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生きるために
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──ジョリジョリ、ジョリジョリ……
暗くて静かな塔の中に何かを削る音がする。
さて、私は今なにをしているでしょうか?
正解は……石壁の隙間を見つけたので、蔓のような枝を尖らせて石壁の隙間を広げるべく削っている。でした!
階段を下りて一番下に辿り着いた私は外に続く扉の他に地下水が汲み上げられる井戸と、石壁からほんの少しだけ光が漏れている隙間を見つけた。
女達が嫌がらせで持ってくるバケツに入った泥臭い水に嫌気がさしていた私は井戸の発見に喜び小躍りしていると、井戸の影から光が差し込んでいるのを見つけ、塔の石壁に隙間が出来ていると気がついたのだ。
もしかしたらあの隙間を広げたら石が積み重なっている壁から石を外せるのでは?
それは塔の崩壊も考えられる危険な賭けではあったが、石が積み重なって造られた建築物は一つや二つ石が抜けても崩壊しないと聞いたことがあった気がした。だからこの状況を変える為に塔からの脱出を決意した。
まぁ脱出といっても、ただの幼児が外で生きていけるわけないので生活拠点はこの塔にして、外から必要な物を調達することに決めた。
──ジョリジョリ、ジョリジョリ……
石と石の間に詰まっている何かを少しずつ削る。ゴシゴシ擦るように尖ったキリもどきを動かして何日も、何週間もかけて石の周りを削り、そして石をくり抜くのに成功した。
「っ…うわっ!」
隙間から漏れている光が石をとり囲み一周しきった瞬間、ぐらりと石が揺れて外に転がっていった。
ぽっかりと穴が開いた石壁から大量の光が室内に差し込んでくる。それは目が痛くなるほど眩しくて、でも泣きたくなるほど暖かくて綺麗で、私はしばらくその光から目が離せなかった。
「……おとなち、ひとなち、……うん、あんじぇんよーち!」
穴から顔を出して外の様子を偵察する。
草が一面に生えた景色を確認した私は上半身を穴の中に滑り込ませて外に出た。
素足では擽ったい草の地面。
周囲には木が沢山ある。
どうやらここは森の中のようだ。
密閉された塔では感じられなかった涼し気な風が頬をすり抜けていき、肩よりも少しだけ長く伸びた青みがかった銀色の髪がサラサラと靡いていく。
「……あっ!」
塔の周辺を彷徨いていると木と木の隙間から建物が見えた。
海外の映画とかでありそうなヨーロッパ風の城。
尖った屋根の上には旗らしきものが風で揺れていた。
確信なんてなかったけど、きっと彼処が私の生まれた場所だと思った。
見た感じ、距離的にはそこまで遠くなさそうだ。
少し歩けばきっと森を出られて彼処にも辿り着ける筈だ。
城があるってことは、近くに街もあるかも。
気になる。すっっごい気になる!
行ってみたい!
でもそれは絶対にしない。
彼処は私にとって近くて遠い……近寄っちゃダメな場所。
私は幽閉中の不義の子。
それもどっかの国の王族の血が流れてるかもしれない厄介者。
侍女さんが望んでいたみたいに私の死を望む人がいるかも。
外に出られたからって自由になれたと思ったらダメ。
私の外見は目立つ可能性がある。
塔の外に出られる事がバレたら終わりだ。
私に二度目のチャンスは訪れない。
今はまだ耐える時──
もっと、もっと大きくなったら、その時は此処から出ていってやる。
再度塔からの脱出を心に誓った私は賢くない思考をフル回転させ、外への好奇心をグッと抑え込み塔の中に戻った。石壁に開いた穴にはもう着れなくなった小さな洋服をすだれのように穴に掛けて隠すことにした。
△▽△
今日からは森を散策するサバイバル生活が始まる。
二歳半となった私は、女達の隙を狙って朝から夕方まで塔の外に出かけるようになった。
まず私が一番初めに取りかかったことは靴の製作だ。
これまで塔の中では足が寒さでかじかむ事以外に靴の必要性を感じなかったが、外では違う。塔の周辺は草の地面だが、数分歩くとそこは石と木の根っこなどが散乱しているでこぼこ道だった。素足での散策など無謀といえた。
かといって靴なんて自分では作れない。
私に出来るのは草履を作ることぐらいだ。
田舎ではじぃちゃんがよく編んでたから私もやり方は知ってる。……子供の頃のことでうろ覚えだけどいける筈だ。藁ないけど。
「ええっちょ……なにか…」
藁の代わりができる物を考える。
頑丈だけど足を傷めない素材で私でも手に入れられるもの。
「っ…ちょうだ!」
思いついたのは侍女さんが用意してくれた子供用の服やタオル、もう使えなくなった毛糸の衣類達だった。
確か今どきの人達は布で草履を作るという話を思い出した私は、服を破いたり、毛糸を解いたりして材料を手に入れた。そしてうろ覚えの知識をもとに柔らかくてしっかりとした布草履を完成させた。
「おお~!」
鼻緒付きの布草履は足にフィットし、軽やかに走れた。でこぼこした道でも難なく走れて、地面に転がってる異物から守ってくれた。
こうして散策の準備を終えた私は、空の布袋を持って森へと出発した。
無理はしないと決めていたが、予想外に食料品の宝庫だった森の中にハジャイでしまった私は甘酸っぱい木の実を見つけては毟り取り、木の上に果物を見つけてはよじ登った。散策の途中で川を見つけたので、次来た時に罠をしかけようと決意した。
塔に帰る頃には空だった布袋の中には森の恵みが大量に入っていた。その中でも一番の戦利品は "ひょうたん" だ。
森で散策するようになってから喉の乾きに困る事があり、水筒が欲しいと思うようになっていた。
これも田舎知識で実際にやったことはないが、チャレンジあるのみだ!
確かひょうたんを水に浸けて中身を捨てて乾燥させる……だったかな? ……やってみよう。
えっとひょうたんの上部分に穴を開けて水に浸けて……上に重しを乗せとこう。十日ぐらい放置しとけばいいかな。うん、よし、中身を捨ててみよう。
「うぼぇええええええ!!!」
く、く、くくく臭い!
え、は? く、腐ってんのこれ?
いや、水に浸けたら腐るのは当然か。
……にしても何!? この強烈な匂いは!
「おええええ!」
吐き気に悶えながら、ひょうたんの中身を捨てて何度も洗った。井戸の水が冷たいとかそんな事は言ってられなかった。鼻がもげそうなほど強烈な異臭を放つひょうたんを狂ったように洗い続けた。布でゴシゴシ磨き、匂いが気にならなくなったら逆さにして外に干した。
木の枝と枝の間に吊るされたひょうたん達を毎日観察して、乾燥具合を確かめた。およそ一ヶ月ほど日に当てて水分を全て飛ばしてカラッカラに乾燥させ、蔓を紐代わりに括り付けた。
「……かんちぇい!」
可愛いくびれのひょうたん水筒の出来上がりにドヤ顔!
あ、肝心の水はというと、最初はあの激臭が記憶にあって顔を近づけるのを躊躇してしまったけど、飲んでみたらなんてことない普通の水だ。むしろ井戸水の冷たさが残っていて驚愕したほどだった。
その後も川に網をしかけて魚をとったり、石を尖らせて木の棒にくくりつけて槍を作って動物を狩ったりした。
初めて兎らしき動物の首に槍を刺した瞬間の恐怖と罪悪感を私は絶対に忘れない。泥と傷だらけになって兎の血抜きをして皮を剥いだ。真っ赤な血が流れている様子から目を離さなかった。生きる為に自分が犠牲にした命を忘れないように目に焼き付けた。
前世でも肉や魚を食べてた。
魚なんて転生してからも食べてた。
でもなんでだろう。
こうして直接に命を奪って血が流れているのを見ると、自分が他の命を糧に生きていると思い知らされてしまうのは。
可哀想だから出来ない。
命を奪うなんて残酷だ。
前世の私だったらそう言ってたかもしれない。
でも今は生きる為ならその感情を乗り越えられてしまう。
可哀想だからって何も食べずにいることなど不可能。
生きる為には何かしらの糧が必要になるのだ。
「……ありあと」
──感謝しよう。
今日私の命を紡いでくれた存在に感謝の祈りを捧げる。
暗くて静かな塔の中に何かを削る音がする。
さて、私は今なにをしているでしょうか?
正解は……石壁の隙間を見つけたので、蔓のような枝を尖らせて石壁の隙間を広げるべく削っている。でした!
階段を下りて一番下に辿り着いた私は外に続く扉の他に地下水が汲み上げられる井戸と、石壁からほんの少しだけ光が漏れている隙間を見つけた。
女達が嫌がらせで持ってくるバケツに入った泥臭い水に嫌気がさしていた私は井戸の発見に喜び小躍りしていると、井戸の影から光が差し込んでいるのを見つけ、塔の石壁に隙間が出来ていると気がついたのだ。
もしかしたらあの隙間を広げたら石が積み重なっている壁から石を外せるのでは?
それは塔の崩壊も考えられる危険な賭けではあったが、石が積み重なって造られた建築物は一つや二つ石が抜けても崩壊しないと聞いたことがあった気がした。だからこの状況を変える為に塔からの脱出を決意した。
まぁ脱出といっても、ただの幼児が外で生きていけるわけないので生活拠点はこの塔にして、外から必要な物を調達することに決めた。
──ジョリジョリ、ジョリジョリ……
石と石の間に詰まっている何かを少しずつ削る。ゴシゴシ擦るように尖ったキリもどきを動かして何日も、何週間もかけて石の周りを削り、そして石をくり抜くのに成功した。
「っ…うわっ!」
隙間から漏れている光が石をとり囲み一周しきった瞬間、ぐらりと石が揺れて外に転がっていった。
ぽっかりと穴が開いた石壁から大量の光が室内に差し込んでくる。それは目が痛くなるほど眩しくて、でも泣きたくなるほど暖かくて綺麗で、私はしばらくその光から目が離せなかった。
「……おとなち、ひとなち、……うん、あんじぇんよーち!」
穴から顔を出して外の様子を偵察する。
草が一面に生えた景色を確認した私は上半身を穴の中に滑り込ませて外に出た。
素足では擽ったい草の地面。
周囲には木が沢山ある。
どうやらここは森の中のようだ。
密閉された塔では感じられなかった涼し気な風が頬をすり抜けていき、肩よりも少しだけ長く伸びた青みがかった銀色の髪がサラサラと靡いていく。
「……あっ!」
塔の周辺を彷徨いていると木と木の隙間から建物が見えた。
海外の映画とかでありそうなヨーロッパ風の城。
尖った屋根の上には旗らしきものが風で揺れていた。
確信なんてなかったけど、きっと彼処が私の生まれた場所だと思った。
見た感じ、距離的にはそこまで遠くなさそうだ。
少し歩けばきっと森を出られて彼処にも辿り着ける筈だ。
城があるってことは、近くに街もあるかも。
気になる。すっっごい気になる!
行ってみたい!
でもそれは絶対にしない。
彼処は私にとって近くて遠い……近寄っちゃダメな場所。
私は幽閉中の不義の子。
それもどっかの国の王族の血が流れてるかもしれない厄介者。
侍女さんが望んでいたみたいに私の死を望む人がいるかも。
外に出られたからって自由になれたと思ったらダメ。
私の外見は目立つ可能性がある。
塔の外に出られる事がバレたら終わりだ。
私に二度目のチャンスは訪れない。
今はまだ耐える時──
もっと、もっと大きくなったら、その時は此処から出ていってやる。
再度塔からの脱出を心に誓った私は賢くない思考をフル回転させ、外への好奇心をグッと抑え込み塔の中に戻った。石壁に開いた穴にはもう着れなくなった小さな洋服をすだれのように穴に掛けて隠すことにした。
△▽△
今日からは森を散策するサバイバル生活が始まる。
二歳半となった私は、女達の隙を狙って朝から夕方まで塔の外に出かけるようになった。
まず私が一番初めに取りかかったことは靴の製作だ。
これまで塔の中では足が寒さでかじかむ事以外に靴の必要性を感じなかったが、外では違う。塔の周辺は草の地面だが、数分歩くとそこは石と木の根っこなどが散乱しているでこぼこ道だった。素足での散策など無謀といえた。
かといって靴なんて自分では作れない。
私に出来るのは草履を作ることぐらいだ。
田舎ではじぃちゃんがよく編んでたから私もやり方は知ってる。……子供の頃のことでうろ覚えだけどいける筈だ。藁ないけど。
「ええっちょ……なにか…」
藁の代わりができる物を考える。
頑丈だけど足を傷めない素材で私でも手に入れられるもの。
「っ…ちょうだ!」
思いついたのは侍女さんが用意してくれた子供用の服やタオル、もう使えなくなった毛糸の衣類達だった。
確か今どきの人達は布で草履を作るという話を思い出した私は、服を破いたり、毛糸を解いたりして材料を手に入れた。そしてうろ覚えの知識をもとに柔らかくてしっかりとした布草履を完成させた。
「おお~!」
鼻緒付きの布草履は足にフィットし、軽やかに走れた。でこぼこした道でも難なく走れて、地面に転がってる異物から守ってくれた。
こうして散策の準備を終えた私は、空の布袋を持って森へと出発した。
無理はしないと決めていたが、予想外に食料品の宝庫だった森の中にハジャイでしまった私は甘酸っぱい木の実を見つけては毟り取り、木の上に果物を見つけてはよじ登った。散策の途中で川を見つけたので、次来た時に罠をしかけようと決意した。
塔に帰る頃には空だった布袋の中には森の恵みが大量に入っていた。その中でも一番の戦利品は "ひょうたん" だ。
森で散策するようになってから喉の乾きに困る事があり、水筒が欲しいと思うようになっていた。
これも田舎知識で実際にやったことはないが、チャレンジあるのみだ!
確かひょうたんを水に浸けて中身を捨てて乾燥させる……だったかな? ……やってみよう。
えっとひょうたんの上部分に穴を開けて水に浸けて……上に重しを乗せとこう。十日ぐらい放置しとけばいいかな。うん、よし、中身を捨ててみよう。
「うぼぇええええええ!!!」
く、く、くくく臭い!
え、は? く、腐ってんのこれ?
いや、水に浸けたら腐るのは当然か。
……にしても何!? この強烈な匂いは!
「おええええ!」
吐き気に悶えながら、ひょうたんの中身を捨てて何度も洗った。井戸の水が冷たいとかそんな事は言ってられなかった。鼻がもげそうなほど強烈な異臭を放つひょうたんを狂ったように洗い続けた。布でゴシゴシ磨き、匂いが気にならなくなったら逆さにして外に干した。
木の枝と枝の間に吊るされたひょうたん達を毎日観察して、乾燥具合を確かめた。およそ一ヶ月ほど日に当てて水分を全て飛ばしてカラッカラに乾燥させ、蔓を紐代わりに括り付けた。
「……かんちぇい!」
可愛いくびれのひょうたん水筒の出来上がりにドヤ顔!
あ、肝心の水はというと、最初はあの激臭が記憶にあって顔を近づけるのを躊躇してしまったけど、飲んでみたらなんてことない普通の水だ。むしろ井戸水の冷たさが残っていて驚愕したほどだった。
その後も川に網をしかけて魚をとったり、石を尖らせて木の棒にくくりつけて槍を作って動物を狩ったりした。
初めて兎らしき動物の首に槍を刺した瞬間の恐怖と罪悪感を私は絶対に忘れない。泥と傷だらけになって兎の血抜きをして皮を剥いだ。真っ赤な血が流れている様子から目を離さなかった。生きる為に自分が犠牲にした命を忘れないように目に焼き付けた。
前世でも肉や魚を食べてた。
魚なんて転生してからも食べてた。
でもなんでだろう。
こうして直接に命を奪って血が流れているのを見ると、自分が他の命を糧に生きていると思い知らされてしまうのは。
可哀想だから出来ない。
命を奪うなんて残酷だ。
前世の私だったらそう言ってたかもしれない。
でも今は生きる為ならその感情を乗り越えられてしまう。
可哀想だからって何も食べずにいることなど不可能。
生きる為には何かしらの糧が必要になるのだ。
「……ありあと」
──感謝しよう。
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