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プロローグ
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秋の空がオレンジの温色に包まれ、喪失感に似た切なさを風が運んでいく。青々しかった木の葉も今では赤や黄に染まり、カラカラ音を立てながら道に転がっていた。
夏の眩しさは、もう過去のもの。薄れ行く暑い日々の記憶同様、東側から闇夜が明るさを飲み込み始めていた。十月に入り、日は大分短くなった。
太陽の帰宅に伴い、街に人工の陽が灯り始める。住宅街を抜けた先の小高い丘の上に建つ朝風高校もグラウンドを筆頭に明かりを灯し、生徒たちは部活動に励んでいた。
夜に染まる校舎にも明るく浮かび上がっている場所が何ヶ所かある。グラウンドの正面から見て、一階中央部分は職員室。中で忙しく働いている教師たちの姿が窺える。そこから右側に窓四つ分移動した場所に美術室があり、美術部員達が各々の作品を手掛けていた。
西校舎三階では合唱部が音楽室を使用し、練習している。
東校舎二階の右端から数えて二番目にあたる【 三年二組 】の教室も煌々と光を放っていた。両側の教室が暗いこともあり、その光は より強く目に映る。
「今日は、ここまでにしましょう」
その室内では、三年二組の担任である小石川 響子が一人の生徒に個別指導を行っていた。
響子は大学卒業後から朝風高校で教師として働き始め、今年で五年目になる。仕事熱心で恋人よりも仕事を優先するため、付き合っても長続きする方ではなかった。現に、三ヵ月前に一年付き合っていた彼とも別れている。
彼女は、どこにでもいる素朴な顔立ちをした女性で、服装もシンプルな物を好んで着ていた。今日の服装も、ストライプ柄の淡い水色のブラウスの上にネイビーカラーのカーディガンを羽織り、黒のカジュアルパンツと少し高さのある(三センチ程)黒のハイヒールを履いている。
そんな彼女を理想の教師と尊敬しているのが、先程まで個別指導を受けていた教え子である塩ノ谷 遼だ。彼もまた、どこにでもいそうな顔立ちをしている。どちらかと言えば、イケメンの部類に入るかもしれない。黒髪が似合う爽やかな少年だ。
真面目で責任感があり、言葉数は少ない方だが、三歳離れた妹がいるからか面倒見がいい一面もある。クラスメイトたちからの信頼も厚く、クラスの副委員長を任されているほど。
「先生、今日もありがとうございました」
大学受験に向け、遼は猛勉強中。授業で理解できなかった部分や疑問点を各教科の先生に放課後、尋ねに行くのが日課になっていた。特に響子が担当している現代文や古文などの国語が苦手で、毎日とまではいかないまでも高い頻度で彼女に聞きに行っていた。
「試験、もうすぐだね。勉強も大切だけど、体調管理も しっかりね」
「はい」
「今日の所、家に帰ってからも復習忘れずに。……そう言えば、化学の島野先生が 『頑張り過ぎるなよ。受験応援してる 』って言ってたよ」
「え? あの無口な島野先生が!?」
「私もだけど、同じ職業を目指す生徒が居て嬉しいんだよ。他の先生たちも……あ! プレッシャーかけてる訳じゃないから!! ねっ?」
慌てる響子に遼は小さく笑った。
「分かってる。……俺、絶対 教師になるから。先生よりも生徒たちから慕われる先生になる」
「私も負けないからね! 今より、もっといい先生になるんだから!」
二人の明るい笑い声が教室に響いた。窓から吹き込む秋風がひんやりと冷たい。暑い夏は過ぎ去っても、遼の心の中にある熱い思いは消えることなく、前にも増して膨らむ一方だった。
「それじゃ、また。さよなら、先生」
「また明日ね、塩ノ谷くん。気をつけて帰ってね」
軽く頭を下げ、教室を後にした遼の背中を見送ると、響子はズボンのポケットから、ある物を取り出した。それを愛おしそうに見つめると、大切に握りしめた。
「セーンセ♪」
突然の訪問者は教室の前扉に凭れ、驚いた彼女の反応を見て喜んでいた。物陰に身を隠し、通りがかった相手を「ワッ!」と驚かせることに成功した子供のように。
響子が振り返ると、糸目の男子生徒がゲラゲラ笑っていた。「驚きすぎでしょ」ゆるいウェーブがかった茶色の髪が動きに合わせ、揺れている。
「笑い過ぎ!! その呼び方、心臓に悪いんだけど」
「仕方ないじゃん。現に、【先生と生徒】なんだしさ」
「……それはそうだけど。で、何かあったの?」
「何かってほどの事じゃないけど……」
彼は真面目な顔つきになり、糸目を開いて響子に告げた。
「あんま調子に乗んなよ」
「何が?」
言っている意味が分からないといった表情で見返す響子に、男子生徒は ため息を吐き出した。
「本当は分かってるんじゃないの? もし無自覚だとしたら、それ ものすっごく危険だからね。……忠告に来て、正解だったかも」
「え?」
「気をつけなよ? 【 相手 】は何をしてくるか分からないんだから」
【 相手 】というワードが出ると同時に響子の顔が引き締まり、真っ直ぐ男子生徒を見据えた。その瞳の奥には、揺るがない覚悟が宿っている。
「分かってる。…… 《万が一》の時は、頼りにしてるからね」
「頼りにするのはいいけど、《万が一 》を防ぐ努力もしてもらわないと」
「意外。あなたのことだから『任せとけ!』って、胸を張ると思ったのに」
「……《他人事》なら、そう言えたかもね」
再び彼は目を閉じ、笑っているのか笑っていないのか、曖昧な糸目でおどけて見せた。響子もそれに合わせ、苦い笑みを彼に返した。
男子生徒は「気をつけて」と響子に念を押すと、暗がりに浮かぶ明るい廊下を歩いていった。
一人になった教室で、手の中にある物を もう一度 響子は見つめた。まだ持っていると彼が知ったら驚くだろうか。別れを告げたのは君なのに、未練がましいと彼は言うだろうか。
彼女が握りしめているのは、三ヵ月前に別れた恋人とお揃いで買った御守り。響子の心は、別れた今でも変わらなかった。
男女が別れる理由、それは愛想が尽きたからだけではない。様々な理由が そこには存在する。彼女の場合も後者だった。
戸締りのため、開かれた窓の前に立った響子の長い漆黒の髪を秋風が弄ぶ。視界が黒に遮られた。それを鎮めようと髪を右耳にかけ、顔を上げると窓ガラスに映った明るい室内に人影が立っていた。
ガラス越しに自分を見つめる視線と目が合う。ゆったりと背後から近づいてくる足音。
響子は息を飲んだ。人影から並々ならぬ殺気が放たれている。一歩、また一歩と距離が縮まっていく。
「逃げなきゃ、叫ばなきゃ」と頭では分かっていても、体が言うことを聞かない。不思議なことに足が地中に埋まっている電信柱のように動かないのだ。声も出ず、もはや 口をパクパク開閉する金魚状態。冷や汗だけが急速に流れ落ちていく。
今し方、「気をつけて」と言われたばかりではないか。響子は気持ちを落ち着かせるため、目を閉じた。と、同時に生あたたかい感触に全身が包み込まれた。
相手の鼻が響子の耳元から長い髪を掻き分け、首元を探っていく。気持ち悪い感覚に体が拒絶反応を起こし、響子は反射的に相手を突き飛ばした。しかし、女性の力では男性に敵わない。距離を取ることには成功したが、相手をふらつかせるのがやっとだった。逃げるなら今しかない!と、動き出した響子の腕を人影は意図も簡単に掴み、そのまま彼女を床に押し倒した。
「……もう逃がさない」
馬乗りになり、歪んだ笑みを浮かべた口元を彼女の耳に近づけ、何度も何度も人影は愛の言葉を言い続けた。響子の抵抗する声も彼には届いていない。
「嬉しいのは分かるけど、少し静かにして」
相手の手が響子の口を覆ったが、それを振り払い、彼女は軽蔑の眼差しで相手を睨みつけた。
「警察に言う。これ以上は我慢出来ない。私は、あなたとは付き合わない。死んでもね!!」
「……それが答え?」
「そう。これが私の答え」
「……残念だよ……。先生……」
手にしていた白い布で人影は響子の首を容赦なく絞め始めた。血の気が人影の手からも、彼女の顔からも引き、白くなっていく。絞める力に人影は愛を込めた。強く、強く、強く……。
「愛してるのに……こんなにも、こんなにも……。安心して、響子。最期を看取るのは他でもない、この俺だから」
****
冷たい夜風が響子の髪を攫っていく。床に寝そべったままの彼女が目覚めることは、二度とない。頬に触れる風の冷たさや、闇夜に輝く満月の光も、何もかも彼女に届くことはない。
どれだけ苦しく痛い最期だっただろう。彼女の細い首に残る跡が全てを物語っている。
しかし、彼女の顔は驚くほど穏やかで眠りについているかのようだ。最期の顔に故人の人生が表れるというが、彼女は幸せだったのかもしれない。──命を奪われる直前までは。
夏の眩しさは、もう過去のもの。薄れ行く暑い日々の記憶同様、東側から闇夜が明るさを飲み込み始めていた。十月に入り、日は大分短くなった。
太陽の帰宅に伴い、街に人工の陽が灯り始める。住宅街を抜けた先の小高い丘の上に建つ朝風高校もグラウンドを筆頭に明かりを灯し、生徒たちは部活動に励んでいた。
夜に染まる校舎にも明るく浮かび上がっている場所が何ヶ所かある。グラウンドの正面から見て、一階中央部分は職員室。中で忙しく働いている教師たちの姿が窺える。そこから右側に窓四つ分移動した場所に美術室があり、美術部員達が各々の作品を手掛けていた。
西校舎三階では合唱部が音楽室を使用し、練習している。
東校舎二階の右端から数えて二番目にあたる【 三年二組 】の教室も煌々と光を放っていた。両側の教室が暗いこともあり、その光は より強く目に映る。
「今日は、ここまでにしましょう」
その室内では、三年二組の担任である小石川 響子が一人の生徒に個別指導を行っていた。
響子は大学卒業後から朝風高校で教師として働き始め、今年で五年目になる。仕事熱心で恋人よりも仕事を優先するため、付き合っても長続きする方ではなかった。現に、三ヵ月前に一年付き合っていた彼とも別れている。
彼女は、どこにでもいる素朴な顔立ちをした女性で、服装もシンプルな物を好んで着ていた。今日の服装も、ストライプ柄の淡い水色のブラウスの上にネイビーカラーのカーディガンを羽織り、黒のカジュアルパンツと少し高さのある(三センチ程)黒のハイヒールを履いている。
そんな彼女を理想の教師と尊敬しているのが、先程まで個別指導を受けていた教え子である塩ノ谷 遼だ。彼もまた、どこにでもいそうな顔立ちをしている。どちらかと言えば、イケメンの部類に入るかもしれない。黒髪が似合う爽やかな少年だ。
真面目で責任感があり、言葉数は少ない方だが、三歳離れた妹がいるからか面倒見がいい一面もある。クラスメイトたちからの信頼も厚く、クラスの副委員長を任されているほど。
「先生、今日もありがとうございました」
大学受験に向け、遼は猛勉強中。授業で理解できなかった部分や疑問点を各教科の先生に放課後、尋ねに行くのが日課になっていた。特に響子が担当している現代文や古文などの国語が苦手で、毎日とまではいかないまでも高い頻度で彼女に聞きに行っていた。
「試験、もうすぐだね。勉強も大切だけど、体調管理も しっかりね」
「はい」
「今日の所、家に帰ってからも復習忘れずに。……そう言えば、化学の島野先生が 『頑張り過ぎるなよ。受験応援してる 』って言ってたよ」
「え? あの無口な島野先生が!?」
「私もだけど、同じ職業を目指す生徒が居て嬉しいんだよ。他の先生たちも……あ! プレッシャーかけてる訳じゃないから!! ねっ?」
慌てる響子に遼は小さく笑った。
「分かってる。……俺、絶対 教師になるから。先生よりも生徒たちから慕われる先生になる」
「私も負けないからね! 今より、もっといい先生になるんだから!」
二人の明るい笑い声が教室に響いた。窓から吹き込む秋風がひんやりと冷たい。暑い夏は過ぎ去っても、遼の心の中にある熱い思いは消えることなく、前にも増して膨らむ一方だった。
「それじゃ、また。さよなら、先生」
「また明日ね、塩ノ谷くん。気をつけて帰ってね」
軽く頭を下げ、教室を後にした遼の背中を見送ると、響子はズボンのポケットから、ある物を取り出した。それを愛おしそうに見つめると、大切に握りしめた。
「セーンセ♪」
突然の訪問者は教室の前扉に凭れ、驚いた彼女の反応を見て喜んでいた。物陰に身を隠し、通りがかった相手を「ワッ!」と驚かせることに成功した子供のように。
響子が振り返ると、糸目の男子生徒がゲラゲラ笑っていた。「驚きすぎでしょ」ゆるいウェーブがかった茶色の髪が動きに合わせ、揺れている。
「笑い過ぎ!! その呼び方、心臓に悪いんだけど」
「仕方ないじゃん。現に、【先生と生徒】なんだしさ」
「……それはそうだけど。で、何かあったの?」
「何かってほどの事じゃないけど……」
彼は真面目な顔つきになり、糸目を開いて響子に告げた。
「あんま調子に乗んなよ」
「何が?」
言っている意味が分からないといった表情で見返す響子に、男子生徒は ため息を吐き出した。
「本当は分かってるんじゃないの? もし無自覚だとしたら、それ ものすっごく危険だからね。……忠告に来て、正解だったかも」
「え?」
「気をつけなよ? 【 相手 】は何をしてくるか分からないんだから」
【 相手 】というワードが出ると同時に響子の顔が引き締まり、真っ直ぐ男子生徒を見据えた。その瞳の奥には、揺るがない覚悟が宿っている。
「分かってる。…… 《万が一》の時は、頼りにしてるからね」
「頼りにするのはいいけど、《万が一 》を防ぐ努力もしてもらわないと」
「意外。あなたのことだから『任せとけ!』って、胸を張ると思ったのに」
「……《他人事》なら、そう言えたかもね」
再び彼は目を閉じ、笑っているのか笑っていないのか、曖昧な糸目でおどけて見せた。響子もそれに合わせ、苦い笑みを彼に返した。
男子生徒は「気をつけて」と響子に念を押すと、暗がりに浮かぶ明るい廊下を歩いていった。
一人になった教室で、手の中にある物を もう一度 響子は見つめた。まだ持っていると彼が知ったら驚くだろうか。別れを告げたのは君なのに、未練がましいと彼は言うだろうか。
彼女が握りしめているのは、三ヵ月前に別れた恋人とお揃いで買った御守り。響子の心は、別れた今でも変わらなかった。
男女が別れる理由、それは愛想が尽きたからだけではない。様々な理由が そこには存在する。彼女の場合も後者だった。
戸締りのため、開かれた窓の前に立った響子の長い漆黒の髪を秋風が弄ぶ。視界が黒に遮られた。それを鎮めようと髪を右耳にかけ、顔を上げると窓ガラスに映った明るい室内に人影が立っていた。
ガラス越しに自分を見つめる視線と目が合う。ゆったりと背後から近づいてくる足音。
響子は息を飲んだ。人影から並々ならぬ殺気が放たれている。一歩、また一歩と距離が縮まっていく。
「逃げなきゃ、叫ばなきゃ」と頭では分かっていても、体が言うことを聞かない。不思議なことに足が地中に埋まっている電信柱のように動かないのだ。声も出ず、もはや 口をパクパク開閉する金魚状態。冷や汗だけが急速に流れ落ちていく。
今し方、「気をつけて」と言われたばかりではないか。響子は気持ちを落ち着かせるため、目を閉じた。と、同時に生あたたかい感触に全身が包み込まれた。
相手の鼻が響子の耳元から長い髪を掻き分け、首元を探っていく。気持ち悪い感覚に体が拒絶反応を起こし、響子は反射的に相手を突き飛ばした。しかし、女性の力では男性に敵わない。距離を取ることには成功したが、相手をふらつかせるのがやっとだった。逃げるなら今しかない!と、動き出した響子の腕を人影は意図も簡単に掴み、そのまま彼女を床に押し倒した。
「……もう逃がさない」
馬乗りになり、歪んだ笑みを浮かべた口元を彼女の耳に近づけ、何度も何度も人影は愛の言葉を言い続けた。響子の抵抗する声も彼には届いていない。
「嬉しいのは分かるけど、少し静かにして」
相手の手が響子の口を覆ったが、それを振り払い、彼女は軽蔑の眼差しで相手を睨みつけた。
「警察に言う。これ以上は我慢出来ない。私は、あなたとは付き合わない。死んでもね!!」
「……それが答え?」
「そう。これが私の答え」
「……残念だよ……。先生……」
手にしていた白い布で人影は響子の首を容赦なく絞め始めた。血の気が人影の手からも、彼女の顔からも引き、白くなっていく。絞める力に人影は愛を込めた。強く、強く、強く……。
「愛してるのに……こんなにも、こんなにも……。安心して、響子。最期を看取るのは他でもない、この俺だから」
****
冷たい夜風が響子の髪を攫っていく。床に寝そべったままの彼女が目覚めることは、二度とない。頬に触れる風の冷たさや、闇夜に輝く満月の光も、何もかも彼女に届くことはない。
どれだけ苦しく痛い最期だっただろう。彼女の細い首に残る跡が全てを物語っている。
しかし、彼女の顔は驚くほど穏やかで眠りについているかのようだ。最期の顔に故人の人生が表れるというが、彼女は幸せだったのかもしれない。──命を奪われる直前までは。
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