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マギアアームド・ファンタジア

24話 倒せ!大鬼ボスゴブリン

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「ルナさん、エナジーライフルなら、ここから当てられそうです」

 アロウがそう進言すると、ルナも「そうですね」と頷いている。

「私とアロウさんが前衛、カノラさんは後ろから援護を、いいですね?」

 戦闘を開始する前に、ルナは大まかな役割を決める。

「了解です」

「わわ、わかりましたっ」

 アロウは短く頷き、カノラも声を上擦らせながらも頷く、

 そして、アロウとルナがそれぞれエナジーライフルを構え、銃口の先をボスゴブリンに向ける。

「行きますよ。三、二、一、ファイアッ」

 ルナの号令に合わせ、アロウはエナジーライフルのトリガーを引き絞った。
 ビジゥンッ、と熱エネルギーを纏った魔力弾が放たれ、二筋の内、ひとつはボスゴブリンの腹を、もうひとつは棍棒を持った方のゴブリンの頭を焼く。

 突然の不意撃ちに、ボスゴブリンらは慌てて周囲を見回し、ついにアロウ達の存在に気付く。

「行くぞ!」

「はい!」

「う、うん!」

 アロウ達はその場から飛び出し、向かってくるボスゴブリンらに真っ向から立ち向かう。
 前衛二人はエナジーライフルを撃ちつつ接近、カノラは前衛を巻き込まない位置からライフルを連射する。

 棍棒を振り回しながら突撃してきたゴブリンは、光弾と実弾をまともに受け、瞬く間に力尽きる。

 ボスゴブリンの方はというと、アロウ達の弾幕を前に迂闊に近付いては来ず、ソードを盾にしつつダメージを防いでいる。

 もう一匹のゴブリンは、ボスゴブリンの陰から弓矢を構え、ルナに狙いを付けて矢を放つが、そちらの動向も見ていたルナは、その矢を躱してみせる。

「そこっ」

 矢を躱し様にエナジーライフルを撃ち返すルナ。
 光弾を受けたゴブリンは仰け反り、弓矢の構えを崩している。

 アロウはエナジーライフルを撃ちながらも、左手にラプターサーベルを抜き、通常のブレードよりも軽量で強靭な刃を持つそれを以てボスゴブリンに接近戦を挑む。
 ボスゴブリンはアロウに狙いをつけ、ソードを振り下ろしてくるものの、大振りな動作をアロウはすぐに見抜き、スラスターを使ったステップでソードの一撃を躱す。
 スラスターを切って放熱させつつ、ボスゴブリンの懐へ飛び込む。

「でりゃぁッ!」

 走破性のスキルによって、上昇した踏み込み速度の勢いを乗せて、ラプターサーベルを振るう。
 一撃、二撃、とボスゴブリンの脇を斬り裂いていく。
 ボスゴブリンも、振り向きながらソードで周囲を薙ぎ払おううとするが、その少し手前で攻撃を中断していたアロウは、素早くバックホバーでソードの切っ先から逃れる。

 瞬間、ブォンと音を立てながら、アロウの目の前を肉厚の刃が空を切り裂いた。

「ヒットアンドアウェイで行けば……!」

 エナジーライフルを撃ちつつ接近し、ソードの一撃を躱してから、近接攻撃を少しだけ与え、反撃が来る前に回避、またエナジーライフルを撃ちつつ接近を試みる。
 それら攻撃と回避の合間に、カノラからの確実な援護射撃かが重なってくる。

「狙われたらすぐ逃げる、狙われたらすぐ逃げる……」

 カノラの役目はあくまでも後方援護、無理に接近戦を行う必要はない、とルナが言っていた。
 故にカノラは、ライフルで射撃するか、逃げ回るか、そのどちらかに意識を向けることで、安全に立ち回っている。

 ルナの方も、弓のゴブリンを追い立てており、撃破はもうすぐだろう。

 しかし気を抜くにはまだ早い、戦いは始まったばかりだ。
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