詩集

過ぎた

  久しぶりの雨に想う


 気持ちを欲張りすぎたのかな、と。


 魚たちが泳ぎながら、こちらを見る


 「何を怯えているの？ただ泳げばいい」と。




  久しぶりの晴れに想う、頑張りすぎたかな、と



   メダカがそよそよ泳ぎながら、こちらを見る



  「何を焦っているの？私は私にしかなれないよ」と。



  久しぶりの曇りに想う、はしゃぎすぎたかな、と



   四つ足の動物が眠そうに、こちらを見る



  「一度きりの人生、出逢えてはしゃぐのは当たり前だ」と。


  
   久しぶりの空に想う


 あなたが生きていたら何と言うのだろうか、と


   生きていたあなたの声すら聞きたいのだ



  自分は、欲張りすぎて疲れてた



  「あなたは、あなた」と。


  そんな声があなたから返ってきそうな夜だ