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マギアアームド・ファンタジア

21話 新装備

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 それから数日が過ぎ、アロウとカノラの二人は、ルナの手解きを受けながらも順調にFランクのクエストを進めていき、その時は訪れる。

「昇級クエストが開放されました」

 酒場の受付嬢に話しかけると、そう切り出してきた。

 昇級クエスト。
 これをクリアすることで、以降は一段階上のランク――アロウとカノラはEランクのクエストを受けられるようになる。
 ちなみに、ルナは既にEランクにランクアップ済みで、ソロプレイで昇級クエストを突破したらしい。

 クエスト内容は、『ボスゴブリン』一頭の討伐。

 アロウとカノラにとっては、初の大型モンスター戦 (サイクロプスはまともな戦闘ではなかった)だ。

「昇級クエスト、大型モンスターか……」

 クエスト内容に目を通しつつ、アロウは神妙に頷く。

「ボスってことは、普通のゴブリンよりずっと強いんだよね……?」

 勝てるかな、と不安げに眉の端を落とすカノラ。

「大丈夫、きちんと装備とアイテムを整えていけば、私一人でも勝てましたから」

 先達者たるルナが、緊張する二人に声をかける。

「クエストを受ける前に、一度装備を見直してみましょうか」

 早速受けるのではなく、まずは準備から。



 鍛冶屋に訪れて、生産可能、あるいは強化可能な装備を閲覧していく。

 さて、ボスゴブリンとの戦いを見越した上でどうするべきかと、アロウは思案する。

「ルナさんは、武器をエナジーライフルにしている以外は、俺達と同じ装備を強化してるんですよね?」

「そうですよ。昔に、これと似たようなゲームをしていた時と、同じ攻略法です」

 武器は生産で新しいものにしつつ、防具は既存のものを強化する、と言うスタンスだ。

「攻撃に傾注していると言うべきでしょうか。もちろん、これは私のスタンスであって、アロウさんはアロウさんの、カノラさんはカノラさんのスタンスを、自由に決めていいんですよ」

 とはいえ。
 ゲームに慣れてくると、楽しんでプレイするよりもプレイ進行を優先する"効率厨"が現れるのも避けられない事案であり、装備やスタイル、役割なども強制し合うギスギスした関係にならないとも限らない。

「どんな装備やスタイルが自分に合うのか、何でも試してみるのが一番です」

「う、うーん……」

 ルナは努めて明るくそう言うものの、カノラはやはり不安を隠せない。
 そんな様子を見て、アロウは。

「よしっ。俺は思い切って、装備を全部変えてみる」

 カノラの不安を紛らわせるように声を張ると、生産リストを開く。
 素材や所持金などはこまめに集めていたため、それなりにはある。
 生産可能を示す白文字が並ぶリストを見通し、素材の総数も鑑みてアロウは決心し、次々に生産していく。

 ルナと同じエナジーライフルに、
 ラプタス素材の剣である『ラプターサーベル』、
 鉱石素材の盾である『アイアンシールド』、

 五箇所の防具は、全てラプタス系に統一した。

 その結果、

【陸戦タイプ】

 ・エナジーライフルI
 ・ラプターサーベルI
 ・アイアンシールドI

 ・ラプタスヘッドI
 ・ラプタスボディI
 ・ラプタスアームI
 ・ラプタスコイルI
 ・ラプタスレッグI

 スキル

 ・走破力強化+1
 ・クリティカルアップ+1

 となり、ラプタスの体表の色と同じ、ライトブルーを基調としたマギアアームドが纏われる。
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