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第22話 宣戦布告しちゃったけどいいよね
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勢いとはいえ、国王に宣戦布告してしまった私。
後悔はないけれど、人生計画の練り直しは必要ね。
けど私の暴挙に領主まで付き合わせるつもりは無い。
だから領地まで戻ってきた際、ラギュース達にはこう告げたわ。
「貴方達は私と無関係。よって今回の件には一切かかわらない事」と。
まぁ彼等は戸惑っていたけれど、これでいいの。
領主たる者、領民すべてを守る義務があるのだから。
彼等には他にも守るべき者達がいるから、いなくならないで欲しい。
それで早朝、私は休むことなく一人でシルス村へと戻った。
まずは急いで実家へと。
「パパ上、ママ上! あとついでにエルエイス!」
「あらミルカちゃん、随分と早いお帰りねぇ」
「申し訳ないのだけど悠長に話している暇は無くて。急いで村長の家に村の皆を集めて欲しいの!」
「なんかあったのけぇ?」
「うん、ちょっとやらかした。その詳細を皆に伝えなきゃいけないから。私は先に村長の所に行ってあらかじめ話をしないと!」
「わかったわぁ。けどミルカちゃんも焦り過ぎないようにね」
こう伝えてはすぐに家を出て、そのまま全速力で走って村長の家へ。
村長に軽く訳を伝えていた所で、村人達がさっそくとやってきた。
集まったのは出稼ぎの者も含め、総勢でおよそ百人程度。
そんな彼等に村長の家の前へと集まってもらう。
「皆さん集まってくれてありがとうございます。実はこれからとても重要な話があるのでしっかり聞いてください。……おそらくはもうまもなく、この村に王国軍が攻めてくる事でしょう」
「「「なんだって!?」」」
「すべては私が至らなかったばかりに招いてしまった事です。国王の要求を受け入れられず、逆らってしまったためにこんな事となってしまいました」
やはりショックは隠せないようで、村人達が動揺で騒ぐ。
けどそれを掌を掲げて制止し、さらにはその腕をすばやく振り払って注目させた。
「ですが国王の要求は、この村の聖護防壁をよこせ、というもの。いずれにせよこの村が危機に瀕する事には変わりありません!」
「なんと……」「理不尽だ!」
「そう、だから私はその要求を跳ね退けたのです。しかし皆さんが危険にさらされる事に違いはありません。そうなってしまった事へはまず謝罪させてください」
まずは事態を伝えつつも感情を整えさせなければならない。
村人達により冷静に判断して行動してもらえるようにと。
そのためなら、あえて頭を下げる事もしよう。
「そこで皆さんを守る為に、私はとある案を考えました。一つは、この村を覆う聖護防壁を一段階強化する事」
「それをするとどうなるのだね?」
「そうするとまず人の出入りが不可能になります。ですがこの村はすでに自給自足が可能ですから何の問題も無いでしょう」
「川を止められたら生活できないわ」
「そんな事をすれば下流の街なども被害が及ぶのでできはしません。毒などを盛っても聖護防壁が浄化してくれるので平気です」
なお、この村を守る事自体は問題無い。
私もいるけど、聖護防壁もあるから。
一応は私が張ったのと同様なので、強化も可能なんだ。
ただこうすると村は外界と隔離されてしまう。
しかもその状態で私が死ねば永遠に。
それに専守を貫けば王国軍は力を蓄えるだろう。
もしかしたらいつか聖護防壁を解除する手立てを見つけてしまうかもしれない。
だから同時に王国軍を黙らせなければいけないんだ。
「その間に、私が王国軍をどうにかしてみせます。だから皆さんは心を落ち着けていて欲しいのです。パニックになってしまわない事、それが私の皆さんへの願いなのです」
「そんな、ミルカちゃんが一人で立ち向かうの!?」
「無茶だ、相手は王国軍なのだろう!?」
「大丈夫です。なんとかしてみせますから安心してください。ただ、不安をぬぐえない方もいらっしゃると思います。そんな方は今から二時間以内に村を出て、領主様の下へ駈け込んでください。すでに話は通してありますので受け入れてもらえるはずですから」
この計画はすでにラギュース達にも伝えてある。
その折、彼等から「有事の際は、村人を受け入れよう」と提案を受けていた。
なのでここは甘んじようと思う。
あとは「ミルカを見限った」とでも言えば免罪してもらえるだろうし。
「いや、オラは残るぜ。この村は大事な故郷だかんな」
「私もよ」「ワシもだ」「出稼ぎの身だが、ここは居心地がいいから俺も残る」
「皆さん……」
でもどうやら村を出たいと思う人は一人もいないらしい。
そんな素直な気持ちを聞けただけでも本望だ。
ならもう村の心配はいらなさそう。
後は王国軍を黙らせるだけね。
「ミルカちゃん、なんだったらママも戦いましょうかぁ?」
「ううん、ママ上は村の皆を守る事を優先して欲しいの。誰も戦える人がいなくなると後が怖いし」
ママ上も戦えるみたいだけど、半端な戦力では正直なトコ足手まといになる。
それに私以外で戦えるのはどうやらこの人だけだから、保険でこの村に残らせたい。
もう一人戦える奴は……頼ってはいけないから。
「僕も行く。ご主人殿を守るのは僕の役目」
「エルエイスはラギュースさんの下に帰りなさい」
ほぉら、あいかわらず自分勝手な事言いだして。
自分の立場も忘れたのかしら。
そう、エルエイスは無関係の側なんだ。
あくまで領主の部下であり、ただ派遣されてきただけの身だから。
そんな彼を巻き込むのは私の主義に反する。
「嫌だ」
「聞き分けの無い事を言わないで」
「僕は始めから自由。閣下ともその条件で契約している」
「ならどうしてそこまでこだわるの? あなたに有益な事なんて何一つ――」
「それは僕が君を愛しているから」
「なっ……!?」
それで何を言い出すのかと思えば――わ、私の事をああ愛しているですってぇ!?
唐突にこんな事を言われてつい動揺してしまった。
この突然のプロポーズに村人達もがざわめき始める。
しかもなんだか嬉しそうに「お似合いだ」とかなんか言い始めちゃって。
じょ、冗談じゃないわ!
私はこんな……こんなポンコツの事なんて知らないんだからー!
「も、もういいわ! なら好きにしなさい!」
「じゃあ誓いのキス、する?」
「……王国軍の前にまずアンタをブチ殺してさしあげましょうか?」
「ミルカは恥ずかしがり屋だ」
「しれっと呼び捨てにしないで欲しいんだけど? 調子にのらないで。私にその気は無いから」
「「「もったいなぁい!」」」
確かにエルエイスは村人達の――主に女性に人気だ。
すっきりとした顔立ちが彼女達の好みなのだろう。
けどそんな美観が私にはまだわからない。
まだ人を好きとか愛とかで測れないんだ。精神的にはまだ三歳で未熟だから。
魔戦王の記憶があるから大人ぶれるだけでね。
だから今はそんな感情は挟まない。
言う事を聞かないなら、もう好きにさせようと思う。
エルエイスなら私の邪魔なんてしないだろうから。
「……ではこれより二時間後、聖護防壁を強化いたします。それまで村から出ないようお願いしますね」
ともかく、こうして私は説明を終え、解散を宣言した。
きたるべき戦いに向けて準備を整えてもらうために。
きっと皆、不安はぬぐえないだろう。
いや、内心ではとても怖がっているに違いない。
なら私は彼等に「もう安心である」と示さなければならない。
それが私の使命であり、魔戦王との約束でもあるのだから。
だって、この身体の主が魔戦王から私へ移った際、私は彼と交わしたんだ。
「俺とは違う、穏やかな日々を過ごして欲しい」――その願いを叶えるのだと。
後悔はないけれど、人生計画の練り直しは必要ね。
けど私の暴挙に領主まで付き合わせるつもりは無い。
だから領地まで戻ってきた際、ラギュース達にはこう告げたわ。
「貴方達は私と無関係。よって今回の件には一切かかわらない事」と。
まぁ彼等は戸惑っていたけれど、これでいいの。
領主たる者、領民すべてを守る義務があるのだから。
彼等には他にも守るべき者達がいるから、いなくならないで欲しい。
それで早朝、私は休むことなく一人でシルス村へと戻った。
まずは急いで実家へと。
「パパ上、ママ上! あとついでにエルエイス!」
「あらミルカちゃん、随分と早いお帰りねぇ」
「申し訳ないのだけど悠長に話している暇は無くて。急いで村長の家に村の皆を集めて欲しいの!」
「なんかあったのけぇ?」
「うん、ちょっとやらかした。その詳細を皆に伝えなきゃいけないから。私は先に村長の所に行ってあらかじめ話をしないと!」
「わかったわぁ。けどミルカちゃんも焦り過ぎないようにね」
こう伝えてはすぐに家を出て、そのまま全速力で走って村長の家へ。
村長に軽く訳を伝えていた所で、村人達がさっそくとやってきた。
集まったのは出稼ぎの者も含め、総勢でおよそ百人程度。
そんな彼等に村長の家の前へと集まってもらう。
「皆さん集まってくれてありがとうございます。実はこれからとても重要な話があるのでしっかり聞いてください。……おそらくはもうまもなく、この村に王国軍が攻めてくる事でしょう」
「「「なんだって!?」」」
「すべては私が至らなかったばかりに招いてしまった事です。国王の要求を受け入れられず、逆らってしまったためにこんな事となってしまいました」
やはりショックは隠せないようで、村人達が動揺で騒ぐ。
けどそれを掌を掲げて制止し、さらにはその腕をすばやく振り払って注目させた。
「ですが国王の要求は、この村の聖護防壁をよこせ、というもの。いずれにせよこの村が危機に瀕する事には変わりありません!」
「なんと……」「理不尽だ!」
「そう、だから私はその要求を跳ね退けたのです。しかし皆さんが危険にさらされる事に違いはありません。そうなってしまった事へはまず謝罪させてください」
まずは事態を伝えつつも感情を整えさせなければならない。
村人達により冷静に判断して行動してもらえるようにと。
そのためなら、あえて頭を下げる事もしよう。
「そこで皆さんを守る為に、私はとある案を考えました。一つは、この村を覆う聖護防壁を一段階強化する事」
「それをするとどうなるのだね?」
「そうするとまず人の出入りが不可能になります。ですがこの村はすでに自給自足が可能ですから何の問題も無いでしょう」
「川を止められたら生活できないわ」
「そんな事をすれば下流の街なども被害が及ぶのでできはしません。毒などを盛っても聖護防壁が浄化してくれるので平気です」
なお、この村を守る事自体は問題無い。
私もいるけど、聖護防壁もあるから。
一応は私が張ったのと同様なので、強化も可能なんだ。
ただこうすると村は外界と隔離されてしまう。
しかもその状態で私が死ねば永遠に。
それに専守を貫けば王国軍は力を蓄えるだろう。
もしかしたらいつか聖護防壁を解除する手立てを見つけてしまうかもしれない。
だから同時に王国軍を黙らせなければいけないんだ。
「その間に、私が王国軍をどうにかしてみせます。だから皆さんは心を落ち着けていて欲しいのです。パニックになってしまわない事、それが私の皆さんへの願いなのです」
「そんな、ミルカちゃんが一人で立ち向かうの!?」
「無茶だ、相手は王国軍なのだろう!?」
「大丈夫です。なんとかしてみせますから安心してください。ただ、不安をぬぐえない方もいらっしゃると思います。そんな方は今から二時間以内に村を出て、領主様の下へ駈け込んでください。すでに話は通してありますので受け入れてもらえるはずですから」
この計画はすでにラギュース達にも伝えてある。
その折、彼等から「有事の際は、村人を受け入れよう」と提案を受けていた。
なのでここは甘んじようと思う。
あとは「ミルカを見限った」とでも言えば免罪してもらえるだろうし。
「いや、オラは残るぜ。この村は大事な故郷だかんな」
「私もよ」「ワシもだ」「出稼ぎの身だが、ここは居心地がいいから俺も残る」
「皆さん……」
でもどうやら村を出たいと思う人は一人もいないらしい。
そんな素直な気持ちを聞けただけでも本望だ。
ならもう村の心配はいらなさそう。
後は王国軍を黙らせるだけね。
「ミルカちゃん、なんだったらママも戦いましょうかぁ?」
「ううん、ママ上は村の皆を守る事を優先して欲しいの。誰も戦える人がいなくなると後が怖いし」
ママ上も戦えるみたいだけど、半端な戦力では正直なトコ足手まといになる。
それに私以外で戦えるのはどうやらこの人だけだから、保険でこの村に残らせたい。
もう一人戦える奴は……頼ってはいけないから。
「僕も行く。ご主人殿を守るのは僕の役目」
「エルエイスはラギュースさんの下に帰りなさい」
ほぉら、あいかわらず自分勝手な事言いだして。
自分の立場も忘れたのかしら。
そう、エルエイスは無関係の側なんだ。
あくまで領主の部下であり、ただ派遣されてきただけの身だから。
そんな彼を巻き込むのは私の主義に反する。
「嫌だ」
「聞き分けの無い事を言わないで」
「僕は始めから自由。閣下ともその条件で契約している」
「ならどうしてそこまでこだわるの? あなたに有益な事なんて何一つ――」
「それは僕が君を愛しているから」
「なっ……!?」
それで何を言い出すのかと思えば――わ、私の事をああ愛しているですってぇ!?
唐突にこんな事を言われてつい動揺してしまった。
この突然のプロポーズに村人達もがざわめき始める。
しかもなんだか嬉しそうに「お似合いだ」とかなんか言い始めちゃって。
じょ、冗談じゃないわ!
私はこんな……こんなポンコツの事なんて知らないんだからー!
「も、もういいわ! なら好きにしなさい!」
「じゃあ誓いのキス、する?」
「……王国軍の前にまずアンタをブチ殺してさしあげましょうか?」
「ミルカは恥ずかしがり屋だ」
「しれっと呼び捨てにしないで欲しいんだけど? 調子にのらないで。私にその気は無いから」
「「「もったいなぁい!」」」
確かにエルエイスは村人達の――主に女性に人気だ。
すっきりとした顔立ちが彼女達の好みなのだろう。
けどそんな美観が私にはまだわからない。
まだ人を好きとか愛とかで測れないんだ。精神的にはまだ三歳で未熟だから。
魔戦王の記憶があるから大人ぶれるだけでね。
だから今はそんな感情は挟まない。
言う事を聞かないなら、もう好きにさせようと思う。
エルエイスなら私の邪魔なんてしないだろうから。
「……ではこれより二時間後、聖護防壁を強化いたします。それまで村から出ないようお願いしますね」
ともかく、こうして私は説明を終え、解散を宣言した。
きたるべき戦いに向けて準備を整えてもらうために。
きっと皆、不安はぬぐえないだろう。
いや、内心ではとても怖がっているに違いない。
なら私は彼等に「もう安心である」と示さなければならない。
それが私の使命であり、魔戦王との約束でもあるのだから。
だって、この身体の主が魔戦王から私へ移った際、私は彼と交わしたんだ。
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