13 / 48
13 今日も傷心
しおりを挟む子供の頃から、感受性豊かで繊細で傷つきやすいと言われてきた。
いざとなると実は、図太い面もあるのだが見た目の大人しさと内向的な性格から言われ放題。
それで傷つく。やはり繊細なのかもしれないが。
外向的な両親は、私が子供の頃からつまらない冗談をよく言うので、私は真に受けては傷ついた。
例えば、母親はおへそから出るゴミはご飯で食べたゴマだと言い、幼稚園児の私は本気で信じ、人間のへそからはゴマが生涯でると信じた。
後日、大爆笑しながら冗談だとあざ笑う母親を見て私は軽く傷つく。
父親は、軍隊式の厳しい育て方をし、
町中でも私が一言でも父親にそむく事を言うと「勝手にしろ!独りで生きていけ!」と怒鳴り、小学生低学年の私を置いてきぼりにしたので、私は低学年にして、これから独りでどうやって生活していこうかと、真剣に悩んだ。
けっこう、今にして思うと、ハードな人生の始まりだ。
幼稚園の時、幼稚園の奥にある小さな林の中に、小さな小屋があった。
毎月一度、母親達が入っていくので私はあの小屋は何だと怯えたら、友人の一人が「あれは魔女の集会の小屋だ」と言うので、私含め、みんなで怯えた。
後で母親に聞いたら、たんなる親の集会所だった。あのおおぼらふきの友人の顔が思い出せない。
逆に、幼稚園の時からサンタクロースを信じていなかった私は、幼稚園のクリスマス会で冷めきっていた。
元をたどると、大好きな亡くなった戦後生まれの祖母が毎年「クリスマスにはお母さんからプレゼント何をもらったの?」と聞くため、プレゼントは両親、叔父からもらうもの、サンタクロースは寒い国に住む老人だと思っていた。
結婚40年の夫婦より冷めすぎてる。
クリスマス会で、サンタクロースの格好をした副園長先生がおやつが入った袋を配って回っていた。
「サンタさんだ!」と騒ぐ純粋無垢な友人達を見ながら、同じ幼稚園児の私はさっさと帰りたかった。
時間外労働を嫌うサラリーマンか。
つまらなくなってきてしまった私は、ワクワクしている横にいた友人に口をすべらせてしまった。
「あれ、サンタクロースじゃなくて副園長先生だよ」
今でも彼女の真っ青な顔が忘れられない。幼稚園児といえど申し訳なかった。
サンタクロースを信じられない自分が悔しかったのかもしれない。
その反面、大人になった今でも真面目に冗談を言われると真に受ける。
泣きそうになると相手が慌てるので、怒る。
繊細なんだが図太いのだか分からない。
でも、いろんな事が重なると幼稚園から冷めきっている私は傷ついて独りで泣く。
同世代が笑い飛ばす事でも、抱え込んでは、数えきれなくなった傷に泣く。
何だかんだ言って、今日も私は冷めきっている性格なのに、傷心している。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
足元からの変革:靴職人の挑戦と成功
O.K
エッセイ・ノンフィクション
靴職人の主人公は、海外からの安価な靴の輸入により売り上げが減少して困っていた。しかし、地元の素材会社が特殊な素材を開発したことを知り、その素材を使って世界で唯一無二の靴を作り上げる。その靴は世界的なブームとなり、地元経済の活性化や持続可能なファッションの先駆者として成功を収める。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
趣味で占いの勉強始めました
珊瑚やよい(にん)
エッセイ・ノンフィクション
最近ゲッターズ飯田さんの五星三心占いにハマり始め、そこから火が付き五星三心占いの元になっている四柱推命、西洋占星術、宿曜占星術、算命学、あと昔あった動物占いや六占星術などを読み漁っています。そのうち九星気学も見てみようと思う。
楽しくてしょうがないのよ。止まらないのよ。人の生年月日がやたら気になる術式発動中なのよ(笑)
まだまだ勉強し始めなので(占い歴2ヶ月くらい)個人鑑定とかはやってないよ。でもそのうち出来るようになれば楽しいよね!!
このエッセイは、私の周りの人のこの星持ってる人はこんな感じ!!を書きたい時に好きなだけ書く場所です。書きたいのよ(笑)
くろいやつのくろいつらつらですわ~
黒幸
エッセイ・ノンフィクション
くろいゆきという謎生物がつらつらとしたものを書き連ねていくだけですですわ~。
日記は三日坊主になるので不定期更新になると思われたら、毎日、更新してますわね。
不思議ですわ~。
6/4現在、何を思い立ったのか、急にお嬢様言葉で書き綴ることになりましてよ。
6/8現在、一話からお嬢様言葉に変換中ですわ~!
そして、短編から長編に変えておきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる