本気ですか?お義姉さま

たかはし はしたか

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ほらほら、ちゃんと暖かくしなくちゃ。
昨日の続きが聞きたいの。
うーん、そう言われても、何を話したらいいかしら。
ロカのことが気になると言われても、実はそんなにロカのことを知ってるわけじゃないのよね。
歳は私より一つ上だったわね。
双子なのよロカは。
男の子も、女の子もロカ。
二人とも同じ格好していたかわね。
そう、女の子がズボンのこともあれば男の子がスカートのこともあるの、とにかく同じ格好している二人だったわ。
ただ、いつも二人でいるわけじゃなかったわ。
一人だけ遊びに来ることも結構あった。
まだ子供だから、声変わりもしてないし、二人を見分けられる子はいなかったわ。
ひどい悪ガキなんて、見分けるために股を触ったりあ、この話はなし。
なーし。
でも実は私は見分けがついたの。
よーく見るとね、男の子の方がキリッとしていて、女の子の方がふっくらしてるの。
私そういうの見分けるの得意なの。
記憶力がいいんだと思うの。
その頃お母さんが二つ目のお居酒屋をやる傍らで、昼の仕事も始めてたの。
不用品の買取のお店。
だから夜の居酒屋の方を手伝ってたんだけど、注文と会計間違えたことないのよ。
えっと、家庭教師の先生のお話は、えと、なんというか、うーん。
気のせい、そう気のせい。
私記憶力よくないわ。
はいはい。
そうそう、平民の子供がお腹空いたらどうすると思う。
そう、昨日話したみたいに木になっているのを取ったり、自分で稼いで駄菓子を買ったりするの。
皿洗いの駄賃とか、手紙を届けたりとか。
手紙はね、大人のあいびきーあーあー気のせい気のせい。
セナにはまだ早いわ。
えっとね、駄菓子屋さんってのがあって焼き菓子とかではなくてね、小麦を水で解いてうすーく伸ばして焼いたのに色々つけて巻いて食べるの。
ジャムとか。
バターとか。
何もつけないのが3セーンで、そのまま食べてもほんのり甘くていいんだ。
ジャムとか塗るとひと塗り2セーンなんだ。
レインボーっていってあるもの全部塗って食べるのが子供の憧れなんだ。
後ジュースも憧れだった。
ジュースは3セーンなんだけど、お腹にたまらないからみんな選ばないの。
おまけに一口ちょうだいって言われるから。
だからジュースを買うとあいつすげーって話になるの。
ジュースは果物のエキスを混ぜたやつよ。
駄菓子屋にサイダーなんてなかったわ。
サイダー家は最近できたの。
ほら、昨日話したでしょう。
トーマスおじさん。
そう、おじさんからひと瓶もらったの。
面白い飲み物よ。
でも好き嫌い分かれるみたい。
今度セナも飲んでみて。
そうね今度ひと瓶持って帰るわ。
え、っと抜け出すとかじゃなくて家庭教師をサボるわけないじゃない。えーっと、そう送ってもらうわ、おじさんに。
あらもうこんな時間。
季節の変わり目だから、体調崩すのは子供のうちはよくあることよ、心配いらないわ。
お義父様が明日お戻りになるし。
セナが熱を出したって連絡がいったから、ひと月も早く戻って来られるそうよ。
楽しみね。
辺境や隣国のお話聞くの楽しみでしょう。
さあもう寝ましょう。
おやすみ、セナ。
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