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第一章 神との邂逅編
第5話 神様はなかなかに太っ腹
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掘れたケツの正体は神だった。
眉唾ものな話だが、信じられる情報が多過ぎて俺の頭がパンクしそうだ。
おまけにスキルなんてものも授かったらしいのだが、よくわからん!
「まったく、今どきの人間はスキルも知らんのか。仕方ないのう、それなら証明してやるわ。ほれ、そなたの〝ステータス〟を見せてみるのら」
「え、すてーたす……?」
「……」
ほら、油断したらまた意味のわからない言葉を使うー。
古代人はそのスキルだとかステータスだとかを使えたって事なのだろうか?
世界の歴史は村で学んだが、そんな話は一切聞いた事がないんだけどな。
「ええい、いいから『ステータスオープン!』とか適当に言うのら!」
「わ、わかったよ! す、すてーたすおぷーん!」
しかしわからない以上は従うしかない。
だからと言われるがままこう叫んでみた。
すると俺の正面に、妙に明るい何かが現れた。
まるで透明な窓のような、それでいて読める文字が書いてある。
なんだこれ、俺の名前も書いてあるぞ!?
「ふむふむ、そなたはラング=バートナーというのだな。職業は採掘士、能力値は~……まぁ人並みに毛が生えた程度のクソザコらの」
「うるせぇほっとけ」
「ただし採掘士の能力補正はなかなかのものなのら。フフフ、迷宮神としてはとても興味がそそる能力値らのう!」
それは馬鹿にしているのか褒めているのか。
まぁでも悪い気はしないけどな。
実際、職業補正が強過ぎて基本能力なんてまるで役に立ちはしない。
こうして俺が簡単に岩を掘れたのも、単純に採掘士であるおかげなのだから。
その採掘士の能力が高いと言われたら嬉しくもなるよ。
「ンッフフー! そして付与技能にわらわの加護が加わる事となるぅ! みよ、一番下の項目を!」
「ええっと付与技能、〝無限穴掘り〟? なんだこれ?」
言われて一番下の項目を見てみたら、確かに『無限穴掘り』と書かれている。
これが何の意味をなすのかわからないが。
「これはその名の通り、無限に穴を掘る事ができるのら! とっても珍しいスキルの一つなのらよぉ~! さすがわらわ、すばらしいっ!」
「へ、へぇ~そう……」
「……少しは喜ぼ?」
やっぱり言っている意味がわからない。
もう思考を放棄したいくらいだ。
「考えるのをやめるのはまだ早かろ!? んもぉー! ならばさっきの道具を使ってわらわが埋まっていた場所に一振りするのらぁ! そうすればわかるっ!」
なんかウーティリスがどんどんと必死になっていて可哀そうに思えてきた。
仕方ないので言われた通りにしてあげよう。
そこで放り投げてあったマトックの先をまた拾い上げ、適当に振ってみる。
半ば子どもの駄々に付き合うつもりの半笑い状態で。
――だったのだが。
「ほぉら! 言うた通りになったであろう!」
「う、嘘だろオイ……!?」
その瞬間、俺は信じられもしない光景を目の当たりにしていた。
なんと道具を振った先に「ボコン」と大丸穴が開いたのだ。
それも一切の狂いもなく真っ直ぐと、たった一瞬で前触れもなく。
「ふはははっ! これがわらわの与えたもうたスキルの力なのらーっ!」
「こ、これが俺に与えられた、力!?」
「さよう! 力加減、意思加減で掘れる量をいくらでも調節可能な採掘士最高峰のスキルなのら! さぁ喜べ!」
「お、おう……あ、ありがとな」
あまりにも度肝を抜いた能力過ぎてもう言葉が出ない。
こんなものが俺に備わったなんて信じられもしないし。
だけどやっと確信できた。
こんな異常能力をこうもたやすく人に与えられるのは、まず間違い無く神しかいないのだと。
こんな小さな女の子にも見えても、俺達とは違う存在なんだってな。
「んん~~~心地よいのぉ! やはり信じる者の感情はとても染みるぅ!」
「疑ってしまってすまん……」
「かまわんかまわん! 今の時代に神が一人しかいないなどという話はちぃーと気になるが、そういう背景があるのらから仕方あるまい!」
しかもこのウーティリスはとても心が広いらしい。
疑っていた俺に対して叱責などはしようとしない。
これが神の器ってやつなのだろうか?
「いあいあ、わらわがそなたに感謝しているのは事実! ゆえに褒め称える事はあっても叱責などせんよ」
「そ、そうか……わかった、ありがとうな」
「うむんっ!」
神、というより、これがウーティリスの人柄なんだろうな。
普通の人よりもずっと懐っこい、見た目通りの純粋さを感じる神物。
そうも思うと途端に親近感を感じてならない。
村では別の家の子ども達ともよく遊んであげていたから。
「フフン、では理解ついでにもう一つ便利な力を教えてしんぜよう」
「え、まだなにかあるのか!?」
「うむ! まずステータスを開いてみよ!」
「お、おう!」
しかしなんだ、この神様。
サービス精神旺盛すぎて逆に不安になりそうだ。
あとで「あげすぎたから返して」だなんて言われても困るぞ!?
「安心せよ、これは人それぞれに付与されるべき一般能力なのら。ほれ、そなたが無限穴掘りを行った事でインベントリーシステムが解放されておるぞ」
「いんべんとり……? これか。これを開けばいいのか――エッ!?」
けどその項目を開いた途端、俺でもわかる衝撃の光景が待っていた。
欄に表示された素材名。
そこに並んでいたのは輝金鉱、聖銀鉱、オリハルコン鉱、マルキオンライト、霊鉄鉱ミルゴタイトといった「超」が付くほどのレア鉱石ばかりときた。
夢か、と思えるようなラインナップの数々だ。
「じょ、冗談だろ、どれ一つとっても家が建つほどの激レア素材なんだが……!?」
もしかして俺、まだ頭がおかしくなったままなのか?
眉唾ものな話だが、信じられる情報が多過ぎて俺の頭がパンクしそうだ。
おまけにスキルなんてものも授かったらしいのだが、よくわからん!
「まったく、今どきの人間はスキルも知らんのか。仕方ないのう、それなら証明してやるわ。ほれ、そなたの〝ステータス〟を見せてみるのら」
「え、すてーたす……?」
「……」
ほら、油断したらまた意味のわからない言葉を使うー。
古代人はそのスキルだとかステータスだとかを使えたって事なのだろうか?
世界の歴史は村で学んだが、そんな話は一切聞いた事がないんだけどな。
「ええい、いいから『ステータスオープン!』とか適当に言うのら!」
「わ、わかったよ! す、すてーたすおぷーん!」
しかしわからない以上は従うしかない。
だからと言われるがままこう叫んでみた。
すると俺の正面に、妙に明るい何かが現れた。
まるで透明な窓のような、それでいて読める文字が書いてある。
なんだこれ、俺の名前も書いてあるぞ!?
「ふむふむ、そなたはラング=バートナーというのだな。職業は採掘士、能力値は~……まぁ人並みに毛が生えた程度のクソザコらの」
「うるせぇほっとけ」
「ただし採掘士の能力補正はなかなかのものなのら。フフフ、迷宮神としてはとても興味がそそる能力値らのう!」
それは馬鹿にしているのか褒めているのか。
まぁでも悪い気はしないけどな。
実際、職業補正が強過ぎて基本能力なんてまるで役に立ちはしない。
こうして俺が簡単に岩を掘れたのも、単純に採掘士であるおかげなのだから。
その採掘士の能力が高いと言われたら嬉しくもなるよ。
「ンッフフー! そして付与技能にわらわの加護が加わる事となるぅ! みよ、一番下の項目を!」
「ええっと付与技能、〝無限穴掘り〟? なんだこれ?」
言われて一番下の項目を見てみたら、確かに『無限穴掘り』と書かれている。
これが何の意味をなすのかわからないが。
「これはその名の通り、無限に穴を掘る事ができるのら! とっても珍しいスキルの一つなのらよぉ~! さすがわらわ、すばらしいっ!」
「へ、へぇ~そう……」
「……少しは喜ぼ?」
やっぱり言っている意味がわからない。
もう思考を放棄したいくらいだ。
「考えるのをやめるのはまだ早かろ!? んもぉー! ならばさっきの道具を使ってわらわが埋まっていた場所に一振りするのらぁ! そうすればわかるっ!」
なんかウーティリスがどんどんと必死になっていて可哀そうに思えてきた。
仕方ないので言われた通りにしてあげよう。
そこで放り投げてあったマトックの先をまた拾い上げ、適当に振ってみる。
半ば子どもの駄々に付き合うつもりの半笑い状態で。
――だったのだが。
「ほぉら! 言うた通りになったであろう!」
「う、嘘だろオイ……!?」
その瞬間、俺は信じられもしない光景を目の当たりにしていた。
なんと道具を振った先に「ボコン」と大丸穴が開いたのだ。
それも一切の狂いもなく真っ直ぐと、たった一瞬で前触れもなく。
「ふはははっ! これがわらわの与えたもうたスキルの力なのらーっ!」
「こ、これが俺に与えられた、力!?」
「さよう! 力加減、意思加減で掘れる量をいくらでも調節可能な採掘士最高峰のスキルなのら! さぁ喜べ!」
「お、おう……あ、ありがとな」
あまりにも度肝を抜いた能力過ぎてもう言葉が出ない。
こんなものが俺に備わったなんて信じられもしないし。
だけどやっと確信できた。
こんな異常能力をこうもたやすく人に与えられるのは、まず間違い無く神しかいないのだと。
こんな小さな女の子にも見えても、俺達とは違う存在なんだってな。
「んん~~~心地よいのぉ! やはり信じる者の感情はとても染みるぅ!」
「疑ってしまってすまん……」
「かまわんかまわん! 今の時代に神が一人しかいないなどという話はちぃーと気になるが、そういう背景があるのらから仕方あるまい!」
しかもこのウーティリスはとても心が広いらしい。
疑っていた俺に対して叱責などはしようとしない。
これが神の器ってやつなのだろうか?
「いあいあ、わらわがそなたに感謝しているのは事実! ゆえに褒め称える事はあっても叱責などせんよ」
「そ、そうか……わかった、ありがとうな」
「うむんっ!」
神、というより、これがウーティリスの人柄なんだろうな。
普通の人よりもずっと懐っこい、見た目通りの純粋さを感じる神物。
そうも思うと途端に親近感を感じてならない。
村では別の家の子ども達ともよく遊んであげていたから。
「フフン、では理解ついでにもう一つ便利な力を教えてしんぜよう」
「え、まだなにかあるのか!?」
「うむ! まずステータスを開いてみよ!」
「お、おう!」
しかしなんだ、この神様。
サービス精神旺盛すぎて逆に不安になりそうだ。
あとで「あげすぎたから返して」だなんて言われても困るぞ!?
「安心せよ、これは人それぞれに付与されるべき一般能力なのら。ほれ、そなたが無限穴掘りを行った事でインベントリーシステムが解放されておるぞ」
「いんべんとり……? これか。これを開けばいいのか――エッ!?」
けどその項目を開いた途端、俺でもわかる衝撃の光景が待っていた。
欄に表示された素材名。
そこに並んでいたのは輝金鉱、聖銀鉱、オリハルコン鉱、マルキオンライト、霊鉄鉱ミルゴタイトといった「超」が付くほどのレア鉱石ばかりときた。
夢か、と思えるようなラインナップの数々だ。
「じょ、冗談だろ、どれ一つとっても家が建つほどの激レア素材なんだが……!?」
もしかして俺、まだ頭がおかしくなったままなのか?
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