底辺採集職の俺、ダンジョンブレイク工業はじめました!~本ダンジョンはすでに攻略済みです。勇者様、今さら来られても遅いのでお引き取りを!~

日奈 うさぎ

文字の大きさ
上 下
61 / 148
第五章 ギルド圧政強化編

第61話 ウーティリス、妙にご機嫌なんだけど?

しおりを挟む
 エリクスとの戦いの興奮が冷めやらぬ中、俺は財宝を漁り続けた。
 時間的余裕はまだあったらしく、今回もすべて回収する事ができて上々だ。

 それで早々に家へ帰って来たのだが、やはり落ち着かない。
 ネグリジェ姿のウーティリスがベッドの上でポンポンと叩いて待っていたのだが、ツッコミさえままならなかったのだ。

「元気を出して欲しい、れすぅ~~~ぎゅーーーっ」
「お、これは嬉しいサプラァイズ……!」
「わらわと対応違くない!?」

 そんな俺をニルナナカが抱擁で慰めてくれた。
 すると心なしか気持ちが落ち着いた気がする。ホントありがたいな。

 やはり巨乳だ。巨乳はすべてを解決してくれる……!
 といってもニルナナカはもはや爆――いや、これ以上はよそう。

「さて、眠気も来ないし、獲得品でも確認するか」

 気を取り直した所でインベントリを開いてみる。
 すると今回は結構な財宝が取れていたのでつい笑みを浮かべてしまった。

・轟雷槌ザバルゼン
・千里の鉄靴
・ゴールドインゴット×3
・ルークゴールドインゴット
・天使の羽根のベッド
・マキシエリクサー×2
・白銀の羽根仮面
・山鳴猪の皮手袋
・エリクサー×2
・ミルゴタイト鉱×2
・業火の蓮杖
・涙を吹くハンカチーフ
・神木根刈鎌

 前回と比べてやたら装備、道具が多い。
 薬は薬で助かったのだが、今回は逆にちと少なめだな。

 よし、天使のベッドはニルナナカにあげるとしよう、

『なんらとぉー!? じゃ、じゃあわらわは……?』

 そのボロベッドでいいだろ。使い慣れてるんだし。
 なんなら二人一緒に天使ベッドで寝ればいいと思うの。

『ニルナナカの大きさでいっぱいいっぱいなのらぁ!』

 他の戦利品はすぐ使えそうにないか。
 手袋はどちらかというとハーベスター向けだが、ただの丈夫なモノってだけだ。
 仮面はちょっと派手すぎて俺に合わん。

 そうとなるとほぼ売りかな。
 機会ができた時にまたディーフさんの所へ持っていくとしよう。

 さてと……

「文字を見ていたら眠くなってきたな。いいか、寝ちまおう」

 いい感じに眠気も出てきたし、今日はこれくらいにしておこうか。
 不安も多いが、今はどうしようもないからな。
 明日チェルトが帰ってきたら、事情を話して全員で考える事にしよう。

 そうして立ち上がったら、ニルナナカがベッドの上でポンポン叩いて待っていた。

「癒して~~~差し上げますぅ~~~」

 つい唾を飲んでしまった。
 マジでいいの!? 癒されちゃっていい!?
 俺もう遠慮しないよ!?

「どうぞぉ~~~」
「……行くぜ、天使の楽園によ」

 ゆえに俺はもう欲望のままにニルナナカのベッドへ突っ込んでいた。
 しかしその直後、「わらわを捨て置くなど許せぬのらー!」という声と共に俺の記憶は飛んだ。

 そして朝、気付いたら溶けた堕肉に埋もれていました。

「お、お"ぉ~~~うぅ"~~~」
「天使のベッドで寝てもダメなのかコイツ……」

 そんな堕肉を押しのけ、何とか脱出。
 気付いたら俺まで全裸になってるし、昨日一体何があったんだ……?

 とりあえず、放り投げてあった下着を回収して装着。
 自分の部屋へと戻る。

 そうするともうウーティリスが上にいた。

「おっ、もう起きたのか! えらいぞラングっ!」
「なんだこの香り……もしかしてウーティリスお前、料理してんのか!?」
「うむ! 今日も元気らし、せっかくらからとのう!」

 お、驚いた。普段はグータラなあいつが朝飯を作るなんて。
 たしかに朝には強いらしいが、こんなのは初めてだ。
 なんか顔もすっごい活き活きツヤツヤしてるし、何があったんだ……?

 そんな訳でウーティリスが作った朝食を一口。
 うむ、旨い! これは良いお嫁さんになるぞう!

「そんなお嫁さんだなんてぇ♡ 今からでも婚姻届を出してきても良いぞぉ♡」
「誰との結婚届を出すのかは知らんけどな。あとそれ十年後にしような」
「わらわは十年後もこの姿のままなんらが……」

 そんな事はともかくとして、本気で美味しい。
 ウーティリスにこんな料理の才能があったなんて驚きだよ。
 これなら毎日作ってもらいたいくらいだな。

 さてと……腹も膨れたし、そろそろギルドに行くとするか。
 頃合いを考えたらそろそろダンジョンの報が入ってもおかしくないだろうしな。

 だからと俺は席を立って普段着に着替える。
 ウーティリスも乗り気みたいなのでもちろん一緒だ。
 ニルナナカは……帰ってきてから何とかするとしよう。

 そして玄関の扉を開くのだ。いつも通りに。

「やぁラング=バートナー! 今日もいい天気だねぇ!」

 だが家の前に、なんとあのエリクスがいた。
 ニッコニコな笑顔で、俺に挨拶しながら手を元気よく挙げて。

 お、おいおい……!? 冗談だろう!?
 いくらなんでも対応が早過ぎやしないか……!?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

大地魔法使いの産業革命~S級クラス魔法使いの俺だが、彼女が強すぎる上にカリスマすぎる!

倉紙たかみ
ファンタジー
突然変異クラスのS級大地魔法使いとして生を受けた伯爵子息リーク。 彼の家では、十六歳になると他家へと奉公(修行)する決まりがあった。 奉公先のシルバリオル家の領主は、最近代替わりしたテスラという女性なのだが、彼女はドラゴンを素手で屠るほど強い上に、凄まじいカリスマを持ち合わせていた。 リークの才能を見抜いたテスラ。戦闘面でも内政面でも無理難題を押しつけてくるのでそれらを次々にこなしてみせるリーク。 テスラの町は、瞬く間に繁栄を遂げる。だが、それに嫉妬する近隣諸侯の貴族たちが彼女の躍進を妨害をするのであった。 果たして、S級大地魔法使いのリークは彼女を守ることができるのか? そもそも、守る必要があるのか? カリスマ女領主と一緒に町を反映させる物語。 バトルあり内政あり。女の子たちと一緒に領主道を突き進む! ―――――――――――――――――――――――――― 作品が面白かったらブックマークや感想、レビューをいただけると嬉しいです。 たかみが小躍りして喜びます。感想などは、お気軽にどうぞ。一言でもめっちゃ嬉しいです。 楽しい時間を過ごしていただけたら幸いです。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話

猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。 バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。 『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか? ※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です ※カクヨム・小説家になろうでも公開しています

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...