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マギアアームド・ファンタジア
8話 クエストクリア!
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「ところで、あなた達は?」
ふと赤髪の少女は、アロウとカノラがここにいる理由を訊ねる。
「えぇと、俺達はチュートリアルクエストをしていて……ゴール地点がここなので、ここに来たってところです」
「うんうん」
アロウがそう答え、カノラも頷く。
「あ、俺はアロウです」
「わわ、わたしはカノラです」
二人が名乗ったことで、赤髪の少女も名乗り返す。
「私は『ルナ』です」
双方名乗ったところで。
山頂部に到着したので、アロウとカノラはこれでクエストクリア、あとは帰還するだけ。
ルナの方はといえば、採取クエストをしていて、必要なアイテムも集めている途中だ。
アロウとカノラの方は、『クエストクリア条件を達成しました!』と言うポップアップを見て、コンソールの項目でも『クエストをリタイアする』から『クエストクリアする』と言う項目に変わる。
「これで、クリアかな?」
「クリア条件も達成してるし、これを選んだら帰還する感じか」
帰還する前に、アロウはルナに向き直る。
「じゃぁ、俺達はこれで帰還するんで」
「あ、それじゃぁ、失礼します」
互いに会釈してから、アロウとカノラは『クエストクリアする』の項目をタップ、行きと同じように光に包まれると、シュンッと音を立ててワープする。
酒場の転移装置に戻ってきたアロウ。
その一歩遅れて、カノラも戻って来る。
クエストクリア条件を満たしてから帰還し、受付カウンターでクリア報酬を受け取る。
尤も、契約金の必要無いチュートリアルクエストなので、報酬と言っても少額ではあるが。
「よし、これでチュートリアルクエストはクリアだな」
「今回のは簡単でモンスターも少なかったけど、これからはもっと難しいクエストも受けるんだよね?」
ちゃんと出来るかな、とカノラは不安そうに眉の端を落とす。
「大丈夫だって。さっきのルナさんもソロプレイだったみたいだし」
それよりも、とアロウは先程の山頂部での出来事を思い返す。
「あの獣耳の人、マギアアームドのプレイヤーにしては、装備がマシンっぽく無かったよな?」
「あっ、言われてみれば……アレだよね、ファンタジーのヒロインみたいな服だったし、剣も盾もファンタジーっぽかったし」
装甲やスラスターユニットが見られない、おおよそMAFのクエスト中に装備するようなマギアアームドとは思えない外観だった。
武装の類もそれであり、ライフルやブレードのような、"機械的"なものではない、宝具のようなデザイン。
「ゲームを進めたら、あぁ言う装備もあるのかもしれないな」
レア装備なのかもしれない、とアロウは結論付ける。
ふと赤髪の少女は、アロウとカノラがここにいる理由を訊ねる。
「えぇと、俺達はチュートリアルクエストをしていて……ゴール地点がここなので、ここに来たってところです」
「うんうん」
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「わわ、わたしはカノラです」
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双方名乗ったところで。
山頂部に到着したので、アロウとカノラはこれでクエストクリア、あとは帰還するだけ。
ルナの方はといえば、採取クエストをしていて、必要なアイテムも集めている途中だ。
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「これで、クリアかな?」
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「じゃぁ、俺達はこれで帰還するんで」
「あ、それじゃぁ、失礼します」
互いに会釈してから、アロウとカノラは『クエストクリアする』の項目をタップ、行きと同じように光に包まれると、シュンッと音を立ててワープする。
酒場の転移装置に戻ってきたアロウ。
その一歩遅れて、カノラも戻って来る。
クエストクリア条件を満たしてから帰還し、受付カウンターでクリア報酬を受け取る。
尤も、契約金の必要無いチュートリアルクエストなので、報酬と言っても少額ではあるが。
「よし、これでチュートリアルクエストはクリアだな」
「今回のは簡単でモンスターも少なかったけど、これからはもっと難しいクエストも受けるんだよね?」
ちゃんと出来るかな、とカノラは不安そうに眉の端を落とす。
「大丈夫だって。さっきのルナさんもソロプレイだったみたいだし」
それよりも、とアロウは先程の山頂部での出来事を思い返す。
「あの獣耳の人、マギアアームドのプレイヤーにしては、装備がマシンっぽく無かったよな?」
「あっ、言われてみれば……アレだよね、ファンタジーのヒロインみたいな服だったし、剣も盾もファンタジーっぽかったし」
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武装の類もそれであり、ライフルやブレードのような、"機械的"なものではない、宝具のようなデザイン。
「ゲームを進めたら、あぁ言う装備もあるのかもしれないな」
レア装備なのかもしれない、とアロウは結論付ける。
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