9 / 11
エタリティ_3000
しおりを挟む
――――――
―――
――
―
-
ふわりとした感覚が体を包んだ。
きっと次は更に3000年後……3001年なのか、3999年なのか、それとももっともっと離れた時代か。
余りにも長い年月を飛ぶ、だからこの間も長く感じるのだろうか。
本当なら、ここいらで神の声だとかそういうモノが聞こえて来てもいいものだが、残念ながらそんな声は聞こえない。
孤独な空間が俺の心に触れてくる。
もうすぐ次がやってくるんだって、声じゃない声が教えてくれた。
――――――
ビョオオオオオ……!!
途端、耳を打つ激しい音が鳴り響き、立ったままの体を吹き荒れた風が絶え間なく煽る。
その風に辛うじて耐えて足を支えると……俺はそっと目を開けた。
目に映った光景は……一面の赤。
赤くキメ細かい砂が地表を覆い、強い風に巻き上げられて空を舞う。 光を遮る程の濃度の砂が、遥か向こうの景色を誤魔化して、全てを赤に染めていた。 地面にはまばらに何かの赤い塊が転がり、茶黒く何かを滲ませていた。
それは金属の様だった。 浮かんでいるのは長い年月が過ぎ去った後であろうと思える程にそれを侵食した錆。僅かに錆びを免れた何かが見た事の無い文字を描いているのが判る。
見上げると建物の様なうっすらとした影が映り、人の姿などは全く見られなかった。
―――人間は、もう居ないのか……?―――
そう、喋った筈だった。
声が出なかった。
途端、胸を突く苦しみが襲い掛かり、口と胸をその手で抑えた。
―――苦しい!! なんだこれ!? ……息が、出来ない!!―――
目にも砂が入り、痛みが襲い掛かる。 呼吸も視界も塞がり、パニックを引き起こした俺は……膝を突き、胸と口を押えたまま蹲った。
―――呼吸したい!! 空気が欲しい!!―――
俺はそのまま思うまま目を閉じた。
―――
――
―
-
ふわりとした感覚が体を包んだ。
きっと次は更に3000年後……3001年なのか、3999年なのか、それとももっともっと離れた時代か。
余りにも長い年月を飛ぶ、だからこの間も長く感じるのだろうか。
本当なら、ここいらで神の声だとかそういうモノが聞こえて来てもいいものだが、残念ながらそんな声は聞こえない。
孤独な空間が俺の心に触れてくる。
もうすぐ次がやってくるんだって、声じゃない声が教えてくれた。
――――――
ビョオオオオオ……!!
途端、耳を打つ激しい音が鳴り響き、立ったままの体を吹き荒れた風が絶え間なく煽る。
その風に辛うじて耐えて足を支えると……俺はそっと目を開けた。
目に映った光景は……一面の赤。
赤くキメ細かい砂が地表を覆い、強い風に巻き上げられて空を舞う。 光を遮る程の濃度の砂が、遥か向こうの景色を誤魔化して、全てを赤に染めていた。 地面にはまばらに何かの赤い塊が転がり、茶黒く何かを滲ませていた。
それは金属の様だった。 浮かんでいるのは長い年月が過ぎ去った後であろうと思える程にそれを侵食した錆。僅かに錆びを免れた何かが見た事の無い文字を描いているのが判る。
見上げると建物の様なうっすらとした影が映り、人の姿などは全く見られなかった。
―――人間は、もう居ないのか……?―――
そう、喋った筈だった。
声が出なかった。
途端、胸を突く苦しみが襲い掛かり、口と胸をその手で抑えた。
―――苦しい!! なんだこれ!? ……息が、出来ない!!―――
目にも砂が入り、痛みが襲い掛かる。 呼吸も視界も塞がり、パニックを引き起こした俺は……膝を突き、胸と口を押えたまま蹲った。
―――呼吸したい!! 空気が欲しい!!―――
俺はそのまま思うまま目を閉じた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
悪魔の繋ぎ目
喜劇の沙吉比亜
SF
登場人物
服部 祐一郎
はっとり ゆういちろう
服部 秋穂
はっとり あきほ
星野 美沙紀
ほしの みさき
基督 姫子
きりす ひめこ
旭川 瑠美
あさひがわ るみ
八神 蓮
やがみ れん
余りにも悪い目覚めで吐きそうになるのを我慢し、ベッドから起き上がる。直ぐに自分の部屋のドアへ目を向ける。周りには本棚が幾分かに分けられていて、息苦しい空間だ。大量の本が置いてあり、机の上にはパソコンが一台置いてあるだけの部屋。その為、
部屋は非常に狭く見栄えの良いものではなかった。
ベッドから降りてドアへ近寄ろうとするが吐き気がして足元がよろける。おまけに酷い耳鳴りが続く。朝は嫌いだ。いつも気分が悪いし、もう起きたくないとも思う。けど、そんなことを何年も続けていればもう慣れっこだった。続けたくないけど続いてしまっていると言う状況すら忘れてしまったのかもしれない。あの日僕の記憶が消えたように。
俺がキーなわけがない!?
クルクル
SF
西暦XXXX年、人類は新たな問題を抱えていた。【覚醒者】―――突如として規格外なチカラに目覚めたものが現れ始めたのだ。ある者は武器を創造する権能を、ある者は物体を石に変える目を、ある者は地表を焼き払う光線を放つ能力を。
見た目平凡な高校生、左城宮恢もまた【鍵で自在に開閉する権能】を持つ【覚醒者】だった。
とある理由でチカラを隠して生活している恢だったが、世界はそんなに甘くはない。気楽に過ごしたい恢を盛大に巻き込んで物語が始まる―――
不定期更新です。
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
戦艦大和、時空往復激闘戦記!(おーぷん2ちゃんねるSS出展)
俊也
SF
1945年4月、敗色濃厚の日本海軍戦艦、大和は残りわずかな艦隊と共に二度と還れぬ最後の決戦に赴く。
だが、その途上、謎の天変地異に巻き込まれ、大和一隻のみが遥かな未来、令和の日本へと転送されてしまい…。
また、おーぷん2ちゃんねるにいわゆるSS形式で投稿したものですので読みづらい面もあるかもですが、お付き合いいただけますと幸いです。
姉妹作「新訳零戦戦記」「信長2030」
共々宜しくお願い致しますm(_ _)m
メガマウス国の生物学 [ Biology of the Megamouth Shark Land ]
二市アキラ(フタツシ アキラ)
SF
日本沈没、エクソダス先の旧日本・太平洋上に浮かぶメガフロート都市、海浮県海浮市メガマウスアイランド(推定人口4500万人)。
Bizzare Lollapalooza 奇妙でロラパルーザな奴らが、自らの"解放"をかけて、繰り広げる冒険活劇。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる