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第18話 ドキドキ! ワクワク? ダンジョン探検隊!
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「ミルカ企画プレゼンツ☆ ドキドキ! ワクワク? ダンジョン攻略~~~!!」
という訳で私は今、冒険者達を引き連れてダンジョン前へとやってきた。
要救助者救出という名目のもと、エルエイスも同伴で。
それというのも、魔導人形でのダンジョン攻略はまだ無理だと判断したから。
まだ持続稼働時間に難があって最大一時間が限度と、途中でのエネルギー切れは避けられない。
本来なら長時間稼働型の魔導人形が必須となる。
けど実はまだ長時間稼働型はまだ完成していない。
計画が前倒しになり、開発が間に合っていないのである。
そこで私自身が思い切って手を挙げた!
手持ちの魔導人形は私の指示で動かせられるものしか無い。
それでも充電する必要もあるので、なら私が直接来ようって事になったのだ。
なにより困った人は助けなければ。
命の危機に晒されている人を見過ごす訳にはいきません!
「ミ、ミルカ殿、あまり遊んでいられる余裕は――」
「何を言うのです。常に平常心を持たなければ、いざという時に背中を狙われかねませんよ? 冒険者たるもの、戦いの心得くらいご存知でしょう?」
「た、確かに……失礼した」
――なぁんてうっそぉ~~~んっ!
本当は宣伝の為でしたぁ~~~!
魔導人形のすごさをここでアピールしてぇ、今後の販路拡大を狙うのです!
その時のためにと、実は動画撮影用魔導人形『録れる君』を造っておきました。
頭部が魔導カメラになっていて両手でピントを合わせてくれる仕様を!
これなら魔導人形の活躍をあます事無く撮影できるのだー!
なおこれを造っていたから長時間稼働型の開発も遅れましたごめんなさい。
「こうして特派員は遂に未踏のダンジョンへと突入する。果たして、中は一体どのようになっているのか」
「いや、先日俺達が入ったんだが」
「そこ、TPOをわきまえてもらえませんか?」
「す、すまない……(て、てぃーぴーおー?)」
よけいな横やりが入ったけれど、撮影自体は問題無い。
後でカットして編集しておこう。
それで気を取り直し、魔導人形達をまず五体ほど放流してからダンジョンへ突入。
性能的にはまぁ攻略に支障無いだろう。
「特派員の進んだ先には魔物の群れが! しかし立ち向かうはこの魔導人形――」
「……人形、もう行ったけど」
「アーーーッ! そうだったー! バトルプログラムに従うから立ち止まってくれないの忘れてたーーーッ!!」
けど魔導人形達は戦う道具なので撮影なんて待ってはくれない。
おかげで雄姿を撮影する間もなく、奥でもう戦闘を始めているという。
暗闇の中で無駄に戦闘音だけが響いて来て、とてもむなしい。
仕方ないので諦め、ダンジョンへ一歩を踏み出した。
中は普通の洞窟状でそれなりに広い。
横幅でも大人が三人分、手を広げられるくらいの大きさだ。
そんな中に少しずつカンテラを向けながら進むと、さっそく魔物の死骸が。
どれも容赦なく頭部やら身体を吹き飛ばされて原型も留めていない。
さすが我が魔導人形軍団、圧倒的ではないかー!
「なんてすさまじい戦闘力だ。これが魔導人形か……」
「もし一般販売が始まったらぜひともごひいきに」
「こんなのが流通したらそれこそ俺達は失業だぜ」
「もう次の職を探しておいた方がいいかもな」
しかしここで耳を立てる事も忘れない。
そうか、魔導人形を実装する事で失職者も出かねないんだ。
これはやり過ぎると反感を買いそうだから、そのフォローも考えないと。
例えば一人一体限定とか。
人形トレーナーバトル大会開催とか。
人形を使う職業の斡旋とかもよさそう。
フフ、それに合わせてバリエーションを増やすのもいいわね……!
そんなよこしまな事を考えつつダンジョンを進む。
魔導人形が分かれ道も探索してくれるので、進む道もバッチリだ。
彼等の情報は魔力伝搬でリアルタイムに届けてくれるからね。
そして今、さっそくと重要な情報が入ってきた。
「待って」
「どうした?」
「……見つけた。生存者、三人」
「なにッ!?」
「十五人中、生きているのはたった三人か」
「だが生きているだけでも儲けものだ」
どうやら人形が生存者を助けたらしい。
そこで私は第二・第三陣を放流し、第一陣と合流させる。
するとさっそく第一陣が戻って来た。
しっかりと生存者の道案内・護衛を行いながら。
「ア、アイーダかッ!」
「ジーナルス!? 皆!? 助けに来てくれたのね!」
そうして出会うや否やジーナルスと救助者の一人が駆け寄って抱き合う。
どうやら二人はそれなりに良い仲みたいね。
なるほど、それであんなに焦っていたって訳か。
まだわからない感情だけど、なんだかうらやましい。
ただ、なんかちょっと違和感がある。
あまりにもあっさりとし過ぎているような……。
「よし、一度戻ろう。攻略は立て直してからでも遅くはない」
「ええそうしましょ! もうここにいたくはないわ!」
「早く人がいる所に帰りたい!」
そんな不安をよそに、ジーナルス達は踵を返していて。
一方で、この半端さを前に振り返る事を拒否する私がここにいる。
何事も「深追いするな」とは言うが、それはしょせん一般論に過ぎない。
私ならこのダンジョンを一人で攻略する事など造作もないのだから。
なまぬるい事をしていないでスパッと終わらせた方がいいのだと。
「なら貴方達だけで帰ってください。私はこのまま進みます」
「ミ、ミルカ殿!?」
「あの娘は一体何を言って……? 帰りましょう?」
……そうか、これが凡人との認識の差なんだ。
彼等にとっては戻るのが当たり前で、事を済ますなんてどうでもいい。
そんな人達ばかりだからいつまでたっても魔物は減らないのだろう。
「――なら、私だけでも行く。プロモーション撮影も叶わないのなら、せめてここを潰してから帰るわ。タダ働きはごめんなので」
現にこう返した私に対して、ジーナルス達はただ閉口するばかりだ。
だから私は一人で踏み出した。
賛同してくれない彼等に寂しさや怒りを覚えそうだったから。
中途半端に戦う事しかできない、そんな凡人の弱さにあきれてしまって。
けど、そんな雑念が私の意識を逸らしてしまっていたのだろう。
それの存在にまったく気付けなかったのだ。
頭上から巨大な牙蚯蚓が大口を開いて迫っていた事に。
「ううッ!? 大回旋牙蚯蚓!?」
しかし気付いた時にはもう遅く。
私はそのまま巨大なワームに丸のみされてしまったのだった。
という訳で私は今、冒険者達を引き連れてダンジョン前へとやってきた。
要救助者救出という名目のもと、エルエイスも同伴で。
それというのも、魔導人形でのダンジョン攻略はまだ無理だと判断したから。
まだ持続稼働時間に難があって最大一時間が限度と、途中でのエネルギー切れは避けられない。
本来なら長時間稼働型の魔導人形が必須となる。
けど実はまだ長時間稼働型はまだ完成していない。
計画が前倒しになり、開発が間に合っていないのである。
そこで私自身が思い切って手を挙げた!
手持ちの魔導人形は私の指示で動かせられるものしか無い。
それでも充電する必要もあるので、なら私が直接来ようって事になったのだ。
なにより困った人は助けなければ。
命の危機に晒されている人を見過ごす訳にはいきません!
「ミ、ミルカ殿、あまり遊んでいられる余裕は――」
「何を言うのです。常に平常心を持たなければ、いざという時に背中を狙われかねませんよ? 冒険者たるもの、戦いの心得くらいご存知でしょう?」
「た、確かに……失礼した」
――なぁんてうっそぉ~~~んっ!
本当は宣伝の為でしたぁ~~~!
魔導人形のすごさをここでアピールしてぇ、今後の販路拡大を狙うのです!
その時のためにと、実は動画撮影用魔導人形『録れる君』を造っておきました。
頭部が魔導カメラになっていて両手でピントを合わせてくれる仕様を!
これなら魔導人形の活躍をあます事無く撮影できるのだー!
なおこれを造っていたから長時間稼働型の開発も遅れましたごめんなさい。
「こうして特派員は遂に未踏のダンジョンへと突入する。果たして、中は一体どのようになっているのか」
「いや、先日俺達が入ったんだが」
「そこ、TPOをわきまえてもらえませんか?」
「す、すまない……(て、てぃーぴーおー?)」
よけいな横やりが入ったけれど、撮影自体は問題無い。
後でカットして編集しておこう。
それで気を取り直し、魔導人形達をまず五体ほど放流してからダンジョンへ突入。
性能的にはまぁ攻略に支障無いだろう。
「特派員の進んだ先には魔物の群れが! しかし立ち向かうはこの魔導人形――」
「……人形、もう行ったけど」
「アーーーッ! そうだったー! バトルプログラムに従うから立ち止まってくれないの忘れてたーーーッ!!」
けど魔導人形達は戦う道具なので撮影なんて待ってはくれない。
おかげで雄姿を撮影する間もなく、奥でもう戦闘を始めているという。
暗闇の中で無駄に戦闘音だけが響いて来て、とてもむなしい。
仕方ないので諦め、ダンジョンへ一歩を踏み出した。
中は普通の洞窟状でそれなりに広い。
横幅でも大人が三人分、手を広げられるくらいの大きさだ。
そんな中に少しずつカンテラを向けながら進むと、さっそく魔物の死骸が。
どれも容赦なく頭部やら身体を吹き飛ばされて原型も留めていない。
さすが我が魔導人形軍団、圧倒的ではないかー!
「なんてすさまじい戦闘力だ。これが魔導人形か……」
「もし一般販売が始まったらぜひともごひいきに」
「こんなのが流通したらそれこそ俺達は失業だぜ」
「もう次の職を探しておいた方がいいかもな」
しかしここで耳を立てる事も忘れない。
そうか、魔導人形を実装する事で失職者も出かねないんだ。
これはやり過ぎると反感を買いそうだから、そのフォローも考えないと。
例えば一人一体限定とか。
人形トレーナーバトル大会開催とか。
人形を使う職業の斡旋とかもよさそう。
フフ、それに合わせてバリエーションを増やすのもいいわね……!
そんなよこしまな事を考えつつダンジョンを進む。
魔導人形が分かれ道も探索してくれるので、進む道もバッチリだ。
彼等の情報は魔力伝搬でリアルタイムに届けてくれるからね。
そして今、さっそくと重要な情報が入ってきた。
「待って」
「どうした?」
「……見つけた。生存者、三人」
「なにッ!?」
「十五人中、生きているのはたった三人か」
「だが生きているだけでも儲けものだ」
どうやら人形が生存者を助けたらしい。
そこで私は第二・第三陣を放流し、第一陣と合流させる。
するとさっそく第一陣が戻って来た。
しっかりと生存者の道案内・護衛を行いながら。
「ア、アイーダかッ!」
「ジーナルス!? 皆!? 助けに来てくれたのね!」
そうして出会うや否やジーナルスと救助者の一人が駆け寄って抱き合う。
どうやら二人はそれなりに良い仲みたいね。
なるほど、それであんなに焦っていたって訳か。
まだわからない感情だけど、なんだかうらやましい。
ただ、なんかちょっと違和感がある。
あまりにもあっさりとし過ぎているような……。
「よし、一度戻ろう。攻略は立て直してからでも遅くはない」
「ええそうしましょ! もうここにいたくはないわ!」
「早く人がいる所に帰りたい!」
そんな不安をよそに、ジーナルス達は踵を返していて。
一方で、この半端さを前に振り返る事を拒否する私がここにいる。
何事も「深追いするな」とは言うが、それはしょせん一般論に過ぎない。
私ならこのダンジョンを一人で攻略する事など造作もないのだから。
なまぬるい事をしていないでスパッと終わらせた方がいいのだと。
「なら貴方達だけで帰ってください。私はこのまま進みます」
「ミ、ミルカ殿!?」
「あの娘は一体何を言って……? 帰りましょう?」
……そうか、これが凡人との認識の差なんだ。
彼等にとっては戻るのが当たり前で、事を済ますなんてどうでもいい。
そんな人達ばかりだからいつまでたっても魔物は減らないのだろう。
「――なら、私だけでも行く。プロモーション撮影も叶わないのなら、せめてここを潰してから帰るわ。タダ働きはごめんなので」
現にこう返した私に対して、ジーナルス達はただ閉口するばかりだ。
だから私は一人で踏み出した。
賛同してくれない彼等に寂しさや怒りを覚えそうだったから。
中途半端に戦う事しかできない、そんな凡人の弱さにあきれてしまって。
けど、そんな雑念が私の意識を逸らしてしまっていたのだろう。
それの存在にまったく気付けなかったのだ。
頭上から巨大な牙蚯蚓が大口を開いて迫っていた事に。
「ううッ!? 大回旋牙蚯蚓!?」
しかし気付いた時にはもう遅く。
私はそのまま巨大なワームに丸のみされてしまったのだった。
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2024年10月追記
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