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世界樹
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目が覚めると森の中にいた。
意識を失う時に居た場所のようだ。……多分。
何で多分なんて曖昧な言い方をするかというと、先程まで青々と生い茂っていた森が所々黒ずんでいて萎びれていたからだった。それに目の前に見えてはいけなさそうな黒い妖精らしき生物が飛び回っていた。悪巧みをしていそうなニシシッと笑みを浮かべて黒い粉を振りまいていた。
「えええっ……!」
黒い粉が触れると色が黒になり、植物は萎れて、大地は粉々にひび割れ、動物達は突然怒り出して争い始めた。
「な、なにこれ! スペアになっても世界救われてなくない!? ちょ、これどうしたらいいの!!?」
そこかしこに飛んでいる黒い妖精と黒い粉を避けてあたふたしていると、私が気を失った辺りに白い箱が置かれているのを見つけた。
見覚えのある柔らかい素材の白い箱だ。
急いでその箱に飛びつき、中を確認するとそこには白い封筒と土の入った焦げ茶色の植木鉢、黄金色のそら豆らしき種があった。
封筒には "緑の乙女のスペア様へ" と書かれてある。
「これ神様からの手紙!?」
不敬かと思ったが状況が状況だ。
丁寧に開く余裕なんてなく、強引に破って中の便箋を取り出した。
──────────────────────────
先程は突然のことにも関わらず、快くスペアに就任していただきましたこと感謝申し上げます。
天界では時間がなかった為、手紙にてスペアの使命をお知らせしたいと思います。
貴女が今回就任したスペアは "緑の乙女" 。
世界樹の守護者。簡単に申しますと飼育係 兼 メンテナンス師をしていただきます。
世界樹は不安定な世界を補い、均衡保つ役割をしている重要器官。人間の身体でいうと、不具合の見つかった心臓を補う "ペースメーカー" です。
定期的なメンテナンスや修理が必要となるので、緑の乙女が世界樹に祈りを捧げて世界樹を万全の状態にしておく。それがこれまでの緑の乙女の役割でした。……が、今回はその大元である世界樹が破壊された事により、緑の乙女の役割が大幅に変わることになりました。
あの枯れ果てて破壊された世界樹を癒やすよりも、種から育成する方が早い上労力も少なく済むので貴女には世界樹を育ててもらうことになりました。
天界産、世界樹の種を同封しておきましたので、頑張ってなるべく早く発芽させてください。
世界樹の存在しない世界は不安定ですので、一秒でも早く発芽させることを願っています。おそらく下界では様々な問題が起きているかと思いますが、そちらは世界樹を発芽させることでほぼ解決します。
世界樹が育つと世界を守護する為の生物が誕生します。何が生まれてくるかは育成者によって違うので楽しみにしていてください。生まれてきた子は世界樹の子供・分身・部下……解釈は好きにしてくださって構いませんが、育てるのは貴女です。頑張ってください。
※ちなみに今回破壊された世界樹からは妖精が生まれました。現在は例の緑の乙女が放出したモノの影響で存在が善から悪へ変化しています。おそらく世界のあちこちで悪さしているでしょう。そちらの対応もお願いします。
色々と言いましたが、やるべきことは簡単です。
世界樹と生まれてくる子達を育てる。
悪堕ちした妖精達を止める。
これさえすれば世界は救われます。
難しいことはありません。
では神があまり下界に関わることは良しとされていませんので、あとは貴女にお任せします。
くれぐれも御身体には気をつけてください。
あなたが世界を救わないと世界は滅びます。
あなたが世界を救う前に死ぬと世界は滅びます。
スペアのスペアは居ないので気をつけてください。
あなたの行動に世界の運命がかかっています。
どうぞよろしくお願いします。
神より
──────────────────────────
「…………」
読み間違いがないか何度も読み直して静かに手紙を封筒にしまう。箱の中身を取り出して、植木鉢と種以外に何かないかと探る。箱をひっくり返して、底に隠し部分がないか、めくったり、叩いたりしてみる。
「……なんもない」
言い方は悪いがふざけてんのかと思った。
もう一度手紙を読む。
……が、私が知りたかったことは書かれてなかった。
「肝心の育成方法を書いとけやあああああ!!!」
──ひらり
空から白い封筒が落ちてきた。
──────────────────────────
落ち着いてください。
緑の乙女となった貴女が祈れば世界樹は応えてくれます。
どうか冷静に……悪しき感情で世界樹に接するのはやめてください。穢れます。世界が滅びます。
神より
──────────────────────────
「うがああああああああ!!!」
叫ぶ。もう叫ぶしかない。
神様に対するこのなんとも言えない苛立ちの感情を叫ぶしかなかった私は、思いっきり叫び倒して心の平穏を取り戻した。
はぁ、はぁ、はぁ、……落ち着け……落ち着くんだ、私……
大丈夫。植物と生き物を育てるだけ。あとは……あの黒い妖精達を止める……ってどうやって!? いや、まずは発芽から。神様もそう言ってるし、芽を出すことから始めよう。
飛び回る黒い妖精や荒れた森を見て、自分の感情よりも今やるべきことを優先することにした。
ひとまず心を落ち着ける為にも深呼吸。すぅ~はぁ~
次に……種にお祈りしてみよう。
えっと違うかもしれないけど、ものは試しに二礼二拍手一礼。
「……何も起きない」
黄金色の種に変化は無し。
よし、植えてみよう。
指で植木鉢の土にグググッと穴を開けて種を置く。
そして土をそっと被せる。
次は……
「水か!」
腰のベルトからひょうたん水筒を取り外し、土に向かって少しずつ水を注ぐ。
「元気に育ってね……ぶへぇ…!」
植物に声かけるとよくに育つというから話しかけてみると、土にかけた水が勢いよく戻ってきて顔にかかった。まるで自分を育てるのに水はいらないと拒絶するように注いだ水を返却してきたのだ。
「うぇ~口に入っちゃったよ」
器用に水だけを返してきたが、一度土に染み込んだ水だと思うとあまり口にしていいものとは思えなかった。
濡れた顔を手で拭って植木鉢を観察する。
天界産、世界樹の種なのだ。
きっと普通の植物とは違うだろう。
今の水だって意思を持って拒絶してきた。
欲しいのはきっと水や太陽の光じゃない。
必要なのは緑の乙女の祈りだっけ。
よしもう一回やるか。
二回お辞儀して、二回拍手、祈って、そしてまた一回お辞儀っと……。
一応 "元気に芽が出ますように" と、 "世界を助けてください" ってお祈りしておいたけど、これであってるのかな?
手応えが全くない状態だった私は不安な表情で植木鉢を覗き込み、そしてもう一度 "芽よ。出ろ!" と祈った。
すると種を植えた部分の土がボコ、ボコ、と盛り上がり鮮やかな緑色の芽がニョキッと顔を出した。まだ芯がなく柔かそうな細くて短い茎らしきもの。そこから花が咲くようにふぁっとニ枚の葉が開いた。
「あー!」
まだほんの小さな双葉の芽。
だけどこれが新しい世界樹の誕生の瞬間となった。
「出た! 芽が出た!」
感動が止まらない私は嬉しさのあまり発芽したばかりの植木鉢を持ち上げて、天界にいる神様に見せつけるように空高く掲げた。
「やったー!」
そして植木鉢と一緒に小躍りしながら世界樹を褒めた。
「偉い! よく頑張ったね。この調子でどんどん大きくなろう。私も毎日お祈り頑張るから!」
私の声に応えるように茎が少しだけ伸びて、もう一枚葉っぱがぴょこっと増えた。
意識を失う時に居た場所のようだ。……多分。
何で多分なんて曖昧な言い方をするかというと、先程まで青々と生い茂っていた森が所々黒ずんでいて萎びれていたからだった。それに目の前に見えてはいけなさそうな黒い妖精らしき生物が飛び回っていた。悪巧みをしていそうなニシシッと笑みを浮かべて黒い粉を振りまいていた。
「えええっ……!」
黒い粉が触れると色が黒になり、植物は萎れて、大地は粉々にひび割れ、動物達は突然怒り出して争い始めた。
「な、なにこれ! スペアになっても世界救われてなくない!? ちょ、これどうしたらいいの!!?」
そこかしこに飛んでいる黒い妖精と黒い粉を避けてあたふたしていると、私が気を失った辺りに白い箱が置かれているのを見つけた。
見覚えのある柔らかい素材の白い箱だ。
急いでその箱に飛びつき、中を確認するとそこには白い封筒と土の入った焦げ茶色の植木鉢、黄金色のそら豆らしき種があった。
封筒には "緑の乙女のスペア様へ" と書かれてある。
「これ神様からの手紙!?」
不敬かと思ったが状況が状況だ。
丁寧に開く余裕なんてなく、強引に破って中の便箋を取り出した。
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先程は突然のことにも関わらず、快くスペアに就任していただきましたこと感謝申し上げます。
天界では時間がなかった為、手紙にてスペアの使命をお知らせしたいと思います。
貴女が今回就任したスペアは "緑の乙女" 。
世界樹の守護者。簡単に申しますと飼育係 兼 メンテナンス師をしていただきます。
世界樹は不安定な世界を補い、均衡保つ役割をしている重要器官。人間の身体でいうと、不具合の見つかった心臓を補う "ペースメーカー" です。
定期的なメンテナンスや修理が必要となるので、緑の乙女が世界樹に祈りを捧げて世界樹を万全の状態にしておく。それがこれまでの緑の乙女の役割でした。……が、今回はその大元である世界樹が破壊された事により、緑の乙女の役割が大幅に変わることになりました。
あの枯れ果てて破壊された世界樹を癒やすよりも、種から育成する方が早い上労力も少なく済むので貴女には世界樹を育ててもらうことになりました。
天界産、世界樹の種を同封しておきましたので、頑張ってなるべく早く発芽させてください。
世界樹の存在しない世界は不安定ですので、一秒でも早く発芽させることを願っています。おそらく下界では様々な問題が起きているかと思いますが、そちらは世界樹を発芽させることでほぼ解決します。
世界樹が育つと世界を守護する為の生物が誕生します。何が生まれてくるかは育成者によって違うので楽しみにしていてください。生まれてきた子は世界樹の子供・分身・部下……解釈は好きにしてくださって構いませんが、育てるのは貴女です。頑張ってください。
※ちなみに今回破壊された世界樹からは妖精が生まれました。現在は例の緑の乙女が放出したモノの影響で存在が善から悪へ変化しています。おそらく世界のあちこちで悪さしているでしょう。そちらの対応もお願いします。
色々と言いましたが、やるべきことは簡単です。
世界樹と生まれてくる子達を育てる。
悪堕ちした妖精達を止める。
これさえすれば世界は救われます。
難しいことはありません。
では神があまり下界に関わることは良しとされていませんので、あとは貴女にお任せします。
くれぐれも御身体には気をつけてください。
あなたが世界を救わないと世界は滅びます。
あなたが世界を救う前に死ぬと世界は滅びます。
スペアのスペアは居ないので気をつけてください。
あなたの行動に世界の運命がかかっています。
どうぞよろしくお願いします。
神より
──────────────────────────
「…………」
読み間違いがないか何度も読み直して静かに手紙を封筒にしまう。箱の中身を取り出して、植木鉢と種以外に何かないかと探る。箱をひっくり返して、底に隠し部分がないか、めくったり、叩いたりしてみる。
「……なんもない」
言い方は悪いがふざけてんのかと思った。
もう一度手紙を読む。
……が、私が知りたかったことは書かれてなかった。
「肝心の育成方法を書いとけやあああああ!!!」
──ひらり
空から白い封筒が落ちてきた。
──────────────────────────
落ち着いてください。
緑の乙女となった貴女が祈れば世界樹は応えてくれます。
どうか冷静に……悪しき感情で世界樹に接するのはやめてください。穢れます。世界が滅びます。
神より
──────────────────────────
「うがああああああああ!!!」
叫ぶ。もう叫ぶしかない。
神様に対するこのなんとも言えない苛立ちの感情を叫ぶしかなかった私は、思いっきり叫び倒して心の平穏を取り戻した。
はぁ、はぁ、はぁ、……落ち着け……落ち着くんだ、私……
大丈夫。植物と生き物を育てるだけ。あとは……あの黒い妖精達を止める……ってどうやって!? いや、まずは発芽から。神様もそう言ってるし、芽を出すことから始めよう。
飛び回る黒い妖精や荒れた森を見て、自分の感情よりも今やるべきことを優先することにした。
ひとまず心を落ち着ける為にも深呼吸。すぅ~はぁ~
次に……種にお祈りしてみよう。
えっと違うかもしれないけど、ものは試しに二礼二拍手一礼。
「……何も起きない」
黄金色の種に変化は無し。
よし、植えてみよう。
指で植木鉢の土にグググッと穴を開けて種を置く。
そして土をそっと被せる。
次は……
「水か!」
腰のベルトからひょうたん水筒を取り外し、土に向かって少しずつ水を注ぐ。
「元気に育ってね……ぶへぇ…!」
植物に声かけるとよくに育つというから話しかけてみると、土にかけた水が勢いよく戻ってきて顔にかかった。まるで自分を育てるのに水はいらないと拒絶するように注いだ水を返却してきたのだ。
「うぇ~口に入っちゃったよ」
器用に水だけを返してきたが、一度土に染み込んだ水だと思うとあまり口にしていいものとは思えなかった。
濡れた顔を手で拭って植木鉢を観察する。
天界産、世界樹の種なのだ。
きっと普通の植物とは違うだろう。
今の水だって意思を持って拒絶してきた。
欲しいのはきっと水や太陽の光じゃない。
必要なのは緑の乙女の祈りだっけ。
よしもう一回やるか。
二回お辞儀して、二回拍手、祈って、そしてまた一回お辞儀っと……。
一応 "元気に芽が出ますように" と、 "世界を助けてください" ってお祈りしておいたけど、これであってるのかな?
手応えが全くない状態だった私は不安な表情で植木鉢を覗き込み、そしてもう一度 "芽よ。出ろ!" と祈った。
すると種を植えた部分の土がボコ、ボコ、と盛り上がり鮮やかな緑色の芽がニョキッと顔を出した。まだ芯がなく柔かそうな細くて短い茎らしきもの。そこから花が咲くようにふぁっとニ枚の葉が開いた。
「あー!」
まだほんの小さな双葉の芽。
だけどこれが新しい世界樹の誕生の瞬間となった。
「出た! 芽が出た!」
感動が止まらない私は嬉しさのあまり発芽したばかりの植木鉢を持ち上げて、天界にいる神様に見せつけるように空高く掲げた。
「やったー!」
そして植木鉢と一緒に小躍りしながら世界樹を褒めた。
「偉い! よく頑張ったね。この調子でどんどん大きくなろう。私も毎日お祈り頑張るから!」
私の声に応えるように茎が少しだけ伸びて、もう一枚葉っぱがぴょこっと増えた。
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