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第74話 お前そんなこと思ってたんか……
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……昨夜は夢心地だった。
もうあまりに幸せ過ぎて、また求めてしまいたくなりそうだ。
ああ~つくしが好きで好きでたまらない!
だけど起きたらもう朝とは言えない時間帯。
それにつくしはもう起きていて、台所で遅めの朝食を作っているみたいだし。
あ、やべ!? 俺、裸のままじゃん!?
「今さら恥ずかしがる必要なんてないってー! はい、定番のベーコン焼きとスクランブルエッグにインスタントの味噌汁でーす!」
「定番だけど相変わらず組み合わせ雑だな!?」
そうかもしれないけど恥ずかしいものは恥ずかしい。
なのでさっさと服を着てから朝食に挑む。
つくしの料理は簡単なものばかりだけど割かし美味しい。
こういう人がお嫁さんになったら本当に幸せなんだろうなぁ……。
「なぁに~ニヤニヤしちゃって!」
「あ、いや、なんでもないよ?」
「もしかして、ま、またシたくなっちゃったぁ~!?」
「う……それもあるかも」
「んもぉ~正直ですなぁ彼方はぁ! えいえーい!」
「ま、待って!? でももうやめとこう! 今日はひとまず帰らないとだし。俺、泊まるなんて一言も親に言ってないから多分心配していると思うんだ」
「あぁーそっか、それなら仕方ないねぇ」
ほ、本当に服を脱ごうとするなよ……その気になっちゃうから。
まぁでもここはホント抑えておかないと。
俺達はまだ子どもで学生だし、間違いが起きると大変だし。
でも手遅れだったら、ど、どうしよう!
「まーでも、彼方が一緒ならあたしは何の心配もしてないから」
「え?」
「だから、これからもよろしくね」
「……うん、よろしくお願いします」
いや、もう慌てても仕方ないよな。
もしいざという時は俺が責任を取ればいいんだから。
その時はつくしの両親や父さん母さんを全力で説得するさ。
それに、今向けてくれている笑顔を無碍にするなんて俺にはできない。
昨日よりもずっと可愛く見えるこの微笑みだけは、絶対に裏切りたくないから。
それで俺はつくしとひとまず別れ、家路に就いた。
ちょっと名残惜しかったけど、あのままだとずっと居付いちゃいそうだし。
ただそれでもつくしの事が頭から離れない。
もしかしたら残りの休みはずっと彼女の事を考えているかもしれないな。
――だなんて、そう妄想していたらもう家に着いてしまった。
『あ、カナタが帰って来た!』
あれ、コンだ。
コンが一人で外にいる。
「あれ、もしかしてコン、ずっと外で待ってたのか!?」
『そうだよ! カナタが全然帰ってこないから心配してたんだ!』
まさか一晩中外で待っていたなんて。
外にいる事はよくあるから不思議ではないけど、待たせたのは心苦しいよ。
ああ、コンも待ちきれないみたいで駆け寄って来た。
「ごめんなコン、まさかこんな時間まで帰れなくなるとは思わなくてさ」
『いいんだカナタ、君が帰って来てくれればそれだけで――え、なんかカナタの体からイイ匂いがする』
「え? あ、こ、これは……」
でも近くに来たら途端に立ち止まってしまった。
しかもなんか目を震わせているんだが?
『ま、まさかこの匂い……これってつくしの香り!?』
「あ、ああ、そのなんていうか、ハイ」
『カナタアアアアアア!!! ボクを裏切ったのかああああああ!!!!! ボクを差し置いてつくしと交尾したなああああああ!!!!!』
「うわあああ!?」
うわ!? コンがなんかめっちゃくちゃキレてるぅぅぅ!?
怒り叫ぶ余りに後ろ足でダンダンしてるし怨念みたいなのが見えるし!
俺が帰ってくればそれだけでいいんじゃないの!?
『つくしはボクのものにしようと思っていたのにィィィ! ひどい、ひどいよカナタ!』
「お前そんな事思ってたんか……」
『あのおっぱいの大きさと柔らかさこそボクが求めていた至高の存在なのに! いつか思う存分ふみふみしてやろうと思っていたのに! それをボクから奪うなんてひどいじゃないかァァァ!』
「いや、奪うもなにも最初からお前の物じゃないぞ」
まったく、このエロギツネめ。
つくしを一体何だと思っているんだ。
あとあの胸はもう俺の物だ! ふにふにしていいのは俺だけなんだ!
「それに俺達はもう二人だけで絆ライディングをしているしな!」
『あぁんまりだああああああ!!! カナタの意地悪ぅぅぅ!!』
「まぁまず獣と人間って時点で釣り合わないのわかってるんだから諦めろよ」
『いいやボクは諦めないぞカナタ! いつか寝取ってやるんだから!』
「それ俺の前で言える事じゃなくない!?」
『ボクのあのおっぱいへの愛は本物なんだ! 代わりが来ない限りは執着し続けるぞ!』
「欲望に忠実すぎるだろお前」
しかし、まさかコンがつくしにここまで執着していたなんて。
以前までは母さんにべったりだったから一時的かと思って安心していたんだけど。
これからは横やりを入れられないように気を付けねば。
コンと言えどつくしだけは譲れない。
『ムムッ!』
「え、なんだ?」
『嫌な匂いが近づいてきたからボクは逃げる!』
「お、おい!? ……行っちゃった」
コンが逃げるような相手が近づいてくる?
誰だそれ、どういう事――
「あら彼方、こんな所にいるなんてどうしたんですの?」
「えっ……遥!?」
まさかその匂いの正体って遥の事か!?
というかなんで遥がここにいる!?
どうしてここまで来れた!?
いくらなんでもこの訪問者は意外過ぎるだろう……!
もうあまりに幸せ過ぎて、また求めてしまいたくなりそうだ。
ああ~つくしが好きで好きでたまらない!
だけど起きたらもう朝とは言えない時間帯。
それにつくしはもう起きていて、台所で遅めの朝食を作っているみたいだし。
あ、やべ!? 俺、裸のままじゃん!?
「今さら恥ずかしがる必要なんてないってー! はい、定番のベーコン焼きとスクランブルエッグにインスタントの味噌汁でーす!」
「定番だけど相変わらず組み合わせ雑だな!?」
そうかもしれないけど恥ずかしいものは恥ずかしい。
なのでさっさと服を着てから朝食に挑む。
つくしの料理は簡単なものばかりだけど割かし美味しい。
こういう人がお嫁さんになったら本当に幸せなんだろうなぁ……。
「なぁに~ニヤニヤしちゃって!」
「あ、いや、なんでもないよ?」
「もしかして、ま、またシたくなっちゃったぁ~!?」
「う……それもあるかも」
「んもぉ~正直ですなぁ彼方はぁ! えいえーい!」
「ま、待って!? でももうやめとこう! 今日はひとまず帰らないとだし。俺、泊まるなんて一言も親に言ってないから多分心配していると思うんだ」
「あぁーそっか、それなら仕方ないねぇ」
ほ、本当に服を脱ごうとするなよ……その気になっちゃうから。
まぁでもここはホント抑えておかないと。
俺達はまだ子どもで学生だし、間違いが起きると大変だし。
でも手遅れだったら、ど、どうしよう!
「まーでも、彼方が一緒ならあたしは何の心配もしてないから」
「え?」
「だから、これからもよろしくね」
「……うん、よろしくお願いします」
いや、もう慌てても仕方ないよな。
もしいざという時は俺が責任を取ればいいんだから。
その時はつくしの両親や父さん母さんを全力で説得するさ。
それに、今向けてくれている笑顔を無碍にするなんて俺にはできない。
昨日よりもずっと可愛く見えるこの微笑みだけは、絶対に裏切りたくないから。
それで俺はつくしとひとまず別れ、家路に就いた。
ちょっと名残惜しかったけど、あのままだとずっと居付いちゃいそうだし。
ただそれでもつくしの事が頭から離れない。
もしかしたら残りの休みはずっと彼女の事を考えているかもしれないな。
――だなんて、そう妄想していたらもう家に着いてしまった。
『あ、カナタが帰って来た!』
あれ、コンだ。
コンが一人で外にいる。
「あれ、もしかしてコン、ずっと外で待ってたのか!?」
『そうだよ! カナタが全然帰ってこないから心配してたんだ!』
まさか一晩中外で待っていたなんて。
外にいる事はよくあるから不思議ではないけど、待たせたのは心苦しいよ。
ああ、コンも待ちきれないみたいで駆け寄って来た。
「ごめんなコン、まさかこんな時間まで帰れなくなるとは思わなくてさ」
『いいんだカナタ、君が帰って来てくれればそれだけで――え、なんかカナタの体からイイ匂いがする』
「え? あ、こ、これは……」
でも近くに来たら途端に立ち止まってしまった。
しかもなんか目を震わせているんだが?
『ま、まさかこの匂い……これってつくしの香り!?』
「あ、ああ、そのなんていうか、ハイ」
『カナタアアアアアア!!! ボクを裏切ったのかああああああ!!!!! ボクを差し置いてつくしと交尾したなああああああ!!!!!』
「うわあああ!?」
うわ!? コンがなんかめっちゃくちゃキレてるぅぅぅ!?
怒り叫ぶ余りに後ろ足でダンダンしてるし怨念みたいなのが見えるし!
俺が帰ってくればそれだけでいいんじゃないの!?
『つくしはボクのものにしようと思っていたのにィィィ! ひどい、ひどいよカナタ!』
「お前そんな事思ってたんか……」
『あのおっぱいの大きさと柔らかさこそボクが求めていた至高の存在なのに! いつか思う存分ふみふみしてやろうと思っていたのに! それをボクから奪うなんてひどいじゃないかァァァ!』
「いや、奪うもなにも最初からお前の物じゃないぞ」
まったく、このエロギツネめ。
つくしを一体何だと思っているんだ。
あとあの胸はもう俺の物だ! ふにふにしていいのは俺だけなんだ!
「それに俺達はもう二人だけで絆ライディングをしているしな!」
『あぁんまりだああああああ!!! カナタの意地悪ぅぅぅ!!』
「まぁまず獣と人間って時点で釣り合わないのわかってるんだから諦めろよ」
『いいやボクは諦めないぞカナタ! いつか寝取ってやるんだから!』
「それ俺の前で言える事じゃなくない!?」
『ボクのあのおっぱいへの愛は本物なんだ! 代わりが来ない限りは執着し続けるぞ!』
「欲望に忠実すぎるだろお前」
しかし、まさかコンがつくしにここまで執着していたなんて。
以前までは母さんにべったりだったから一時的かと思って安心していたんだけど。
これからは横やりを入れられないように気を付けねば。
コンと言えどつくしだけは譲れない。
『ムムッ!』
「え、なんだ?」
『嫌な匂いが近づいてきたからボクは逃げる!』
「お、おい!? ……行っちゃった」
コンが逃げるような相手が近づいてくる?
誰だそれ、どういう事――
「あら彼方、こんな所にいるなんてどうしたんですの?」
「えっ……遥!?」
まさかその匂いの正体って遥の事か!?
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