 最期の最期は、私が守られていた


 だから、最期まで私のわがままで


 暖かい老いを教えてくれる命と


 生きていたい