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羽ばたきの時
100話 三人でデート
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フェルテが"智"の儀を終えたことで、マリーネ孤島の遺跡攻略は完了。
次なるCランクを目指すべく、アロウ達はDランクのクエストをこなし、トントン拍子に昇級クエストまで飛び越えていく。
そしてつい先日に、Cランクへの昇級クエストに待ち構えていた大型モンスター『グリーンワイバーン』を撃破したことにより、既にCランクのプレイヤーであるジルダを除いて、アロウ達はCランクへの昇級を果たす。
次なるCランクのフィールドは、イグニート火山だ。
現実側。
アフター5が過ぎた休日日曜の午前、徹矢(アロウ)は地元の駅前にて待ち人を待っていた。
待ち合わせ時間の15分ほど前に来ていた彼は、スマートフォンでMAFの公式サイトで、イグニート火山について閲覧していた。
「(イグニート火山……豊富な鉱物資源と、危険な溶岩地帯か)」
地形ダメージを軽減・無効化するスキル無しでは近付くだけで体力を減らされる溶岩が流れるフィールドだが、多数の鉱脈もまた確認されており、この火山でしか採掘出来ない特殊な鉱石も存在するという。
出没するモンスターも、火山内の熱気に耐え得るほど屈強なモンスターが多く、中には溶岩の中を平然と活動するものもいる。
このランク帯まで来ると、小型モンスターの討伐や精算アイテムの納品クエストは少なくなり、ほとんどが大型モンスターの討伐クエストになる。
いよいよ難しくなってくる頃合いだと言うことだ。
「(大型モンスターも飛竜系が多いし……そろそろ本格的な空戦タイプが作れるはずだ)」
カノラが以前に装備していたフライビー装備は、謂わば特殊なケース、先行して空戦タイプを試せる程度のもの。
ここから徐々に、強力な空戦タイプのマギアアームドを生産することが出来るだろう。
そう思うと、徹矢は俄然楽しみになってくる。
楽しみではあるが、今日はマギアアームドをプレイしに行く日ではない。
「あっ……織原くん、お待たせー」
ふと、駅前広場の方から、菜々花(カノラ)が早足で歩み寄ってくる。
彼女の声に気付いて、徹矢はスマートフォンの画面を閉じてポケットに入れると、その方向に手を振る。
「おはよう、水城さん」
「おはよ。待たせちゃった?」
「そこまで待ってないから大丈夫」
まるで恋人同士のデートのようなやり取りだが、この二人の間にそのような認識はない。
そもそも今日は、二人きりではないのだから。
「結月ちゃんも、そろそろ家を出る頃だって」
「なら、今から電車に乗って丁度いい感じかな」
確認しあって、徹矢と菜々花は改札前で切符を買い、ホームに向かう。
電車に乗って揺られること二十分ほとで、目的の駅に到着すれば。
「織原さーん、菜々花さーん」
改札口の前で、黒髪の美少女――結月(ルナ)が手を振って待ってくれていた。
今日のこの三人の予定は、結月の地元で遊ぶことだ。
次なるCランクを目指すべく、アロウ達はDランクのクエストをこなし、トントン拍子に昇級クエストまで飛び越えていく。
そしてつい先日に、Cランクへの昇級クエストに待ち構えていた大型モンスター『グリーンワイバーン』を撃破したことにより、既にCランクのプレイヤーであるジルダを除いて、アロウ達はCランクへの昇級を果たす。
次なるCランクのフィールドは、イグニート火山だ。
現実側。
アフター5が過ぎた休日日曜の午前、徹矢(アロウ)は地元の駅前にて待ち人を待っていた。
待ち合わせ時間の15分ほど前に来ていた彼は、スマートフォンでMAFの公式サイトで、イグニート火山について閲覧していた。
「(イグニート火山……豊富な鉱物資源と、危険な溶岩地帯か)」
地形ダメージを軽減・無効化するスキル無しでは近付くだけで体力を減らされる溶岩が流れるフィールドだが、多数の鉱脈もまた確認されており、この火山でしか採掘出来ない特殊な鉱石も存在するという。
出没するモンスターも、火山内の熱気に耐え得るほど屈強なモンスターが多く、中には溶岩の中を平然と活動するものもいる。
このランク帯まで来ると、小型モンスターの討伐や精算アイテムの納品クエストは少なくなり、ほとんどが大型モンスターの討伐クエストになる。
いよいよ難しくなってくる頃合いだと言うことだ。
「(大型モンスターも飛竜系が多いし……そろそろ本格的な空戦タイプが作れるはずだ)」
カノラが以前に装備していたフライビー装備は、謂わば特殊なケース、先行して空戦タイプを試せる程度のもの。
ここから徐々に、強力な空戦タイプのマギアアームドを生産することが出来るだろう。
そう思うと、徹矢は俄然楽しみになってくる。
楽しみではあるが、今日はマギアアームドをプレイしに行く日ではない。
「あっ……織原くん、お待たせー」
ふと、駅前広場の方から、菜々花(カノラ)が早足で歩み寄ってくる。
彼女の声に気付いて、徹矢はスマートフォンの画面を閉じてポケットに入れると、その方向に手を振る。
「おはよう、水城さん」
「おはよ。待たせちゃった?」
「そこまで待ってないから大丈夫」
まるで恋人同士のデートのようなやり取りだが、この二人の間にそのような認識はない。
そもそも今日は、二人きりではないのだから。
「結月ちゃんも、そろそろ家を出る頃だって」
「なら、今から電車に乗って丁度いい感じかな」
確認しあって、徹矢と菜々花は改札前で切符を買い、ホームに向かう。
電車に乗って揺られること二十分ほとで、目的の駅に到着すれば。
「織原さーん、菜々花さーん」
改札口の前で、黒髪の美少女――結月(ルナ)が手を振って待ってくれていた。
今日のこの三人の予定は、結月の地元で遊ぶことだ。
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