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第九章 同志達よ集え編
第112話 カントリーフロント・モーリアン
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えれべいたーとかいう物に乗せられ、俺達はどこかへ運ばれている。
ウーティリスやニルナナカ、あとディマーユさんも何か知っているようだが。
じゃあこの先に一体何が待っているっていうんだ……?
「いらっしゃいませン。カントリーフロント、モーリアンへようこそン」
でも壁がまた「チーン」と開いたと思えば、なんかすごい綺麗な場所が現れた。
周囲全てがピッカピカの大理石で、床だけ黒く綺麗なマットが敷いてある。
でもすげぇな、マットに文字まで編まれているぜ……。
あと正面にはカウンターもあり、モーリアンの女性らしき人の姿も。
なんかビッシリと綺麗な白服を着こんでいてすごくカッコイイんだけど?
「お客様は六名様ですねン。何日ほど宿泊されて行かれますかン?」
「え? あ、ええと、未定なのでひとまず三日で頼む」
「かしこまりましたン。でしたらこちらにンお名前とご住所、電話番号などを記載してくださいませン」
「す、すまない、住所は明かせないのと、電話番号というのは無いのだ」
「それでしたらンお客様がたのお名前だけで結構でございますン」
ディマーユさんもさすがに戸惑っているのな。
今だけは気持ち、なんかわかる気がするー。
「では証明としてンみなさまのお写真をお撮りいたしますのでン、できればお並び頂けると幸いですン」
「こ、これでいいか?」
「結構でございますン。ではハイミミズ」
すると受付嬢(?)が何やら小さな板でパシャリ。
謎の合言葉が気になるが、どうやら満足したらしい。
「では料金は前払い制となっておりましてン、宿泊費はお一人様一泊一五〇〇ルカとなりますン」
た、たけぇ……!
俺のハーベスターだった頃の二採掘分だぞ……!?
しかしそれをディマーユさんがさっさと支払ってしまった。
さすが商会の会長、金払いが桁違いだぜ……。
「二七〇〇〇ルカ、たしかに預かりましたン。こちら宿泊費のみとなっておりましてン、食事代金、交通機関利用代金、その他もろもろはン別料金となっておりますのでご了承をン。それとこちらは個室の鍵となっておりますのでン失くさないようお願い申し上げますン」
「部屋はどこに?」
「そちらのエレベーターで各階へどうぞン。お客様がたは地下七階のお部屋をご利用くださいませン」
よくわからんが、泊まる事になったらしい。
地下に降りたら宿が待ってるってよくわからんな。
それで受付嬢から鍵を六つ渡され、ディマーユさんから個々に配られる。
まぁ鍵と言っても小さな四角い紙っきれ(?)なのだが。
「なお、その鍵はカントリーフロント・モーリアンの里への通行証も兼ねておりますン。くれぐれも取り扱いにはご注意くださいませン」
「聞いた通りだ皆、そのカードキーは絶対に失くすなよ。それと曲げたり折ったり千切ったりするのも無しだ」
お、おう、さすがに借りものをそこまでしたりはしないぜ。
チェルトもラクシュも大丈夫だよな? な?
「これすごいね、どうやってできてるんだろう?」
「分解してみますか?」
「人の話を聞け、お前達」
ほらぁ、ディマーユさんも呆れてるじゃねぇかぁ。
――で、なんで俺の方まで見るんです?
「ひとまずこれでチェックインも済ませて里に入れるようになったはず。なので少し一回りして来ようと思う、のだが」
「だが?」
「長旅で疲れているのもあるだろう。このまま一旦休むのもアリだ」
ああ、そうかそういう事ね。
ここが宿なのは長旅を経由してやってくる客のためにあるんだな。
なかなか気が利いたサービスをやってるじゃないか。
実際にどれだけ訪れているかは知らんが。
「……いや、聞くまでも無かったな。ではここで一旦ひと眠りを挟むとしよう」
「はぁ~~~よかったぁ。まだ歩くのかと思ってヒヤヒヤしちゃったよぉ~~~!」
「俺もさすがにな」
「わらわはまだまだいけるのら!」
「お前はずっと俺に背負われたままだっただろうが」
なんにせよやっとゆっくり休める!
今もひんやりとして心地良い室温だし、ここで休んだって構わないくらいだ。
だが安心して寝られるってなら断然そっちがいいねぇ!
「ならわらわはラングと一緒に寝るのらぁ♡」
「あーっ! 抜け駆けはなしだってぇー!」
「おいおい、まったくこんな所で何を言っているのだ……チラッ」
ったく、疲れ切ってるはずなのにこういう時だけは元気だなぁこいつら。
「あのお客様」
「ん、なんだ?」
「当ホテルの部屋では性行為などは禁止ですのであしからずン」
「だそうだ」
「「「ええ~~~!」」」
今さりげなく別の声も聴こえたが聞かなかった事にしよう。
さすがに疲れ過ぎて、そんな事をしている余裕はまったくないから丁度いいな。
さぁて、今日は本当にゆっくりとさせてもらおう。
追加料金はディマーユさん持ちでいいらしいし、ちっとはゴージャスにいかせてもらうとするかなぁ!
ウーティリスやニルナナカ、あとディマーユさんも何か知っているようだが。
じゃあこの先に一体何が待っているっていうんだ……?
「いらっしゃいませン。カントリーフロント、モーリアンへようこそン」
でも壁がまた「チーン」と開いたと思えば、なんかすごい綺麗な場所が現れた。
周囲全てがピッカピカの大理石で、床だけ黒く綺麗なマットが敷いてある。
でもすげぇな、マットに文字まで編まれているぜ……。
あと正面にはカウンターもあり、モーリアンの女性らしき人の姿も。
なんかビッシリと綺麗な白服を着こんでいてすごくカッコイイんだけど?
「お客様は六名様ですねン。何日ほど宿泊されて行かれますかン?」
「え? あ、ええと、未定なのでひとまず三日で頼む」
「かしこまりましたン。でしたらこちらにンお名前とご住所、電話番号などを記載してくださいませン」
「す、すまない、住所は明かせないのと、電話番号というのは無いのだ」
「それでしたらンお客様がたのお名前だけで結構でございますン」
ディマーユさんもさすがに戸惑っているのな。
今だけは気持ち、なんかわかる気がするー。
「では証明としてンみなさまのお写真をお撮りいたしますのでン、できればお並び頂けると幸いですン」
「こ、これでいいか?」
「結構でございますン。ではハイミミズ」
すると受付嬢(?)が何やら小さな板でパシャリ。
謎の合言葉が気になるが、どうやら満足したらしい。
「では料金は前払い制となっておりましてン、宿泊費はお一人様一泊一五〇〇ルカとなりますン」
た、たけぇ……!
俺のハーベスターだった頃の二採掘分だぞ……!?
しかしそれをディマーユさんがさっさと支払ってしまった。
さすが商会の会長、金払いが桁違いだぜ……。
「二七〇〇〇ルカ、たしかに預かりましたン。こちら宿泊費のみとなっておりましてン、食事代金、交通機関利用代金、その他もろもろはン別料金となっておりますのでご了承をン。それとこちらは個室の鍵となっておりますのでン失くさないようお願い申し上げますン」
「部屋はどこに?」
「そちらのエレベーターで各階へどうぞン。お客様がたは地下七階のお部屋をご利用くださいませン」
よくわからんが、泊まる事になったらしい。
地下に降りたら宿が待ってるってよくわからんな。
それで受付嬢から鍵を六つ渡され、ディマーユさんから個々に配られる。
まぁ鍵と言っても小さな四角い紙っきれ(?)なのだが。
「なお、その鍵はカントリーフロント・モーリアンの里への通行証も兼ねておりますン。くれぐれも取り扱いにはご注意くださいませン」
「聞いた通りだ皆、そのカードキーは絶対に失くすなよ。それと曲げたり折ったり千切ったりするのも無しだ」
お、おう、さすがに借りものをそこまでしたりはしないぜ。
チェルトもラクシュも大丈夫だよな? な?
「これすごいね、どうやってできてるんだろう?」
「分解してみますか?」
「人の話を聞け、お前達」
ほらぁ、ディマーユさんも呆れてるじゃねぇかぁ。
――で、なんで俺の方まで見るんです?
「ひとまずこれでチェックインも済ませて里に入れるようになったはず。なので少し一回りして来ようと思う、のだが」
「だが?」
「長旅で疲れているのもあるだろう。このまま一旦休むのもアリだ」
ああ、そうかそういう事ね。
ここが宿なのは長旅を経由してやってくる客のためにあるんだな。
なかなか気が利いたサービスをやってるじゃないか。
実際にどれだけ訪れているかは知らんが。
「……いや、聞くまでも無かったな。ではここで一旦ひと眠りを挟むとしよう」
「はぁ~~~よかったぁ。まだ歩くのかと思ってヒヤヒヤしちゃったよぉ~~~!」
「俺もさすがにな」
「わらわはまだまだいけるのら!」
「お前はずっと俺に背負われたままだっただろうが」
なんにせよやっとゆっくり休める!
今もひんやりとして心地良い室温だし、ここで休んだって構わないくらいだ。
だが安心して寝られるってなら断然そっちがいいねぇ!
「ならわらわはラングと一緒に寝るのらぁ♡」
「あーっ! 抜け駆けはなしだってぇー!」
「おいおい、まったくこんな所で何を言っているのだ……チラッ」
ったく、疲れ切ってるはずなのにこういう時だけは元気だなぁこいつら。
「あのお客様」
「ん、なんだ?」
「当ホテルの部屋では性行為などは禁止ですのであしからずン」
「だそうだ」
「「「ええ~~~!」」」
今さりげなく別の声も聴こえたが聞かなかった事にしよう。
さすがに疲れ過ぎて、そんな事をしている余裕はまったくないから丁度いいな。
さぁて、今日は本当にゆっくりとさせてもらおう。
追加料金はディマーユさん持ちでいいらしいし、ちっとはゴージャスにいかせてもらうとするかなぁ!
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