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第三十六節「謀略回生 ぶつかり合う力 天と天が繋がる時」
~Cool c'est beau <美しいは正義> 瀬玲とパーシィ③~
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突如パーシィの身に驚くべき事が起きた。
空中で静止したまま身動きが出来なくなったのだ。
対する瀬玲はもはや余裕。
大手を広げ、歩み寄っていく程に。
空中で垂直に。
その二人の姿、もはや異様以外の何物でもない。
「アナタ、まさかずっとッ!?」
「御名答~! 名演技だったでしょ? ま、実際痛かったけどさ。 騙すにはいい苦痛だったかな」
今の今までの戦いは全て瀬玲の手の内。
苦戦していたのも、パーシィが空中に誘い出すのも何もかも。
そしてこうして空中に固める事さえも。
「ちなみにアンタを固めてるのは、私の折り込んだ極細の命力糸。 しかもアンタの命力が折り込んでる特別性ってワケ」
「んなっ!?」
そう言われてパーシィが周囲に視線を凝らすと―――
そこには見慣れた光がチラチラと。
紫の燐光が微かにちらついているのが見えていて。
でも糸らしい物には見えない。
「視認は難しいと思うよ。 だってアンタの命力だもん。 あって当たり前っていう意識の外にあるからさ。 ちなみに千切るのも無理。 自分の命力を千切るって事は、自分の意思を千切るのと同じだからね」
実は、自身の命力とは実際に見えている訳ではない。
形が見えると思い込める程に心で理解しているだけなのだ。
例えその命力が他人に偽装されていたとしても。
千切る事も間違いなく不可能である。
瀬玲の言う通り、命力とは意思で操る超常エネルギーだからこそ。
もし仮に千切る事が出来た場合、その者の心もが千切れ飛ぶ事となる。
自身で千切る事こそが問題なのだから。
でも、同時に……他人の命力を掴む事など常人には出来ない。
偽装するにしろ、普通に考えれば無理な芸当なのだ。
「ど、どうしてそんな事が出来るのよッ!! アンタ一体―――」
「あーそれそれ、その質問待ってたのよー! それがこれ、【ペルパリューゼ】の特殊能力って奴なの。 私の発案した自慢の一品!」
しかし、瀬玲はそれを成した。
その手に握る魔剣【虹閃奏弓ペルパリューゼ】によって。
そう語る瀬玲はとても楽しそう。
こうして自慢出来た事が余程嬉しかったのだろう。
「コイツはね、大気中に散った命力を取り込む事が出来るのよ。 そんで矢弾として打ち出す事が出来るの。 命力の糸と一緒にね」
その力は特異中の特異。
普通の魔剣使いでは使えない由縁は、ここにこそ存在する。
命力の糸を生み出せる瀬玲にしか扱えないという理由が。
「じゃあさっきから撃ってたのはもしかしてッ!?」
「そそ、アンタの命力貰って撃ち出してたから、事実上消費ゼロってワケ。 あんだけジャバジャバ放出してたんだから貰い放題だったよ。 命力量が自慢なのかなんなのかワカんないけど、無駄遣いし過ぎじゃない?」
「ぐぅ、その弓がそんな力持ってたなんてッ!! 聞いてないわよぅ!!」
きっとこうしている間もパーシィは体を自由にしようと足掻いていたのだろう。
そうも言いきれないのは、彼がそれ程に微動だにしていないからに過ぎない。
それ程までに、がんじがらめなのだ。
今のパーシィの体が節々に渡って微塵も動かせない程に。
ちなみに瀬玲が立っていられるのも、全てその命力糸のお陰。
彼女は今、糸に立っている。
天を突く様にして大地に突き刺さった糸に。
その上で命力を送り込み、貼り付いているだけ。
もちろんネタばらしはそれだけに留まらないが。
「ウッフフ、その先入観が罠だったんだなぁ。 これ、弓に見えるけど、違うんだよね」
「えっ……」
「これ、実は楽器みたいなものかな。 ヴァイオリンみたいな弦楽器的な」
そう、【ペルパリューゼ】は弓ではない。
弓の様な筐体を持つ、楽器型魔剣なのである。
両端に付けられたペグ状の意匠も、盾の様に平たい胴体部も。
全ては彼女の意図するがままに設計された、戦いを奏でる為の機構ゆえに。
「そんでこの【エベルミナク・苦楽永遠歌】が弓竿みたいなものってワケ。 こんな感じで使う為にね」
そんな刀を、瀬玲が魔剣の裏から再び取り出して。
浮かんだ光刃をそっと【ペルパリューゼ】の胴体部正面に充る。
後はそっと引き絞るのみ。
弦楽器を引き鳴らすかの様にして。
ブババッッッ!!!
たったそれだけで、パーシィの全身から血飛沫が舞い散った。
無数の斬り跡を刻み込みながら。
「ッぎゃああああ!!!!」
「あ、血祭りだ、ウッフフ! でも大丈夫、まだ表皮しか切ってないからさ」
全ては瀬玲の手中。
今の一撃はまさに、それを示すが如き所業だった。
たちまちパーシィがその声を黙らせてしまう程に。
何せ、今の一奏は加減したもの。
本気を出せば、もうどうなるかわからないから。
「ちなみにー……本気を出したこの子の実力はこんなもん」
すると何を思ったのか、瀬玲が真横へ魔剣を突き出していて。
その途端、目を覆ってしまいそうな程の光が一瞬、その場に瞬く。
ドギュンッ!!―――
異様な射撃音と共に。
そして間も無く、パーシィは目の当たりにする事となる。
遥か彼方できのこ雲となった爆炎が立ち上る光景を。
もしこんな一撃を貰えばパーシィ程度、跡形もないだろう。
それだけの威力を誇っているのだ。
もちろん撃ち込んだ先に誰も居ない事を知っての行いだと弁明しておこう。
犠牲者を出さない為の配慮はこういう時も欠かさない。
「刀の方も勉強したからね、本当はちゃんと使えるのよ?」
そうして振り回す様は、パーシィが斬撃を見切れない程に素早く。
裂空音が絶えず鳴り響く程に鋭く、それでいて美しく。
ピュピュインッ―――
そういった武器を扱うにも、彼女の美観が実に反映される。
それこそが彼女の本来持つ拘りなのだから。
「という訳で、どれをとってもアンタの勝ち目は無かったってワケ。 これを演出するのが私の美学で、やりたかった事。 付き合ってくれてどうもありがとう~!」
それをやりきった今の彼女はまるで、演奏を演じきった奏者のよう。
パーシィ相手に両手を振って喜びを露わにする姿が。
戦いに目覚めた後も、ずっと憧れていたのだろう。
この様にスマートに、完璧に勝利する事に。
傷付く事も、体を痛める事も、全ては演出に過ぎない。
結果的に美しく終わらせる為の。
それはまるで曲風が変わり変わる混成曲の様に。
何もかもが終曲を迎える為の役作り。
これこそが瀬玲の本質。
力で強引にではなく、繊細に、優雅に、煌びやかに。
それでいて確実に、徹底し、逃がさない。
完璧なまでに美しい勝利を飾る事を願ってやまないから。
その想いが今、ようやく叶ったのである。
理想の新型魔剣【虹閃奏弓ペルパリューゼ】が完成した事によって。
これがこの魔剣の全容。
瀬玲の力の秘密にして、理想のカタチ。
これを得た今の彼女に、付け入る死角はもはや存在しない。
……という姿を見せつけられた事が満足だったのだろう。
もう瀬玲に戦う気は無い様だ。
飽きたと言わんばかりに欠伸と屈伸まで始めていて。
「あーそうだ。 ちなみにアンタ、デュランとの愛がどうこうって言ってたけど……アイツの名前が偽名だって知ってた?」
「え"ッ!?」
「なんだ、知らないんだ。 愛が聞いて呆れるわ~」
そうして始まったのはただの戯言。
ただし、リデルという情報源から得られた真実を添えたもの。
「本当の名前も知らない人の事をそうして愛せるのって、ほんと盲目的よね。 好きな人なら詮索くらいするでしょ、普通……」
「てっめ……!!」
「上辺しか見てないなら、ただの即席BLとなんも変わらないじゃん。 そういう安っぽいの、もういいから」
性欲を満たす為だけに乱造されたツクリモノなど、瀬玲はもはや興味無い。
彼女は真の愛に生きる者だから。
容姿、性格、性質、全てを完璧に揃えた者を好む完璧主義者だから。
だからこそ、得られる物は全て完璧である事を望む。
「あ、もう動かない方がいいよ。 リミッター解いたから。 今まではそれが言いたくて抑えてただけだし」
「あ"ぁ"!?」
「じゃ、私は行くわ。 一週間くらいそのままでいてね、そうすれば勝手に解けるからー」
その目的を達した今、もう瀬玲に留まる理由は無いから。
そのままパーシィの横を過ぎ去り、大地へ向けて歩いていく。
ワナワナと体を震わせるパーシィに視線を合わせる事も無く。
「てんめぇ……好き勝手言いやがってクソメスがぁ……!!」
その上で本性を現そうとも、歯牙に掛ける事無く。
「アタシとあの方のッ!! 邪魔はてめぇにはさせねぇ!!」
ただただ優雅に、その歩を進めるのみ。
モデルの様に、女優の様に。
「アタシの愛はッ!! 無敵なんだよォーーーッ!!」
そしてその一言が、瀬玲の両腕を開かせる事となる。
美しく彩られた孔雀の翼の様に大きく、大きく。
「んん―――クール イズ ビューティフォーッ!!」
その背に、後光が如き鮮血を浴びながら。
その中で微笑む彼女の姿は、鬼気に溢れながらも―――間違い無く美しかった。
これこそが瀬玲の今望む、死闘への美学なのである。
空中で静止したまま身動きが出来なくなったのだ。
対する瀬玲はもはや余裕。
大手を広げ、歩み寄っていく程に。
空中で垂直に。
その二人の姿、もはや異様以外の何物でもない。
「アナタ、まさかずっとッ!?」
「御名答~! 名演技だったでしょ? ま、実際痛かったけどさ。 騙すにはいい苦痛だったかな」
今の今までの戦いは全て瀬玲の手の内。
苦戦していたのも、パーシィが空中に誘い出すのも何もかも。
そしてこうして空中に固める事さえも。
「ちなみにアンタを固めてるのは、私の折り込んだ極細の命力糸。 しかもアンタの命力が折り込んでる特別性ってワケ」
「んなっ!?」
そう言われてパーシィが周囲に視線を凝らすと―――
そこには見慣れた光がチラチラと。
紫の燐光が微かにちらついているのが見えていて。
でも糸らしい物には見えない。
「視認は難しいと思うよ。 だってアンタの命力だもん。 あって当たり前っていう意識の外にあるからさ。 ちなみに千切るのも無理。 自分の命力を千切るって事は、自分の意思を千切るのと同じだからね」
実は、自身の命力とは実際に見えている訳ではない。
形が見えると思い込める程に心で理解しているだけなのだ。
例えその命力が他人に偽装されていたとしても。
千切る事も間違いなく不可能である。
瀬玲の言う通り、命力とは意思で操る超常エネルギーだからこそ。
もし仮に千切る事が出来た場合、その者の心もが千切れ飛ぶ事となる。
自身で千切る事こそが問題なのだから。
でも、同時に……他人の命力を掴む事など常人には出来ない。
偽装するにしろ、普通に考えれば無理な芸当なのだ。
「ど、どうしてそんな事が出来るのよッ!! アンタ一体―――」
「あーそれそれ、その質問待ってたのよー! それがこれ、【ペルパリューゼ】の特殊能力って奴なの。 私の発案した自慢の一品!」
しかし、瀬玲はそれを成した。
その手に握る魔剣【虹閃奏弓ペルパリューゼ】によって。
そう語る瀬玲はとても楽しそう。
こうして自慢出来た事が余程嬉しかったのだろう。
「コイツはね、大気中に散った命力を取り込む事が出来るのよ。 そんで矢弾として打ち出す事が出来るの。 命力の糸と一緒にね」
その力は特異中の特異。
普通の魔剣使いでは使えない由縁は、ここにこそ存在する。
命力の糸を生み出せる瀬玲にしか扱えないという理由が。
「じゃあさっきから撃ってたのはもしかしてッ!?」
「そそ、アンタの命力貰って撃ち出してたから、事実上消費ゼロってワケ。 あんだけジャバジャバ放出してたんだから貰い放題だったよ。 命力量が自慢なのかなんなのかワカんないけど、無駄遣いし過ぎじゃない?」
「ぐぅ、その弓がそんな力持ってたなんてッ!! 聞いてないわよぅ!!」
きっとこうしている間もパーシィは体を自由にしようと足掻いていたのだろう。
そうも言いきれないのは、彼がそれ程に微動だにしていないからに過ぎない。
それ程までに、がんじがらめなのだ。
今のパーシィの体が節々に渡って微塵も動かせない程に。
ちなみに瀬玲が立っていられるのも、全てその命力糸のお陰。
彼女は今、糸に立っている。
天を突く様にして大地に突き刺さった糸に。
その上で命力を送り込み、貼り付いているだけ。
もちろんネタばらしはそれだけに留まらないが。
「ウッフフ、その先入観が罠だったんだなぁ。 これ、弓に見えるけど、違うんだよね」
「えっ……」
「これ、実は楽器みたいなものかな。 ヴァイオリンみたいな弦楽器的な」
そう、【ペルパリューゼ】は弓ではない。
弓の様な筐体を持つ、楽器型魔剣なのである。
両端に付けられたペグ状の意匠も、盾の様に平たい胴体部も。
全ては彼女の意図するがままに設計された、戦いを奏でる為の機構ゆえに。
「そんでこの【エベルミナク・苦楽永遠歌】が弓竿みたいなものってワケ。 こんな感じで使う為にね」
そんな刀を、瀬玲が魔剣の裏から再び取り出して。
浮かんだ光刃をそっと【ペルパリューゼ】の胴体部正面に充る。
後はそっと引き絞るのみ。
弦楽器を引き鳴らすかの様にして。
ブババッッッ!!!
たったそれだけで、パーシィの全身から血飛沫が舞い散った。
無数の斬り跡を刻み込みながら。
「ッぎゃああああ!!!!」
「あ、血祭りだ、ウッフフ! でも大丈夫、まだ表皮しか切ってないからさ」
全ては瀬玲の手中。
今の一撃はまさに、それを示すが如き所業だった。
たちまちパーシィがその声を黙らせてしまう程に。
何せ、今の一奏は加減したもの。
本気を出せば、もうどうなるかわからないから。
「ちなみにー……本気を出したこの子の実力はこんなもん」
すると何を思ったのか、瀬玲が真横へ魔剣を突き出していて。
その途端、目を覆ってしまいそうな程の光が一瞬、その場に瞬く。
ドギュンッ!!―――
異様な射撃音と共に。
そして間も無く、パーシィは目の当たりにする事となる。
遥か彼方できのこ雲となった爆炎が立ち上る光景を。
もしこんな一撃を貰えばパーシィ程度、跡形もないだろう。
それだけの威力を誇っているのだ。
もちろん撃ち込んだ先に誰も居ない事を知っての行いだと弁明しておこう。
犠牲者を出さない為の配慮はこういう時も欠かさない。
「刀の方も勉強したからね、本当はちゃんと使えるのよ?」
そうして振り回す様は、パーシィが斬撃を見切れない程に素早く。
裂空音が絶えず鳴り響く程に鋭く、それでいて美しく。
ピュピュインッ―――
そういった武器を扱うにも、彼女の美観が実に反映される。
それこそが彼女の本来持つ拘りなのだから。
「という訳で、どれをとってもアンタの勝ち目は無かったってワケ。 これを演出するのが私の美学で、やりたかった事。 付き合ってくれてどうもありがとう~!」
それをやりきった今の彼女はまるで、演奏を演じきった奏者のよう。
パーシィ相手に両手を振って喜びを露わにする姿が。
戦いに目覚めた後も、ずっと憧れていたのだろう。
この様にスマートに、完璧に勝利する事に。
傷付く事も、体を痛める事も、全ては演出に過ぎない。
結果的に美しく終わらせる為の。
それはまるで曲風が変わり変わる混成曲の様に。
何もかもが終曲を迎える為の役作り。
これこそが瀬玲の本質。
力で強引にではなく、繊細に、優雅に、煌びやかに。
それでいて確実に、徹底し、逃がさない。
完璧なまでに美しい勝利を飾る事を願ってやまないから。
その想いが今、ようやく叶ったのである。
理想の新型魔剣【虹閃奏弓ペルパリューゼ】が完成した事によって。
これがこの魔剣の全容。
瀬玲の力の秘密にして、理想のカタチ。
これを得た今の彼女に、付け入る死角はもはや存在しない。
……という姿を見せつけられた事が満足だったのだろう。
もう瀬玲に戦う気は無い様だ。
飽きたと言わんばかりに欠伸と屈伸まで始めていて。
「あーそうだ。 ちなみにアンタ、デュランとの愛がどうこうって言ってたけど……アイツの名前が偽名だって知ってた?」
「え"ッ!?」
「なんだ、知らないんだ。 愛が聞いて呆れるわ~」
そうして始まったのはただの戯言。
ただし、リデルという情報源から得られた真実を添えたもの。
「本当の名前も知らない人の事をそうして愛せるのって、ほんと盲目的よね。 好きな人なら詮索くらいするでしょ、普通……」
「てっめ……!!」
「上辺しか見てないなら、ただの即席BLとなんも変わらないじゃん。 そういう安っぽいの、もういいから」
性欲を満たす為だけに乱造されたツクリモノなど、瀬玲はもはや興味無い。
彼女は真の愛に生きる者だから。
容姿、性格、性質、全てを完璧に揃えた者を好む完璧主義者だから。
だからこそ、得られる物は全て完璧である事を望む。
「あ、もう動かない方がいいよ。 リミッター解いたから。 今まではそれが言いたくて抑えてただけだし」
「あ"ぁ"!?」
「じゃ、私は行くわ。 一週間くらいそのままでいてね、そうすれば勝手に解けるからー」
その目的を達した今、もう瀬玲に留まる理由は無いから。
そのままパーシィの横を過ぎ去り、大地へ向けて歩いていく。
ワナワナと体を震わせるパーシィに視線を合わせる事も無く。
「てんめぇ……好き勝手言いやがってクソメスがぁ……!!」
その上で本性を現そうとも、歯牙に掛ける事無く。
「アタシとあの方のッ!! 邪魔はてめぇにはさせねぇ!!」
ただただ優雅に、その歩を進めるのみ。
モデルの様に、女優の様に。
「アタシの愛はッ!! 無敵なんだよォーーーッ!!」
そしてその一言が、瀬玲の両腕を開かせる事となる。
美しく彩られた孔雀の翼の様に大きく、大きく。
「んん―――クール イズ ビューティフォーッ!!」
その背に、後光が如き鮮血を浴びながら。
その中で微笑む彼女の姿は、鬼気に溢れながらも―――間違い無く美しかった。
これこそが瀬玲の今望む、死闘への美学なのである。
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