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第90話 遥に何かが起きている?
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そういえば母さんはこう言っていた。
遥に対し、「これ以上無理をしてはいけない」と。
あの時は何を言いたのかわからなくてすぐ忘れてしまったけれど。
でも今ならなんとなくわかる。
遥にこれ以上、「何か」をさせてはいけない……そんな気がしてならなくて。
だが、その「何か」がまだ具体的にわからない。
それはきっと母さんも同じだったから深く言う事はなかったのだろう。
だからしばらく彼女を注視する必要がありそうだ。
これがただの気のせいなら、それでいいんだが。
「たしか次の部屋はウミウシスライムの集団がおるんやったな」
「ええ、それなので今度は麻痺で動きを止めつつ確実に攻めようかと」
「それはセオリーにもある作戦だね。奴らはまだ雑魚の方で助かったよ」
ひとまず今は進軍する事を第一に考えよう。
もうすぐ次の部屋に辿り着くしな。
「お待ちになって。少し提案があるのですがよろしくて?」
「なんや遥、まさか今度はウミウシスライムを喰うとか言わんよな?」
「さすがに言いませんわ。わたくし、デザートはゼリーよりアイス派ですのよ」
「そうさ。だからこの人は僕達にまで『美味しいアイスを作れ』なんて命令してきた事もあったんだ」
「アイス好きなのはわかったけど、魔物を食後のデザート扱いする所に違和感もとうな?」
幸いな事に、遥と麗聖チームとのわだかまりも緩んでいるみたいだ。
サハギンとケートスを一緒に倒した事で結束感が生まれたからかもしれない。
「それで提案って?」
「次の部屋ですが、せっかくですし温存の意味も兼ねて……わたくし一人に任せていただけませんか?」
「「「えっ!?」」」
「協力プレイも良いのですが、久しくスタンドプレイをしておりませんので体がうずいて仕方がありませんの。もしわたくし一人で倒せたなら皆さまの負担も減りますし、いかがかなと」
「ふむ……」
「それができるなら越した事はないんやけどなぁ」
「もちろん同意を得られればの話で、強行はしませんからご安心を」
ソロで攻略、か。
まぁたしかに、今の遥なら負けはしないだろう。
軒下魔宮で大幅成長もして、かつ天性の才能に溢れている。
それに魔物への知識も深いから失敗する心配もないし。
あとは経験値を独り占めする事になるから、同意が得られるかどうかだけど。
「今は経験値とか言っている場合じゃない」「ええ、その通りね」
「それが最善だと宝春が言うなら従うわ」「負担は少ない方がいい」
……どうやらその心配はいらなかったようだ。
「なら遥、頼めるか?」
「ええ、腕が鳴りますわよ!」
聞くとウミウシスライムはそれほど珍しい相手ではないらしい。
ただ遠くから溶解液を放つだけの面倒臭い相手ってだけで。
それならアピールする必要は無い。
手早く処理してもらった方がいいし、なんならいい余興にもなるだろう。
「見えたぞ、次の部屋だ!」
「それではさっそく行きますわ! オーッホッホッホ!」
そうも決まると遥の行動は早かった。
通路を抜ける前に駆け出し、一気に部屋のスライム達へ飛び掛かったのだ。
しかしそうなれば当然、無数の溶解液弾が飛び交う事に。
「ウッフフフッ! 甘いですわ!」
だが遥はそれを空中で軽々とかわしている!
すごいぞ!? 剣を鋭く細かく捻り、つど軌道を変えながら滑空しているんだ!
しかも速い上に液弾の嵐をかいくぐって進むなんて!
これはステータスが高いからと言ってできる芸当じゃない。
類稀なる動体視力と集中力――遥本人がもつ素養の賜物だ!
「あっはあ!」
「ギュミィィィ!!」
それでさっそく宙からの一刺しでスライム一匹を撃破。
さらにはその衝撃で高く跳ね上がって、宙返りまでキメている!
その動きすべてが、回避と次の行動に繋がっているんだ!
「そらそらそらァ! トロっこいですわァァァ!!」
「ギュギィ!?」「キィィィ!!」「ピャギュッ!?」
そしてさらに加速。
攻撃が続けば続くほどその間隔は縮まる一方だ。
突いては跳び、突いて突いて突きまくってまた跳んで、そのたびにスライムが弾け、溶けて数を減らしていく。
「相変わらずやなぁ遥の奴」
「ええ、昔の姿を思い出しますよ。僕らを使役していた頃のね」
これが遥本来の姿なのか。
今まではただ単に世間の目があったから大人しくしていただけで。
しかし思っていた以上の戦闘能力だ。
これは俺もうかうかしていられないな。
「けど、なんか妙に荒々しくあらへん?」
「なんや凜、思うトコあるんか?」
「昔はまだ気品を感じる整った戦いやったやん。でも今は違う」
「言われて見れば……なんだか徹底して敵を潰していますね。遥さ――彼女は元々戦い方にも気を付けていた人なのだけど。一撃で確実に仕留める、みたいな」
「そう。でも今はまるで死に物狂いやね。本人はわろとるけど」
あれ、でもみんなの意見が何か妙だ。
あの戦い方が遥本来の戦闘スタイルという訳ではないのか?
それでも地に足を着けない戦い方は見ていてすごいと思うのだけど。
たしかに言われた通り徹底しているなとは思う。
真っ二つに切った魔物の肉片をさらに潰してから跳ね上がったりしているし。
「しっかしまぁいつも通りの素早い戦い方だねぇ。五〇匹以上いたスライムがもう全滅だなんてさぁ~。あーしの立つ瀬もぉ無いじゃん」
「んんーーー! もっとあたしの出番! 欲しい!」
「ぐふふ……私はしばらく暗黒魔法ブッパの愉悦に浸っておくわ……」
とりあえず俺達の出番はもうなさそうだ。
もう見惚れている間にあっという間だったな。
遥も元気そうに手を振って応えているし、今まで通りだ。
ただ、みんなの意見は少し引っ掛かるから注視は続けるとしよう。
――こうして俺達は足を止める事なく、さらに先へと進んだ。
どうやら途中階層はまだ続くらしく、ダンジョンコアは未だ無し。
しかしそれでも今の俺達の足を止める事は叶わない。
今初めて露呈した相手だろうとなんだろうと。
おかげで八層までの攻略を果たした。
ここまででケガ人は二人、それも回復魔法で簡単に済ませられる程度。
これならさらに続こうとも継続する事は容易だ。
そして九層。
ここでとうとう俺達の視界にダンジョンコアの姿が入り込んだのだ。
……だったのだが。
「でもなんだ、敵がいない……?」
「ううん、よく見て! 中央に変なのがいるよ!」
「なんだあれ、小さい……カエル?」
待っていたのはたった一匹の二足立ちカエル。
ここまで激戦を繰り広げてきた俺達には拍子抜けするような相手だった。
どうやら誰もが初見の相手らしいが、コイツは一体……?
遥に対し、「これ以上無理をしてはいけない」と。
あの時は何を言いたのかわからなくてすぐ忘れてしまったけれど。
でも今ならなんとなくわかる。
遥にこれ以上、「何か」をさせてはいけない……そんな気がしてならなくて。
だが、その「何か」がまだ具体的にわからない。
それはきっと母さんも同じだったから深く言う事はなかったのだろう。
だからしばらく彼女を注視する必要がありそうだ。
これがただの気のせいなら、それでいいんだが。
「たしか次の部屋はウミウシスライムの集団がおるんやったな」
「ええ、それなので今度は麻痺で動きを止めつつ確実に攻めようかと」
「それはセオリーにもある作戦だね。奴らはまだ雑魚の方で助かったよ」
ひとまず今は進軍する事を第一に考えよう。
もうすぐ次の部屋に辿り着くしな。
「お待ちになって。少し提案があるのですがよろしくて?」
「なんや遥、まさか今度はウミウシスライムを喰うとか言わんよな?」
「さすがに言いませんわ。わたくし、デザートはゼリーよりアイス派ですのよ」
「そうさ。だからこの人は僕達にまで『美味しいアイスを作れ』なんて命令してきた事もあったんだ」
「アイス好きなのはわかったけど、魔物を食後のデザート扱いする所に違和感もとうな?」
幸いな事に、遥と麗聖チームとのわだかまりも緩んでいるみたいだ。
サハギンとケートスを一緒に倒した事で結束感が生まれたからかもしれない。
「それで提案って?」
「次の部屋ですが、せっかくですし温存の意味も兼ねて……わたくし一人に任せていただけませんか?」
「「「えっ!?」」」
「協力プレイも良いのですが、久しくスタンドプレイをしておりませんので体がうずいて仕方がありませんの。もしわたくし一人で倒せたなら皆さまの負担も減りますし、いかがかなと」
「ふむ……」
「それができるなら越した事はないんやけどなぁ」
「もちろん同意を得られればの話で、強行はしませんからご安心を」
ソロで攻略、か。
まぁたしかに、今の遥なら負けはしないだろう。
軒下魔宮で大幅成長もして、かつ天性の才能に溢れている。
それに魔物への知識も深いから失敗する心配もないし。
あとは経験値を独り占めする事になるから、同意が得られるかどうかだけど。
「今は経験値とか言っている場合じゃない」「ええ、その通りね」
「それが最善だと宝春が言うなら従うわ」「負担は少ない方がいい」
……どうやらその心配はいらなかったようだ。
「なら遥、頼めるか?」
「ええ、腕が鳴りますわよ!」
聞くとウミウシスライムはそれほど珍しい相手ではないらしい。
ただ遠くから溶解液を放つだけの面倒臭い相手ってだけで。
それならアピールする必要は無い。
手早く処理してもらった方がいいし、なんならいい余興にもなるだろう。
「見えたぞ、次の部屋だ!」
「それではさっそく行きますわ! オーッホッホッホ!」
そうも決まると遥の行動は早かった。
通路を抜ける前に駆け出し、一気に部屋のスライム達へ飛び掛かったのだ。
しかしそうなれば当然、無数の溶解液弾が飛び交う事に。
「ウッフフフッ! 甘いですわ!」
だが遥はそれを空中で軽々とかわしている!
すごいぞ!? 剣を鋭く細かく捻り、つど軌道を変えながら滑空しているんだ!
しかも速い上に液弾の嵐をかいくぐって進むなんて!
これはステータスが高いからと言ってできる芸当じゃない。
類稀なる動体視力と集中力――遥本人がもつ素養の賜物だ!
「あっはあ!」
「ギュミィィィ!!」
それでさっそく宙からの一刺しでスライム一匹を撃破。
さらにはその衝撃で高く跳ね上がって、宙返りまでキメている!
その動きすべてが、回避と次の行動に繋がっているんだ!
「そらそらそらァ! トロっこいですわァァァ!!」
「ギュギィ!?」「キィィィ!!」「ピャギュッ!?」
そしてさらに加速。
攻撃が続けば続くほどその間隔は縮まる一方だ。
突いては跳び、突いて突いて突きまくってまた跳んで、そのたびにスライムが弾け、溶けて数を減らしていく。
「相変わらずやなぁ遥の奴」
「ええ、昔の姿を思い出しますよ。僕らを使役していた頃のね」
これが遥本来の姿なのか。
今まではただ単に世間の目があったから大人しくしていただけで。
しかし思っていた以上の戦闘能力だ。
これは俺もうかうかしていられないな。
「けど、なんか妙に荒々しくあらへん?」
「なんや凜、思うトコあるんか?」
「昔はまだ気品を感じる整った戦いやったやん。でも今は違う」
「言われて見れば……なんだか徹底して敵を潰していますね。遥さ――彼女は元々戦い方にも気を付けていた人なのだけど。一撃で確実に仕留める、みたいな」
「そう。でも今はまるで死に物狂いやね。本人はわろとるけど」
あれ、でもみんなの意見が何か妙だ。
あの戦い方が遥本来の戦闘スタイルという訳ではないのか?
それでも地に足を着けない戦い方は見ていてすごいと思うのだけど。
たしかに言われた通り徹底しているなとは思う。
真っ二つに切った魔物の肉片をさらに潰してから跳ね上がったりしているし。
「しっかしまぁいつも通りの素早い戦い方だねぇ。五〇匹以上いたスライムがもう全滅だなんてさぁ~。あーしの立つ瀬もぉ無いじゃん」
「んんーーー! もっとあたしの出番! 欲しい!」
「ぐふふ……私はしばらく暗黒魔法ブッパの愉悦に浸っておくわ……」
とりあえず俺達の出番はもうなさそうだ。
もう見惚れている間にあっという間だったな。
遥も元気そうに手を振って応えているし、今まで通りだ。
ただ、みんなの意見は少し引っ掛かるから注視は続けるとしよう。
――こうして俺達は足を止める事なく、さらに先へと進んだ。
どうやら途中階層はまだ続くらしく、ダンジョンコアは未だ無し。
しかしそれでも今の俺達の足を止める事は叶わない。
今初めて露呈した相手だろうとなんだろうと。
おかげで八層までの攻略を果たした。
ここまででケガ人は二人、それも回復魔法で簡単に済ませられる程度。
これならさらに続こうとも継続する事は容易だ。
そして九層。
ここでとうとう俺達の視界にダンジョンコアの姿が入り込んだのだ。
……だったのだが。
「でもなんだ、敵がいない……?」
「ううん、よく見て! 中央に変なのがいるよ!」
「なんだあれ、小さい……カエル?」
待っていたのはたった一匹の二足立ちカエル。
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