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第20話 特売日狙いの邪魔する嫌な奴
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くっ、つくしがスーパーの特売セールに行きたいらしいのに、校門前で楠が立ち塞がった!
なんてタイミングの悪い登場なんだ! 最悪だなコイツ!
「お前のおかげでこっちはもうボロボロだよ! コメッターは荒れるし、ランキングも急落だしよぉ!!」
「それはお前自身が招いた事だろ!? 俺達には関係ない! 俺達は急いでいるんだ! 邪魔をしないでくれ!」
「は? こんな暗くなるまで男女で籠ってかぁ? そうすんなり通す訳ねぇだろ!」
「クッ!」
「彼方、このままじゃ!」
つくしも心配している。
そんなにも安く手に入れたい物があるのか。
少しでも節約しないといけない彼女だからこそ、この機会を逃す訳にはいかないっていうのに!
「お前らが攻略しなけりゃ僕が逃げた事も仕方ないって処理されたのに、余計な事してくれやがって! しかもなんだビーストテイマーって!? んなの聞いた事ねぇよ、このイカサマ野郎が!」
だけど楠が回り込んで俺達を通してくれない!
くっ、なんて意地悪な奴なんだ。
根が優しいのは表向きだけって事かよ!
「彼方はイカサマなんてしてないもん!」
「あ"!? 魔物を操るのがイカサマじゃなくてなんだっつうんだよ! そんな職業存在しねぇのはテメーもわかってんだろうが!」
「そ、それは……」
「ああ、そうだな。イカサマだとは思うよ」
「彼方!?」
「ほらな、やっぱり――」
「だがズルじゃない。お前みたいな脳筋わからず屋と違って、戦う以外の手段も知っているってだけに過ぎないよ」
「なっ!?」
なら思い知らせてやるまでだ。
そんなに意地悪をしたって俺達は止められないのだと。
間違っているのは楠、お前の方なんだってな!
「無事に済ませるやり方は色々あったはずだ。けど動画を見る限り、お前は自分の評価を上げる事しか考えていない。だからあんな惨状になったんだ!」
「なんだとぉ……!?」
「でちこちゃんは最初、どう見てもゴブリンどもに襲われていた! つまりダンジョン的にはプレイヤー側の仲間扱いだったんだ! だけどお前はそれさえ気付かず無視して、評価のために一直線に彼女を襲ったんだろうが!」
「なっ!?」
「仲間の事を心配しているなら不利だとわかった時点で退けばいいはずだ! なのにお前はただ自分達のためだけに他のチームまで無理させて!」
「それはあいつらが役に立たないだけで――」
「その事を見抜けなかった言い訳かよ!」
「ぐっ!」
そうさ、コイツは間違いだらけだ。
さっき俺はつくしに別の動画も見せてもらったからな。
楠がでちこちゃんと遭遇するシーンをしっかりと。
でちこちゃんは彼女が言っていた通りゴブリンに囲まれていた。
そして気が弱いから奥に追いやられてしまっていたんだ。
だが楠達もが現れて襲ってきたから、でちこちゃんは自衛手段に出ざるを得なかった。
それがあの惨状の原因だったのさ。
「そもそもお前が自分勝手に暴れなければあそこまで泥沼にならなかったんだ! やり方さえ考えればあんなダンジョン、俺達四人だけでも攻略できる!」
「な、なにィ……!?」
「ちょ、ええ、何言ってるの彼方!?」
考えればわかる事だ。
楠達エースはただ場をかき乱しただけに過ぎないって。
そんな事をしなくてもあのダンジョンは攻略できるんだってな。
「……ならよぉ間宮ァ、やってみせろよ。次のダンジョンでお前が言った通り、お前ら四人で攻略してみせろよ!」
「……」
「その為のおぜん立てはしてやるよぉ。僕はエースだ、それくらいのツテはある!」
「わかった。やってやる」
「か、彼方ーーーッ!?」
「言ったな! ならイカサマもチートも無しだ!」
「ああ、それで構わない」
「よし、なら逃げるんじゃねぇぞ。咆え面かいて死ぬところが見られるのを楽しみにしててやるからよ!」
楠がこう吐き捨て、踵を返して去っていく。
なんとか嵐は過ぎ去ったようだ。
これでスーパーの特売にも間に合――
「か、彼方ぁ……あたしら四人だけで攻略って本気なのぉ……?」
「え? あ、うん。できるよ。ダンジョンってそういう風に造られてる節があるから」
「わ、わかった、彼方の事、信じてるからね?」
つくしが弱気になってウルウルしている。
うーん、彼女には悪いけれどこの姿も結構かわいい。またいいものが見られた。
……まぁ実際にできるかどうかはわからないけど、きっと何とかなる。
証明してやればいいんだ。真っ向勝負だけがすべてじゃないのだと。
少し知恵をひねるだけで困難なんて無くなるんだってな。
憩いの時間を奪ってくれた礼に、存分に思い知らせてやるよ……!
なんてタイミングの悪い登場なんだ! 最悪だなコイツ!
「お前のおかげでこっちはもうボロボロだよ! コメッターは荒れるし、ランキングも急落だしよぉ!!」
「それはお前自身が招いた事だろ!? 俺達には関係ない! 俺達は急いでいるんだ! 邪魔をしないでくれ!」
「は? こんな暗くなるまで男女で籠ってかぁ? そうすんなり通す訳ねぇだろ!」
「クッ!」
「彼方、このままじゃ!」
つくしも心配している。
そんなにも安く手に入れたい物があるのか。
少しでも節約しないといけない彼女だからこそ、この機会を逃す訳にはいかないっていうのに!
「お前らが攻略しなけりゃ僕が逃げた事も仕方ないって処理されたのに、余計な事してくれやがって! しかもなんだビーストテイマーって!? んなの聞いた事ねぇよ、このイカサマ野郎が!」
だけど楠が回り込んで俺達を通してくれない!
くっ、なんて意地悪な奴なんだ。
根が優しいのは表向きだけって事かよ!
「彼方はイカサマなんてしてないもん!」
「あ"!? 魔物を操るのがイカサマじゃなくてなんだっつうんだよ! そんな職業存在しねぇのはテメーもわかってんだろうが!」
「そ、それは……」
「ああ、そうだな。イカサマだとは思うよ」
「彼方!?」
「ほらな、やっぱり――」
「だがズルじゃない。お前みたいな脳筋わからず屋と違って、戦う以外の手段も知っているってだけに過ぎないよ」
「なっ!?」
なら思い知らせてやるまでだ。
そんなに意地悪をしたって俺達は止められないのだと。
間違っているのは楠、お前の方なんだってな!
「無事に済ませるやり方は色々あったはずだ。けど動画を見る限り、お前は自分の評価を上げる事しか考えていない。だからあんな惨状になったんだ!」
「なんだとぉ……!?」
「でちこちゃんは最初、どう見てもゴブリンどもに襲われていた! つまりダンジョン的にはプレイヤー側の仲間扱いだったんだ! だけどお前はそれさえ気付かず無視して、評価のために一直線に彼女を襲ったんだろうが!」
「なっ!?」
「仲間の事を心配しているなら不利だとわかった時点で退けばいいはずだ! なのにお前はただ自分達のためだけに他のチームまで無理させて!」
「それはあいつらが役に立たないだけで――」
「その事を見抜けなかった言い訳かよ!」
「ぐっ!」
そうさ、コイツは間違いだらけだ。
さっき俺はつくしに別の動画も見せてもらったからな。
楠がでちこちゃんと遭遇するシーンをしっかりと。
でちこちゃんは彼女が言っていた通りゴブリンに囲まれていた。
そして気が弱いから奥に追いやられてしまっていたんだ。
だが楠達もが現れて襲ってきたから、でちこちゃんは自衛手段に出ざるを得なかった。
それがあの惨状の原因だったのさ。
「そもそもお前が自分勝手に暴れなければあそこまで泥沼にならなかったんだ! やり方さえ考えればあんなダンジョン、俺達四人だけでも攻略できる!」
「な、なにィ……!?」
「ちょ、ええ、何言ってるの彼方!?」
考えればわかる事だ。
楠達エースはただ場をかき乱しただけに過ぎないって。
そんな事をしなくてもあのダンジョンは攻略できるんだってな。
「……ならよぉ間宮ァ、やってみせろよ。次のダンジョンでお前が言った通り、お前ら四人で攻略してみせろよ!」
「……」
「その為のおぜん立てはしてやるよぉ。僕はエースだ、それくらいのツテはある!」
「わかった。やってやる」
「か、彼方ーーーッ!?」
「言ったな! ならイカサマもチートも無しだ!」
「ああ、それで構わない」
「よし、なら逃げるんじゃねぇぞ。咆え面かいて死ぬところが見られるのを楽しみにしててやるからよ!」
楠がこう吐き捨て、踵を返して去っていく。
なんとか嵐は過ぎ去ったようだ。
これでスーパーの特売にも間に合――
「か、彼方ぁ……あたしら四人だけで攻略って本気なのぉ……?」
「え? あ、うん。できるよ。ダンジョンってそういう風に造られてる節があるから」
「わ、わかった、彼方の事、信じてるからね?」
つくしが弱気になってウルウルしている。
うーん、彼女には悪いけれどこの姿も結構かわいい。またいいものが見られた。
……まぁ実際にできるかどうかはわからないけど、きっと何とかなる。
証明してやればいいんだ。真っ向勝負だけがすべてじゃないのだと。
少し知恵をひねるだけで困難なんて無くなるんだってな。
憩いの時間を奪ってくれた礼に、存分に思い知らせてやるよ……!
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