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第27話 おどきなさい、薄汚れたスターパールども
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最初の兆候に気付いたのは、村前での王国軍兵士達の変わりようだった。
もはや戦闘不能となったにもかかわらず、戦意を失っていなくて。
けど人のような意志もあり、それが逆にいびつに感じさせた。
まるで意志と肉体が切り離されて動いているかのように。
でも彼等はその事実に気付いていないのだ。
なぜならその意思はすでに、別の者に乗っ取られた後なのだから。
そう、寄生型魔物に、である。
その事実に気付いた時、私は少し状況を疑ってしまった。
「もしかしてもう既にかなりの人数が浸食されているのでは」と。
もちろん私自身だって例外ではないのだ。
だからここに来る前に私達は全員の検査を行った。
幸い、全員陰性。寄生されていなくてホッとしたけれど。
ただ敵兵士達の数人からはやっぱり寄生反応が出た。
あのバルバーレ将軍にもね。
つまり、王国がすでに奴等の繁殖の温床となっている可能性があるんだ。
将軍に接触できるのは限られた人物だけだから。
そしてここへ来て近衛兵まで寄生されている事がわかった。
ならもう、犯人はたった一人しか考えられない。
国王自身が魔物の苗床と化している。
そして部下達に眷属を配って回っているのだと。
「貴様、いつまでそこに貼り付いているつもりだ!」
「こうなったらレスティ、弓をもて!」
「は、はいッ!」
しかし簡単にはいかないからか、まだ寄生されていない者も多い。
はべらせていた女三人は既に手遅れという感じだけれども。
まったく、ここまで見本が多いと見ただけでわかるようになる。
例えば、寄生済みだと微妙に焦点が合ってないとかね。
――そうして眺めていたら頬スレスレに矢が飛んできた。
遠くからクロスボウで狙ってきていたらしい。
でもその集中力は散漫だ。
あの射手、私に対して恐れを抱いているみたい。
勘がいい所を見るに、あの娘は寄生されていないと思っていいか。
まぁいい、まとめて屈服させれば関係無いのだから。
そこで私は力強く跳ね、近衛兵達の集まる中へと飛び込んだ。
するとたちどころに衝撃波が走り、兵達が激しく吹き飛ばされていく。
ただいずれもやはり腕前はあるようで、すぐに持ち直したが。
剣を床に突きさしたり、身軽な足さばきで体勢を整えたりで。
「総員、一斉攻撃だ!」
「奴を絶対に通すなッ!」
「「「ハァァァァ!!!」」」
しかもすぐさま攻撃に転じてきた。
この覚悟とも言える気迫は本物なのでしょう。
――だが実力がその程度ではね。
十五人余りの近衛兵が、私を囲んで一気に剣を振り下ろす。
その動きはもはや一心同体、美しささえ感じさせるほどに同時だ。
しかしその途端、私のドレスギアが急激な変化を見せていた。
「「「ッ!?」」」
「誘われたと気付けない雑魚どもがッ!」
私が両手を床へと突いた途端、生地がふくらんで変形、さらには鋭利な針として無数に伸びる。
それも近衛兵の武器や鎧を一瞬で砕ききるほど速く強く。
「「「なっにィィィーーー!!?」」」
それだけには留まらず、鋭利だった生地が次はリボンのようになって彼女達を弾き飛ばした。
まるで達人の鞭のごとく自由自在に。
そうして一瞬で十数人の近衛兵を無力化する。
遠くで負傷している者や射手が唖然とする前で。
そんな中でドレスが元の形へ戻り、また可愛い私が現れる。
自慢げに胸を張り、数歩ほどカツカツと国王へ向けて歩み出しながら。
「バ、バカな、儂の可愛い近衛騎士達が……!?」
「次からはれっきとした実力者と、魔術にも長ける者を選別する事をお勧めいたしますわ。抱くために並べるなら娼婦でも同じですからぁ」
「うう……」「クソッ……」「陛下の、ためにぃ!」
まぁ正直、彼女達も並みの男では敵わないと思われるくらいに強くはあった。
認められるために必死に鍛え上げたのでしょうね。
「このまま終わらせる訳にはいかない……!」
「私達は幸せになるのよ、この地位と名誉で!」
「もう二度とあんなひもじい生活などするものか……!」
「……そう、貴女達も貧民の出だったのね」
きっとそれは彼女達が底辺から登り詰められるくらいに意欲的だったから。
夢や希望を忘れないくらいに自分を追い込めたから。
けど仕える相手が悪かったのよ。
これでは宝の持ち腐れ、オークにスターパールとはよくいったものだわ。
とはいえ、このまま殺すのも惜しい。
いつかはこういう人材がこの国に必要となるだろうから。
なら、今は大人しく眠ってもらう事にしましょうか。
「悪いけれど、騎士様ゴッコはここまでにしましょう」
「「「ッ!?」」」
「次に起きる時、気分が悪いと思うけれど許してね」
ダンジョンで使った霊子砲は燃費が悪いし無駄な被害が出る。
敵意を向ける者が多過ぎて、この場にいない人まで撃ち殺してしまうから。
だから今回は、周りにいる者の意思を強制シャットダウンさせる……!
そう決めた途端から私の中の魔力が増幅されていく。
魔戦王の魔力をほんの少し抽出し、ドレスギアによって加速させる事によって。
するとたちまち両腕とスカートのフリルから魔力粒子が放出。
私の身体を輝かせ、さらには地響きまでをも引き起こした。
「心掻きし魔惑の恍明よ……!」
そしてその輝きが流れを生み、たちどころにして突風を生む。
物理的にだけではなく、精神と魂にまで及ぶ魔力の風を。
それを近衛兵達は地面にうずくまって必死に耐える事しかできなかった。
ただ突風はすぐに収まり、彼女達はうろたえつつも起き上がっていたが。
「なんだ、ただの風では無いか」
「こんなこけおどしなど我々に通用するものか!」
「ハハッ、所詮今までのが限度おげぶぼッ!?」
「「「ッ!!!?」」」
だがその途端、騎士達が次々と嘔吐し始める。
さらには膝をガクガクと震えさせ、眼もぐるんと白目を剥かせていて。
もう立ってさえいられず、次々とベシャベシャ倒れ込んでいくという。
こうなったのも当然ね。
彼女達は魂をゆさぶられ、強制的に屈服させられたのだから。
その上で意思は残っているから、肉体との齟齬が生じてまともに動けなくなったのよ。
まぁ遠くにいた国王と一部の近衛兵は影響が薄いけど。
もう射手は怯えてへたり込んでいるし、負傷兵は立ち上がれない。
さぁてと、じゃあこれから楽しい尋問タァ~イムの始まりね……!
もはや戦闘不能となったにもかかわらず、戦意を失っていなくて。
けど人のような意志もあり、それが逆にいびつに感じさせた。
まるで意志と肉体が切り離されて動いているかのように。
でも彼等はその事実に気付いていないのだ。
なぜならその意思はすでに、別の者に乗っ取られた後なのだから。
そう、寄生型魔物に、である。
その事実に気付いた時、私は少し状況を疑ってしまった。
「もしかしてもう既にかなりの人数が浸食されているのでは」と。
もちろん私自身だって例外ではないのだ。
だからここに来る前に私達は全員の検査を行った。
幸い、全員陰性。寄生されていなくてホッとしたけれど。
ただ敵兵士達の数人からはやっぱり寄生反応が出た。
あのバルバーレ将軍にもね。
つまり、王国がすでに奴等の繁殖の温床となっている可能性があるんだ。
将軍に接触できるのは限られた人物だけだから。
そしてここへ来て近衛兵まで寄生されている事がわかった。
ならもう、犯人はたった一人しか考えられない。
国王自身が魔物の苗床と化している。
そして部下達に眷属を配って回っているのだと。
「貴様、いつまでそこに貼り付いているつもりだ!」
「こうなったらレスティ、弓をもて!」
「は、はいッ!」
しかし簡単にはいかないからか、まだ寄生されていない者も多い。
はべらせていた女三人は既に手遅れという感じだけれども。
まったく、ここまで見本が多いと見ただけでわかるようになる。
例えば、寄生済みだと微妙に焦点が合ってないとかね。
――そうして眺めていたら頬スレスレに矢が飛んできた。
遠くからクロスボウで狙ってきていたらしい。
でもその集中力は散漫だ。
あの射手、私に対して恐れを抱いているみたい。
勘がいい所を見るに、あの娘は寄生されていないと思っていいか。
まぁいい、まとめて屈服させれば関係無いのだから。
そこで私は力強く跳ね、近衛兵達の集まる中へと飛び込んだ。
するとたちどころに衝撃波が走り、兵達が激しく吹き飛ばされていく。
ただいずれもやはり腕前はあるようで、すぐに持ち直したが。
剣を床に突きさしたり、身軽な足さばきで体勢を整えたりで。
「総員、一斉攻撃だ!」
「奴を絶対に通すなッ!」
「「「ハァァァァ!!!」」」
しかもすぐさま攻撃に転じてきた。
この覚悟とも言える気迫は本物なのでしょう。
――だが実力がその程度ではね。
十五人余りの近衛兵が、私を囲んで一気に剣を振り下ろす。
その動きはもはや一心同体、美しささえ感じさせるほどに同時だ。
しかしその途端、私のドレスギアが急激な変化を見せていた。
「「「ッ!?」」」
「誘われたと気付けない雑魚どもがッ!」
私が両手を床へと突いた途端、生地がふくらんで変形、さらには鋭利な針として無数に伸びる。
それも近衛兵の武器や鎧を一瞬で砕ききるほど速く強く。
「「「なっにィィィーーー!!?」」」
それだけには留まらず、鋭利だった生地が次はリボンのようになって彼女達を弾き飛ばした。
まるで達人の鞭のごとく自由自在に。
そうして一瞬で十数人の近衛兵を無力化する。
遠くで負傷している者や射手が唖然とする前で。
そんな中でドレスが元の形へ戻り、また可愛い私が現れる。
自慢げに胸を張り、数歩ほどカツカツと国王へ向けて歩み出しながら。
「バ、バカな、儂の可愛い近衛騎士達が……!?」
「次からはれっきとした実力者と、魔術にも長ける者を選別する事をお勧めいたしますわ。抱くために並べるなら娼婦でも同じですからぁ」
「うう……」「クソッ……」「陛下の、ためにぃ!」
まぁ正直、彼女達も並みの男では敵わないと思われるくらいに強くはあった。
認められるために必死に鍛え上げたのでしょうね。
「このまま終わらせる訳にはいかない……!」
「私達は幸せになるのよ、この地位と名誉で!」
「もう二度とあんなひもじい生活などするものか……!」
「……そう、貴女達も貧民の出だったのね」
きっとそれは彼女達が底辺から登り詰められるくらいに意欲的だったから。
夢や希望を忘れないくらいに自分を追い込めたから。
けど仕える相手が悪かったのよ。
これでは宝の持ち腐れ、オークにスターパールとはよくいったものだわ。
とはいえ、このまま殺すのも惜しい。
いつかはこういう人材がこの国に必要となるだろうから。
なら、今は大人しく眠ってもらう事にしましょうか。
「悪いけれど、騎士様ゴッコはここまでにしましょう」
「「「ッ!?」」」
「次に起きる時、気分が悪いと思うけれど許してね」
ダンジョンで使った霊子砲は燃費が悪いし無駄な被害が出る。
敵意を向ける者が多過ぎて、この場にいない人まで撃ち殺してしまうから。
だから今回は、周りにいる者の意思を強制シャットダウンさせる……!
そう決めた途端から私の中の魔力が増幅されていく。
魔戦王の魔力をほんの少し抽出し、ドレスギアによって加速させる事によって。
するとたちまち両腕とスカートのフリルから魔力粒子が放出。
私の身体を輝かせ、さらには地響きまでをも引き起こした。
「心掻きし魔惑の恍明よ……!」
そしてその輝きが流れを生み、たちどころにして突風を生む。
物理的にだけではなく、精神と魂にまで及ぶ魔力の風を。
それを近衛兵達は地面にうずくまって必死に耐える事しかできなかった。
ただ突風はすぐに収まり、彼女達はうろたえつつも起き上がっていたが。
「なんだ、ただの風では無いか」
「こんなこけおどしなど我々に通用するものか!」
「ハハッ、所詮今までのが限度おげぶぼッ!?」
「「「ッ!!!?」」」
だがその途端、騎士達が次々と嘔吐し始める。
さらには膝をガクガクと震えさせ、眼もぐるんと白目を剥かせていて。
もう立ってさえいられず、次々とベシャベシャ倒れ込んでいくという。
こうなったのも当然ね。
彼女達は魂をゆさぶられ、強制的に屈服させられたのだから。
その上で意思は残っているから、肉体との齟齬が生じてまともに動けなくなったのよ。
まぁ遠くにいた国王と一部の近衛兵は影響が薄いけど。
もう射手は怯えてへたり込んでいるし、負傷兵は立ち上がれない。
さぁてと、じゃあこれから楽しい尋問タァ~イムの始まりね……!
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