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その後
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あれからロブゾ家にようやく平穏が訪れた。
あの男は鉱山送りとなり、もう二度と会う事はないだろう。息子のレオナルドは密かに護衛をつけており、あの男が居なくなった日にケルヴィン叔父様が保護して下さった。
「一応私も血縁者だからね。引き取るのならジュリエッタの所ではなく私の所の方いいだろうしね」
栄養失調気味で身体の至るところに怪我を負っていたレオナルドはケルヴィン叔父様の領地でゆっくりと療養している。
アルバート兄様にそっくりなレオナルドが社交界へ出てくるのは少し問題がありすぎるから引き取るとはいえ、ケルヴィン叔父様の跡継ぎにはさせられない。
だからレオナルドには三つの選択肢を与えたらしい。
一、血縁者であるケルヴィン叔父様の下で暮らす。
将来の自由はあるし、必要な資金は提供してもらえる。
だが跡継ぎには選ばれないし、社交界への参加も今のところ許されない。成人したら自分で身を立てなければならないから苦労はするだろう。
二、血縁者とは無関係な家へ引き取られる。
全てを忘れて新しい家族と人生が得られる。
三、孤児院に入って一人で生きていく。
貴族社会と関わる事なく、平民として静かに生きていける。自分の人生を自分で選べる。
怪我をしている三歳という事もあって出来ることなら一か、二を選んでほしいと思っていたらレオナルドはケルヴィン叔父様の下で生きる事を選んだらしく、私はたまにお土産を持って会いに行っている。
見れば見るほどアルバート兄様に似ている姿に思うことは沢山あるし、レオナルドは私が自分に暴力を振るっていた父親の妹だと知り、今はまだ恐怖を感じているようだった。
今まだ外の世界が恐ろしくて他人を信じられないようだから、ゆっくり時間をかけて心の傷を癒してくれればいいと思うし、叔母として陰ながらその手助けが出来たらいいな。
そしてそんな平和なロブゾ家へ匿名の方から秘密裏に名前抜きの釣書が送られてきた。
「……ねぇ? ロイ……この方ってーー」
「第四王子セオドア様でございますね」
「……セオドア様って確かまだ十二歳ではなかった?」
「そのように記されてます」
「私は今年で十八だから六歳差ね……」
「そのようですね」
「セオドア様が成人するのは私が……二十四歳かしら? いくらなんでもそれはね……行き遅れどうこうの前に跡継ぎを産めなくなってしまうもの」
「二十四歳だとギリギリといった所でしょうか?」
「これ……どこまで本気かしら?」
「「……………………」」
五年前まで醜聞付きだったロブゾ家に王族が婿入りする!? え、いや、婿入りはありがたいけど王子様なの!?
どうするのが最善なのか答えが出ない私達を救ってくれたのはケルヴィン叔父様達だった。
「ああ、本当に釣書送られてきたんだね。あの方が王家との繋がりを作ってしまえばジュリエッタももっと動きやすくなるんじゃないかって仰ってね。まぁ冗談四割、本気六割って所かな?」
わ、わりと本気だった!
「あら夫人方は反対のようですわよ? ジュリエッタにはもっと相応しい方がいると我々は見てますもの」
王族よりも相応しい方って誰ですか!?
これ以上高位の方はもう止めてください、イザベラ様っ!
あの男は鉱山送りとなり、もう二度と会う事はないだろう。息子のレオナルドは密かに護衛をつけており、あの男が居なくなった日にケルヴィン叔父様が保護して下さった。
「一応私も血縁者だからね。引き取るのならジュリエッタの所ではなく私の所の方いいだろうしね」
栄養失調気味で身体の至るところに怪我を負っていたレオナルドはケルヴィン叔父様の領地でゆっくりと療養している。
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だからレオナルドには三つの選択肢を与えたらしい。
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将来の自由はあるし、必要な資金は提供してもらえる。
だが跡継ぎには選ばれないし、社交界への参加も今のところ許されない。成人したら自分で身を立てなければならないから苦労はするだろう。
二、血縁者とは無関係な家へ引き取られる。
全てを忘れて新しい家族と人生が得られる。
三、孤児院に入って一人で生きていく。
貴族社会と関わる事なく、平民として静かに生きていける。自分の人生を自分で選べる。
怪我をしている三歳という事もあって出来ることなら一か、二を選んでほしいと思っていたらレオナルドはケルヴィン叔父様の下で生きる事を選んだらしく、私はたまにお土産を持って会いに行っている。
見れば見るほどアルバート兄様に似ている姿に思うことは沢山あるし、レオナルドは私が自分に暴力を振るっていた父親の妹だと知り、今はまだ恐怖を感じているようだった。
今まだ外の世界が恐ろしくて他人を信じられないようだから、ゆっくり時間をかけて心の傷を癒してくれればいいと思うし、叔母として陰ながらその手助けが出来たらいいな。
そしてそんな平和なロブゾ家へ匿名の方から秘密裏に名前抜きの釣書が送られてきた。
「……ねぇ? ロイ……この方ってーー」
「第四王子セオドア様でございますね」
「……セオドア様って確かまだ十二歳ではなかった?」
「そのように記されてます」
「私は今年で十八だから六歳差ね……」
「そのようですね」
「セオドア様が成人するのは私が……二十四歳かしら? いくらなんでもそれはね……行き遅れどうこうの前に跡継ぎを産めなくなってしまうもの」
「二十四歳だとギリギリといった所でしょうか?」
「これ……どこまで本気かしら?」
「「……………………」」
五年前まで醜聞付きだったロブゾ家に王族が婿入りする!? え、いや、婿入りはありがたいけど王子様なの!?
どうするのが最善なのか答えが出ない私達を救ってくれたのはケルヴィン叔父様達だった。
「ああ、本当に釣書送られてきたんだね。あの方が王家との繋がりを作ってしまえばジュリエッタももっと動きやすくなるんじゃないかって仰ってね。まぁ冗談四割、本気六割って所かな?」
わ、わりと本気だった!
「あら夫人方は反対のようですわよ? ジュリエッタにはもっと相応しい方がいると我々は見てますもの」
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