兄に恋した

長谷川 ゆう

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第2話 不倫

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   さやかが7歳の時に、両親は母親の不倫の末、離婚した。

   同じクラスの男の子に「ひりんおんなのこどもだ!」と言われて、仲の良かった女の子の友達が離れていって、その子の母親が、今までニコニコ優しかったのに、笑顔がぎこちなくなっていった。

    七歳でもさやかは、自分の母親が、外の世界にとって悪いことをしているのだと分かった。

   さやかの母親は、ワガママで自己中心的な性格で、さやかの無口で実直な父親とは、さやかが3歳の時から、ギクシャクして、母親は不倫に走った。

    毎日さやかは父親と暮らし、母親がいない日が続き、さやかが7歳のある日帰って来たと思ったら、父親と離婚した。

    無口なさやかの父親は、何もかも疲れきったかのように、全てをあきらめたかのように、さやかを置いて出て行ったまま帰って来なかった。


  新しい母親の不倫相手の父親は、やたらとさやかにニコニコして親しくなろうと近付いてきたので、気持ち悪かった。

    学校でも家でも居場所がないと母親に言うと「あなたが、もっと努力して仲良くしようとしないから、悪いんでしょ!」と怒鳴られた。

   それから28歳になるさやかは、自分の事を母親に相談した事は一度もない。


         
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