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第四章
第54話 久しぶりの故郷を包む異変(ミネッタ視点)
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「まただ、また馬車がすれ違った。こんなに人が往来するなんてどうなっているの……?」
これでもう合計七台目。
村に近づくにつれて馬車の来る間隔が狭まっている気がする。
以前なら便は一日に一台来ればいい方だった。
それだけ辺境だし特徴的って訳でも無かったから。
強いて言うならお父さんの利権目的での発展計画があったくらいのはず。
でもそのお父さんももういない。
だったらどうして?
「もう嫌な予感しかしないんだよねぇ……」
無い頭で考えてもわからないことはわかっているつもり。
だけどこれじゃあ不安も大きくなるばかりだ。
「やっぱ例の魔物のせいなんじゃないか? 何か問題起こしてるとか」
「ちょっとファズ君、縁起でもないこと言わないでよ! あの子はそんなんじゃないって何度も言ってるじゃん!」
「じょ、冗談だよ、だから怒るなって……」
おまけに何故か付いてくることになったファズ君がこの調子だからますます不安。
ジェイルさんの命令で派遣されることになったらしいけど、彼は彼で魔物が嫌いだからなぁ。
「なんにせよ村まで着かなきゃ真相はわかんねーって。それにもうすぐ着くんだし、今は落ち着こうぜ?」
「う、うん、そうだね……ごめん」
……二ヶ月ぶりの帰郷だし、ちょっと焦っていたのかもしれない。
ファズ君の言う通りだ。反省しなきゃ。
そう自分を戒めて大人しく静かに待つことに。
そうしてウトウトとし始めた頃、ふと通り過ぎた物に気付く。
「あっ! あの標識って……!」
「お、最寄りの標識じゃんか。やっと着いたみたいだな――って、おいミネッタ!?」
そんな物に気付いたらもう勢いで荷台から飛び出していた。
既に我慢の限界だったし、後は走った方がずっと速いと思ったから。
「やっと着いたーっ! 皆、何があったの――」
そのおかげで馬車よりもずっと早く到着!
そして勢いのままに周囲を見回してみた、のだけど。
「えっ……」
村の素朴な雰囲気は変わらない。
だけどなんだかすごく妙な活気を感じる。
なんなの、これ……?
「お、ミネッタちゃんじゃあないか。もう帰って来たのかい?」
「あ、サムさん、今日も門番お疲れ――ってええええええ!!!!????」
そう佇んでいたら門番のサムさんの声が聞こえてきたから振り向いたのだけど。
でもその先には私のまったく知らない人が立っていた。
「だ、誰ですか!?」
「ははは、またまた冗談を。サムだよ、サム=アジムおじさんの顔を忘れたのかい?」
「ううん違う! サムおじさんはこんなスレンダーなイケオジじゃなかったよ! サムさんは髭モジャで中年太りでズドゥゥゥンって感じだったはず!」
「そ、そんな目で俺を見てたのかい!? ちょっとショックだなぁ……」
つい本当のことを言ったらイケオジさんがショックでうずくまってしまった。
まさかこの人、本当にサムさんなの?
「おやおや、ミネッタちゃん帰って来たのかい。こりゃ盛大に祝わないとねぇ」
「あ、ステラさん! 良い所に――って誰だァーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!」
ご近所のステラさんも来たと思ったら、やっぱり知らない人だった!
腰のくびれがキュッとした美魔女が立ってる!
「あらあらミネッタちゃんどうしてそんなに驚いちゃってるのぉ? もしかして私の大人の美貌に今さら気付いちゃった?」
「いやいや、美貌も何も別人ですよね? 二ヶ月前はボヨヨンってしてましたよね!?」
「ウフフフフそんな大昔のことは忘れたわぁアナタも忘れなさい?」
「は、はい……」
またハッキリと言ったらステラさんに笑顔で怖い目を向けられてしまった。
ちょっと調子に乗り過ぎましたごめんなさい。
……でも本当に何か変だ。
ファズ君もやって来た途端に目をぱっちりさせて驚いているし。
ダメだ、このまま驚いているだけじゃ本当に何もわからない。
今起きていることを受け入れて二人に事情を聞かないと!
「あ、あの、本当に何が起きたんですか?」
「あぁ、村の変化に気付くのも無理はないわね。なにせこの一ヵ月で村の状況がとっても変わったんですもの」
「これも全てあのネコチャンのおかげだなぁ! あっはははは!」
「え……」
待って、どういうこと?
ネルルちゃんが村の変化と何か関わってるってことなの?
本当に何があった!?
交遊が増えたのは嬉しいことだけどなんか方向性がおかしくない!?
「この村、明らかに何かがおかしいぜ!? やっぱ魔物が絡むとロクなことがねぇ……!」
「待ってよファズ君、そんなことまだ決まった訳じゃ――」
この状況を前にして、武器を手に取り身構えるファズ君。
兵士としての勘がそう警戒させているのかもしれない。
けど直後、そのファズ君の頬をサムおじさんが全身全霊で殴りつけていた。
「うっげえーーーーーーー!?!?!?」
「こンのぉ大馬鹿野郎があッ!!! ネコチャンがどれだけこの村に恩恵を与えてくれているかもわからねぇ親不孝のクソガキが能書き垂れてんじゃねぇぞおッッッ!!!!!」
あまりの威力に、鎧を着たファズ君が吹っ飛んで地面に転がされてしまった。
サムおじさん、見た目だけじゃなく力も丸かった頃よりかなり上がってる……!
そしてこのキレっぷり。
ものすごく身を奮わせて……これ、本当に怒っているんだ。
「そうよファズ君、今のは聞き捨てならないわね。この二ヵ月であの子がどれだけこのテリック村に尽くしてくれたのか知らないのによく言えたものだわ」
「え? え?」
「あの子のおかげでなぁ、老い先短かったあのドネウ爺さんが今では元気に毎朝ランニングしてんだぞ!? それがどれだけすげえことかわかってんのかぁ!?」
「え、ウソ!? あのドネウお爺ちゃんがランニング!? いつも杖突いて歩いていたあのお爺ちゃんが!?」
「嘘だろ……!?」
「あの人だけじゃねぇ。村人全員がその恩恵を受けてるし、なんなら今や村の外にまで出荷してる。それだけのことをしてるってことだ」
「もしかして二人が若返って見えるのって……」
「そうよ、それもすべてネコチャンが育ててくれたこの野菜たちのおかげなの」
するとステラおばさんが持っていた大根を自慢げに掲げて見せてくれた。
でも大根って言うには少しオレンジ色っぽくて変な感じだ。
「ハハハ、吾輩を掲げるよりも実食してもらった方がいいってものだよマドモアゼル」
「「大根がしゃべった!?」」
「ええそうねマンドラゴラさん。その方が身に染みてわかるってものよね」
「「しかも普通に受け入れている!?」」
本当はすごいことなのかも知れないけど、情報がこれだけだとやっぱり怪しい。
ファズ君みたいに疑いたくはないけど疑わざるを得ないよ。
……こうなったらネルルちゃんに直接ワケを聞かないと。
あの子が悪いことを企てるとは思えないけど、きっと何か事情があるはずだから。
そう思い立ち、決意するままに山を見上げる。
しかし奇しくもそのおかげで、ただの村娘だった以前よりもずっと心が強くなっているのだと実感することが出来たんだ。
これでもう合計七台目。
村に近づくにつれて馬車の来る間隔が狭まっている気がする。
以前なら便は一日に一台来ればいい方だった。
それだけ辺境だし特徴的って訳でも無かったから。
強いて言うならお父さんの利権目的での発展計画があったくらいのはず。
でもそのお父さんももういない。
だったらどうして?
「もう嫌な予感しかしないんだよねぇ……」
無い頭で考えてもわからないことはわかっているつもり。
だけどこれじゃあ不安も大きくなるばかりだ。
「やっぱ例の魔物のせいなんじゃないか? 何か問題起こしてるとか」
「ちょっとファズ君、縁起でもないこと言わないでよ! あの子はそんなんじゃないって何度も言ってるじゃん!」
「じょ、冗談だよ、だから怒るなって……」
おまけに何故か付いてくることになったファズ君がこの調子だからますます不安。
ジェイルさんの命令で派遣されることになったらしいけど、彼は彼で魔物が嫌いだからなぁ。
「なんにせよ村まで着かなきゃ真相はわかんねーって。それにもうすぐ着くんだし、今は落ち着こうぜ?」
「う、うん、そうだね……ごめん」
……二ヶ月ぶりの帰郷だし、ちょっと焦っていたのかもしれない。
ファズ君の言う通りだ。反省しなきゃ。
そう自分を戒めて大人しく静かに待つことに。
そうしてウトウトとし始めた頃、ふと通り過ぎた物に気付く。
「あっ! あの標識って……!」
「お、最寄りの標識じゃんか。やっと着いたみたいだな――って、おいミネッタ!?」
そんな物に気付いたらもう勢いで荷台から飛び出していた。
既に我慢の限界だったし、後は走った方がずっと速いと思ったから。
「やっと着いたーっ! 皆、何があったの――」
そのおかげで馬車よりもずっと早く到着!
そして勢いのままに周囲を見回してみた、のだけど。
「えっ……」
村の素朴な雰囲気は変わらない。
だけどなんだかすごく妙な活気を感じる。
なんなの、これ……?
「お、ミネッタちゃんじゃあないか。もう帰って来たのかい?」
「あ、サムさん、今日も門番お疲れ――ってええええええ!!!!????」
そう佇んでいたら門番のサムさんの声が聞こえてきたから振り向いたのだけど。
でもその先には私のまったく知らない人が立っていた。
「だ、誰ですか!?」
「ははは、またまた冗談を。サムだよ、サム=アジムおじさんの顔を忘れたのかい?」
「ううん違う! サムおじさんはこんなスレンダーなイケオジじゃなかったよ! サムさんは髭モジャで中年太りでズドゥゥゥンって感じだったはず!」
「そ、そんな目で俺を見てたのかい!? ちょっとショックだなぁ……」
つい本当のことを言ったらイケオジさんがショックでうずくまってしまった。
まさかこの人、本当にサムさんなの?
「おやおや、ミネッタちゃん帰って来たのかい。こりゃ盛大に祝わないとねぇ」
「あ、ステラさん! 良い所に――って誰だァーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!」
ご近所のステラさんも来たと思ったら、やっぱり知らない人だった!
腰のくびれがキュッとした美魔女が立ってる!
「あらあらミネッタちゃんどうしてそんなに驚いちゃってるのぉ? もしかして私の大人の美貌に今さら気付いちゃった?」
「いやいや、美貌も何も別人ですよね? 二ヶ月前はボヨヨンってしてましたよね!?」
「ウフフフフそんな大昔のことは忘れたわぁアナタも忘れなさい?」
「は、はい……」
またハッキリと言ったらステラさんに笑顔で怖い目を向けられてしまった。
ちょっと調子に乗り過ぎましたごめんなさい。
……でも本当に何か変だ。
ファズ君もやって来た途端に目をぱっちりさせて驚いているし。
ダメだ、このまま驚いているだけじゃ本当に何もわからない。
今起きていることを受け入れて二人に事情を聞かないと!
「あ、あの、本当に何が起きたんですか?」
「あぁ、村の変化に気付くのも無理はないわね。なにせこの一ヵ月で村の状況がとっても変わったんですもの」
「これも全てあのネコチャンのおかげだなぁ! あっはははは!」
「え……」
待って、どういうこと?
ネルルちゃんが村の変化と何か関わってるってことなの?
本当に何があった!?
交遊が増えたのは嬉しいことだけどなんか方向性がおかしくない!?
「この村、明らかに何かがおかしいぜ!? やっぱ魔物が絡むとロクなことがねぇ……!」
「待ってよファズ君、そんなことまだ決まった訳じゃ――」
この状況を前にして、武器を手に取り身構えるファズ君。
兵士としての勘がそう警戒させているのかもしれない。
けど直後、そのファズ君の頬をサムおじさんが全身全霊で殴りつけていた。
「うっげえーーーーーーー!?!?!?」
「こンのぉ大馬鹿野郎があッ!!! ネコチャンがどれだけこの村に恩恵を与えてくれているかもわからねぇ親不孝のクソガキが能書き垂れてんじゃねぇぞおッッッ!!!!!」
あまりの威力に、鎧を着たファズ君が吹っ飛んで地面に転がされてしまった。
サムおじさん、見た目だけじゃなく力も丸かった頃よりかなり上がってる……!
そしてこのキレっぷり。
ものすごく身を奮わせて……これ、本当に怒っているんだ。
「そうよファズ君、今のは聞き捨てならないわね。この二ヵ月であの子がどれだけこのテリック村に尽くしてくれたのか知らないのによく言えたものだわ」
「え? え?」
「あの子のおかげでなぁ、老い先短かったあのドネウ爺さんが今では元気に毎朝ランニングしてんだぞ!? それがどれだけすげえことかわかってんのかぁ!?」
「え、ウソ!? あのドネウお爺ちゃんがランニング!? いつも杖突いて歩いていたあのお爺ちゃんが!?」
「嘘だろ……!?」
「あの人だけじゃねぇ。村人全員がその恩恵を受けてるし、なんなら今や村の外にまで出荷してる。それだけのことをしてるってことだ」
「もしかして二人が若返って見えるのって……」
「そうよ、それもすべてネコチャンが育ててくれたこの野菜たちのおかげなの」
するとステラおばさんが持っていた大根を自慢げに掲げて見せてくれた。
でも大根って言うには少しオレンジ色っぽくて変な感じだ。
「ハハハ、吾輩を掲げるよりも実食してもらった方がいいってものだよマドモアゼル」
「「大根がしゃべった!?」」
「ええそうねマンドラゴラさん。その方が身に染みてわかるってものよね」
「「しかも普通に受け入れている!?」」
本当はすごいことなのかも知れないけど、情報がこれだけだとやっぱり怪しい。
ファズ君みたいに疑いたくはないけど疑わざるを得ないよ。
……こうなったらネルルちゃんに直接ワケを聞かないと。
あの子が悪いことを企てるとは思えないけど、きっと何か事情があるはずだから。
そう思い立ち、決意するままに山を見上げる。
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