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エタリティ_5
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――――――
―――
――
―
-
「――こうちゃんっ!! やっと会えたっ!!」
突然、その声と共に暖かい感触が体に伝わり始めた。
なんだろう……そう思いながらも閉じていた目を開くと……俺に抱き着く玲香が居た。
でもどこか雰囲気が変わったような……彼女の大人びた感じが更に強くなったような。
思えば服装もいつの間にか変わっている。 さっきまではラフな格好だったのに、今はフォーマルなスーツを着こなしているのだ。
その様子、その姿を前に……俺は起きたであろう事実を受け止め切れず……唖然と唾を飲み込んだ。
「……俺、もしかして……飛んだ……のか――?」
その問いに、玲香が静かに頷く。 その途端、俺の体の力がドっと抜けきった気がして……膝が崩れ倒れそうになったが、彼女がそっと支えててくれた。
「こうちゃん、危ない……」
「あ、ああ……ごめん……」
彼女に支えられたままゆっくり膝に力を篭めると、まるで生まれたばかりの小鹿の様に脚をプルプルと震わせながら立ち上がる。
もう何もかもが判らない。 眠った訳でも無いのに飛んでしまった……その事実を前にただ項垂れるばかり。
「玲香……俺、どれくらい飛んだ……?」
「んと……そうだね、6年、厳密に言えば5年と9ヶ月かな……」
どんどんと広がっていく間隔、もはや止まる事さえ出来ないのだろうか。
眠るだけでなくただ目を瞑っただけで「飛ぶ」のなら……俺はもう、彼女との時間を共にする事は出来そうにない……。
そう、口にも出さず考えを張り巡らせていると、不意に玲香が抱き込んでいた俺の体をそっと離した。
「こうちゃんは変わらないね……あの時ままだ」
一歩離れ、腕を後ろに組むその姿は……「さっき」と変わらない夕日に充てられ輪郭を映えさせる。 俺を見つめる瞳が半目で開き、彼女の優しい気持ちが手に取る様に判る表情を浮かべていた。
「さっき」までとは違う、憔悴していた彼女など最早一片すら感じられない程に麗しくなった――君。
着慣れたスーツ姿から察するに、彼女は既に就職しているのだろう。 小さなバッグや髪留めで纏め上げられた髪……先程まで働いていたかの様な身なりだ。
「玲香は随分変わったね。 さっき……いや、6年前はあんなに疲れた顔をしていたのに」
「そうだよ~あの後大変だったんだから……フフッ」
彼女が言うには、俺が消えた後……結局俺は姿を現した事には成らなかったそうだ。 反論する事を辞めた彼女は勉強に打ち込み、見事某一流大学へと進学したらしい。
だが今回の一件があり、俺の両親とは折り合いが悪くなってしまったそうだ。 また、俺が居なくなった事で父母同士も不仲となり、離婚して家を出て行ってしまったらしい。 聞くと、元々仲が良くなかったそうだが、俺が居た事でその仲を繋ぎ留めていたと母親が漏らしていた事を教えてくれた。 元々二人は仕事人間だった為か……特に争う事も無く離婚は成立したとの事。 それだけでもまだ救いがあるだろう。
ちなみに4ヶ月姿を消した際には警察を動員した探索も行ったと、今ここで初めて聞いた。
「――今ね、私……とある所で働いてるんだ。 どこか教えてあげようか?」
「うん?」
彼女が急に話題を変え、俺に問い掛けをする。 でも答えなんて判る訳は無い。 就職先なんて、彼女の様な学歴保持者であれば幾らでもあるのだから。
だが、ふと……答えてみたくなった。 そう問い掛けたという事は、俺が知っている答えなのだろう……そう思ったから。
そう思った矢先、俺が口を開くよりも先に彼女の口が得意げに開いた。
「時間切れ……答えは、『地球科学技術センター』だよ」
その答えを聞いた時、俺は言葉が出なかった。
地球科学技術センター……それは俺がこんな体になってしまった原因だと思われる隕鉄が保管されている場所。 彼女はもしや……あの隕鉄を手に入れる為にそこに就職したのだろうか? だとしたらつまり、彼女は俺の為に人生を奮ってそこに就職したという事だ。
その時、自分の中で何かが弾ける様な……頭を締め付ける感覚に襲われた。
彼女の夢は教師になる事、の筈だった。
俺達は恋人同士になる前に「将来は何に成りたいか」と語り合った事がある。 その時、教師に成りたいと言い放った彼女の顔はとても自信に満ち溢れ、本音であるのだろうという想いをひしひしと感じさせてくれたものだ。
そんな彼女が自分の夢を捨ててまで、こうやって俺の為に何かを成そうとしてくれている。
俺はそんな彼女の好意が堪らなく嬉しくて……それでいて……哀しかった。
「どうして……君は……そこまで俺の為に何かをしようとしてくれるんだ……?」
「えっ?」
「なんで君は自分を犠牲にしてまで……俺に会おうとしてくれたんだ……!? いつ戻って来るかも解らないのに……なんで――」
感情が昂り、声が詰まる。 呼吸が上手く出来なくて、声が掠れて……それが悲しみを引き寄せて、顔が歪んでいく――。
解らない。
俺には解らない。
君の気持ちが解らない。
君の心は判っていた筈なのに、君の心がまるで別の誰かに変わってしまった。 そう思えるくらいに……何も、解らなくなった。
「こうちゃん……それはね、私がこうちゃんの事が今でも大好きだからなんだよ?」
彼女の優しい笑顔が、その言葉が……逆に俺の胸を締め付ける。
「――俺も、玲香の事が好きだ……大好きなんだ!! ……大好き……だから、辛いんだ」
「こう……ちゃん?」
口から出た言葉が発端となって、俺の感情が噴き出す。 流れ出た言葉は最早留まる事無く、感情に任せ彼女に襲い掛かった。
「辛いんだッ!! 君がッ!! 好きだって言ってくれるからッ!! だから堪らなく辛いんだッ!! 俺が大好きな君が……俺の為に犠牲になる事が俺にはこれ以上に無いくらい辛いんだよォッ!!」
昂った感情が涙を呼び、叫んだ拍子に激しく縦に振られた顔から雫が宙を舞う。 その水滴が僅かに彼女の服に舞い散り……誰も気付かない染みを滲ませた。
「……もうっ……嫌なんだ……君を縛る事が……。 ……だから、もう終わりにしよう?」
「終わりって……」
「玲香……君はもう、俺の事を忘れて幸せになって欲しいんだ……もう俺の事を待たないで欲しいんだ……お願いだよ、じゃないと俺もう……耐えられそうにない……」
―――君が何よりも大好きだから―――
その言葉を言えば、きっと彼女は諦めないだろう。 だから……口に出す事は無かった。
それでも彼女は首を振り、潤わせた目で見つめ受け入れようともしない。 彼女は彼女なりの算段があるのかもしれない。
けれど、それすらも俺にはもうどうでもよかった。 俺が、自分自身をどうでもよくなっていたんだ。
―――だから。
胸が張り裂けそうな想いに駆られながらも、俺は精一杯の笑顔を彼女に向けた。 笑窪ができ、筋肉の動きが伴い目元が動くと、浮かんでいた涙が動きに煽られ頬を伝って流れ落ちた。
そんな精一杯の笑顔を前に、玲香は慌てその手を突き出す。
「こうちゃ―――――」
「さようなら」
暗闇と静寂が意識を支配した。
この感覚が、いわゆる「飛んだ」感覚なのだろう。
これが何なのかは、判る筈も無い。
けど、こうやって考えてる間に、時が過ぎて、でもそこに俺は居なくて。
目が開いたら、また新しいページが開く。
でもここに、開きたくない自分が居る。
いっそこのまま暗闇の中で、永遠に居続けたい……そうすら思った。
でも、意思無く「本」が閉じられるのだとしたら、きっと開くのも意思は関係ないのだろう。
そろそろ、時が来る。
―――
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「――こうちゃんっ!! やっと会えたっ!!」
突然、その声と共に暖かい感触が体に伝わり始めた。
なんだろう……そう思いながらも閉じていた目を開くと……俺に抱き着く玲香が居た。
でもどこか雰囲気が変わったような……彼女の大人びた感じが更に強くなったような。
思えば服装もいつの間にか変わっている。 さっきまではラフな格好だったのに、今はフォーマルなスーツを着こなしているのだ。
その様子、その姿を前に……俺は起きたであろう事実を受け止め切れず……唖然と唾を飲み込んだ。
「……俺、もしかして……飛んだ……のか――?」
その問いに、玲香が静かに頷く。 その途端、俺の体の力がドっと抜けきった気がして……膝が崩れ倒れそうになったが、彼女がそっと支えててくれた。
「こうちゃん、危ない……」
「あ、ああ……ごめん……」
彼女に支えられたままゆっくり膝に力を篭めると、まるで生まれたばかりの小鹿の様に脚をプルプルと震わせながら立ち上がる。
もう何もかもが判らない。 眠った訳でも無いのに飛んでしまった……その事実を前にただ項垂れるばかり。
「玲香……俺、どれくらい飛んだ……?」
「んと……そうだね、6年、厳密に言えば5年と9ヶ月かな……」
どんどんと広がっていく間隔、もはや止まる事さえ出来ないのだろうか。
眠るだけでなくただ目を瞑っただけで「飛ぶ」のなら……俺はもう、彼女との時間を共にする事は出来そうにない……。
そう、口にも出さず考えを張り巡らせていると、不意に玲香が抱き込んでいた俺の体をそっと離した。
「こうちゃんは変わらないね……あの時ままだ」
一歩離れ、腕を後ろに組むその姿は……「さっき」と変わらない夕日に充てられ輪郭を映えさせる。 俺を見つめる瞳が半目で開き、彼女の優しい気持ちが手に取る様に判る表情を浮かべていた。
「さっき」までとは違う、憔悴していた彼女など最早一片すら感じられない程に麗しくなった――君。
着慣れたスーツ姿から察するに、彼女は既に就職しているのだろう。 小さなバッグや髪留めで纏め上げられた髪……先程まで働いていたかの様な身なりだ。
「玲香は随分変わったね。 さっき……いや、6年前はあんなに疲れた顔をしていたのに」
「そうだよ~あの後大変だったんだから……フフッ」
彼女が言うには、俺が消えた後……結局俺は姿を現した事には成らなかったそうだ。 反論する事を辞めた彼女は勉強に打ち込み、見事某一流大学へと進学したらしい。
だが今回の一件があり、俺の両親とは折り合いが悪くなってしまったそうだ。 また、俺が居なくなった事で父母同士も不仲となり、離婚して家を出て行ってしまったらしい。 聞くと、元々仲が良くなかったそうだが、俺が居た事でその仲を繋ぎ留めていたと母親が漏らしていた事を教えてくれた。 元々二人は仕事人間だった為か……特に争う事も無く離婚は成立したとの事。 それだけでもまだ救いがあるだろう。
ちなみに4ヶ月姿を消した際には警察を動員した探索も行ったと、今ここで初めて聞いた。
「――今ね、私……とある所で働いてるんだ。 どこか教えてあげようか?」
「うん?」
彼女が急に話題を変え、俺に問い掛けをする。 でも答えなんて判る訳は無い。 就職先なんて、彼女の様な学歴保持者であれば幾らでもあるのだから。
だが、ふと……答えてみたくなった。 そう問い掛けたという事は、俺が知っている答えなのだろう……そう思ったから。
そう思った矢先、俺が口を開くよりも先に彼女の口が得意げに開いた。
「時間切れ……答えは、『地球科学技術センター』だよ」
その答えを聞いた時、俺は言葉が出なかった。
地球科学技術センター……それは俺がこんな体になってしまった原因だと思われる隕鉄が保管されている場所。 彼女はもしや……あの隕鉄を手に入れる為にそこに就職したのだろうか? だとしたらつまり、彼女は俺の為に人生を奮ってそこに就職したという事だ。
その時、自分の中で何かが弾ける様な……頭を締め付ける感覚に襲われた。
彼女の夢は教師になる事、の筈だった。
俺達は恋人同士になる前に「将来は何に成りたいか」と語り合った事がある。 その時、教師に成りたいと言い放った彼女の顔はとても自信に満ち溢れ、本音であるのだろうという想いをひしひしと感じさせてくれたものだ。
そんな彼女が自分の夢を捨ててまで、こうやって俺の為に何かを成そうとしてくれている。
俺はそんな彼女の好意が堪らなく嬉しくて……それでいて……哀しかった。
「どうして……君は……そこまで俺の為に何かをしようとしてくれるんだ……?」
「えっ?」
「なんで君は自分を犠牲にしてまで……俺に会おうとしてくれたんだ……!? いつ戻って来るかも解らないのに……なんで――」
感情が昂り、声が詰まる。 呼吸が上手く出来なくて、声が掠れて……それが悲しみを引き寄せて、顔が歪んでいく――。
解らない。
俺には解らない。
君の気持ちが解らない。
君の心は判っていた筈なのに、君の心がまるで別の誰かに変わってしまった。 そう思えるくらいに……何も、解らなくなった。
「こうちゃん……それはね、私がこうちゃんの事が今でも大好きだからなんだよ?」
彼女の優しい笑顔が、その言葉が……逆に俺の胸を締め付ける。
「――俺も、玲香の事が好きだ……大好きなんだ!! ……大好き……だから、辛いんだ」
「こう……ちゃん?」
口から出た言葉が発端となって、俺の感情が噴き出す。 流れ出た言葉は最早留まる事無く、感情に任せ彼女に襲い掛かった。
「辛いんだッ!! 君がッ!! 好きだって言ってくれるからッ!! だから堪らなく辛いんだッ!! 俺が大好きな君が……俺の為に犠牲になる事が俺にはこれ以上に無いくらい辛いんだよォッ!!」
昂った感情が涙を呼び、叫んだ拍子に激しく縦に振られた顔から雫が宙を舞う。 その水滴が僅かに彼女の服に舞い散り……誰も気付かない染みを滲ませた。
「……もうっ……嫌なんだ……君を縛る事が……。 ……だから、もう終わりにしよう?」
「終わりって……」
「玲香……君はもう、俺の事を忘れて幸せになって欲しいんだ……もう俺の事を待たないで欲しいんだ……お願いだよ、じゃないと俺もう……耐えられそうにない……」
―――君が何よりも大好きだから―――
その言葉を言えば、きっと彼女は諦めないだろう。 だから……口に出す事は無かった。
それでも彼女は首を振り、潤わせた目で見つめ受け入れようともしない。 彼女は彼女なりの算段があるのかもしれない。
けれど、それすらも俺にはもうどうでもよかった。 俺が、自分自身をどうでもよくなっていたんだ。
―――だから。
胸が張り裂けそうな想いに駆られながらも、俺は精一杯の笑顔を彼女に向けた。 笑窪ができ、筋肉の動きが伴い目元が動くと、浮かんでいた涙が動きに煽られ頬を伝って流れ落ちた。
そんな精一杯の笑顔を前に、玲香は慌てその手を突き出す。
「こうちゃ―――――」
「さようなら」
暗闇と静寂が意識を支配した。
この感覚が、いわゆる「飛んだ」感覚なのだろう。
これが何なのかは、判る筈も無い。
けど、こうやって考えてる間に、時が過ぎて、でもそこに俺は居なくて。
目が開いたら、また新しいページが開く。
でもここに、開きたくない自分が居る。
いっそこのまま暗闇の中で、永遠に居続けたい……そうすら思った。
でも、意思無く「本」が閉じられるのだとしたら、きっと開くのも意思は関係ないのだろう。
そろそろ、時が来る。
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