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勇気ある者達
74話 創造神の神子?
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酒場に帰還したアロウ達三人だが、既にカインの姿は見えなかった。
クエストカウンターで報酬を受け取ってから、三人は席に座る。
「結局のところ、カインさんは何が目的で俺達とクエストを共にしたんだろう?」
最初に、アロウがそう溢す。
「フェルテさんの正体を確かめるため、とは言っていましたけど……」
ルナはフェルテを見やる。
「くだらぬ。我の正体がえぬぴーしーとやらでも、電子の生命体とやらでも、何でも構わぬ。我はただ、己が使命を全うするだけのこと」
フェルテは、アロウとルナの二人が何を疑問に思っているのか分かっておらず、些事に過ぎないと切って捨てる。
NPCとしてのAIがそう言わせるのか、あるいは……
「フェルテ。その、「己が使命」って言うのは、何のことなんだ?」
これまで、フェルテはただ目的地に到着し、儀式を完了させるためだとしか言っていない。
全部で三つの儀式を終えた時、フェルテは何を為すのかと、アロウは訊ねる。
「ふむ……そう容易く他者に言い触らして良いものではないが、他ならぬ汝らだ。全てとは言わぬが、我の"使命"について話そう」
フェルテはお冷を一口啜ってから、自身の目的について話し始めた。
「我は、創造神より遣わされし神子。我が力、智、勇の儀を求めるのは、力を得るため。祭壇を守るガーディアンらは、その試練」
「創造神……神子……?」
「なんだか、話が物凄く大きくなってませんか……」
「二人とも、最後まで聞け。これは汝らにとって無関係な話ではない」
少しだけ話の腰が折れたが、フェルテはすぐに戻す。
「今、創造神はその力を急速に失いつつある。その理由は、一度死した人間が新たに命を与えられた上で、生前とは異なる時空へと放たれる。その際に、新たな命には力が与えられる。曰く、「悪しき貴族となって他者の凋落を嘲笑いたい」だの、「敢えて他者に虐げられることで理想の殿方と結ばれたい」だの、「並ぶもの無き究極の武力や魔力をよこせ」だの、「望み通りの女達を侍らせたい」だの、まぁ好き放題を創造神に強請るわけだ」
アロウとルナは言葉を失う。
ようするにそれって異世界転生じゃないか、と。
「そんな好き放題が、何百万、何千万と押し寄せるのだが、それだけなら良い。問題なのは、その好き放題を創造神に返さず、力を手にしたまま、止まった時間の中で生き続けている者らもいる。創造神とて無限の存在ではない、必ず限度がある。創造神が力を失えば、その分に世界と世界を繋ぐ時空に"歪み"が生じる。歪みが大きくなれば、最後には世界が歪みに呑まれ、消え失せる。力を返さぬ者らが消えるだけなら良い。だが、力を返すべく生を謳歌している者らまでもがそれに巻き込まれてしまう」
アロウとルナはまたしても絶句する。
ようするにそれって放置されている作品じゃないのか、と。
「その力を返さぬ者らを討滅し、力を創造神に返還することで、時空の歪みを正す。それが、我の"使命"だ」
ようやく自身の"使命"について語り終えるフェルテ。
彼女の言う"使命"とは、なんともメタかった。
クエストカウンターで報酬を受け取ってから、三人は席に座る。
「結局のところ、カインさんは何が目的で俺達とクエストを共にしたんだろう?」
最初に、アロウがそう溢す。
「フェルテさんの正体を確かめるため、とは言っていましたけど……」
ルナはフェルテを見やる。
「くだらぬ。我の正体がえぬぴーしーとやらでも、電子の生命体とやらでも、何でも構わぬ。我はただ、己が使命を全うするだけのこと」
フェルテは、アロウとルナの二人が何を疑問に思っているのか分かっておらず、些事に過ぎないと切って捨てる。
NPCとしてのAIがそう言わせるのか、あるいは……
「フェルテ。その、「己が使命」って言うのは、何のことなんだ?」
これまで、フェルテはただ目的地に到着し、儀式を完了させるためだとしか言っていない。
全部で三つの儀式を終えた時、フェルテは何を為すのかと、アロウは訊ねる。
「ふむ……そう容易く他者に言い触らして良いものではないが、他ならぬ汝らだ。全てとは言わぬが、我の"使命"について話そう」
フェルテはお冷を一口啜ってから、自身の目的について話し始めた。
「我は、創造神より遣わされし神子。我が力、智、勇の儀を求めるのは、力を得るため。祭壇を守るガーディアンらは、その試練」
「創造神……神子……?」
「なんだか、話が物凄く大きくなってませんか……」
「二人とも、最後まで聞け。これは汝らにとって無関係な話ではない」
少しだけ話の腰が折れたが、フェルテはすぐに戻す。
「今、創造神はその力を急速に失いつつある。その理由は、一度死した人間が新たに命を与えられた上で、生前とは異なる時空へと放たれる。その際に、新たな命には力が与えられる。曰く、「悪しき貴族となって他者の凋落を嘲笑いたい」だの、「敢えて他者に虐げられることで理想の殿方と結ばれたい」だの、「並ぶもの無き究極の武力や魔力をよこせ」だの、「望み通りの女達を侍らせたい」だの、まぁ好き放題を創造神に強請るわけだ」
アロウとルナは言葉を失う。
ようするにそれって異世界転生じゃないか、と。
「そんな好き放題が、何百万、何千万と押し寄せるのだが、それだけなら良い。問題なのは、その好き放題を創造神に返さず、力を手にしたまま、止まった時間の中で生き続けている者らもいる。創造神とて無限の存在ではない、必ず限度がある。創造神が力を失えば、その分に世界と世界を繋ぐ時空に"歪み"が生じる。歪みが大きくなれば、最後には世界が歪みに呑まれ、消え失せる。力を返さぬ者らが消えるだけなら良い。だが、力を返すべく生を謳歌している者らまでもがそれに巻き込まれてしまう」
アロウとルナはまたしても絶句する。
ようするにそれって放置されている作品じゃないのか、と。
「その力を返さぬ者らを討滅し、力を創造神に返還することで、時空の歪みを正す。それが、我の"使命"だ」
ようやく自身の"使命"について語り終えるフェルテ。
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