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第五章 凍て付いた里のツンデレ狩人
42話 吹き荒れる雪月花
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ヴァレリオ霊峰への入山口は、スプリングスの里から徒歩で僅か一時間で到着するほど、地域に密接した狩り場だ。
入山口と言っても、山の中にさらに山があるようなものであり、複雑な地形によって魔物は容易に里に近付けない。
普段のこの季節なら、緑豊かで風光明媚な場所なのだが、生憎今は異常気象の大雪で真っ白けである。
そんな中、ピオンを先導してもらう形で、俺、エリン、クロナ、クインズの四人は雪山道を往く。
「足場が悪い上に、今は雪と凍結の影響で滑りやすいから、気を付けて」
注意喚起をしてくれるピオン。
万が一こんな高所から滑り落ちたりしたら……俺がちょっと全力を出せば助けられるけど、普通ならまず助からない。気を付けねば。
「ピオン、この霊峰の高地まではあとどのくらいだ?」
既にヴァレリオ霊峰と呼ばれる区域には入っているが、ハイリング草が自生している場所は、霊峰の高地にしか無いという。
「このペースなら、あと20分もかからないわ。もう魔物が出てきてもおかしくないのだけど、今日はこの間以上に静かね……不気味だわ」
「邪悪な気配が、かなり上の方から感じる。正確な高度は分からないが、頂上に近いかもしれない」
「やっぱり高地での戦闘になりそうね、教えてくれてありがとう」
もう間もなく、この霊峰に巣食う何者かとご対面だな。
どこのバカタレの仕業か知らんが、リザをウイルスに感染させた上に俺達の観光まで邪魔してくれやがった罰は、一律で極刑である。
「ジョンソンマスターからの依頼もあるとは言え、案内役をさせてすまない」
「別に構わないわよ。一昨日も言ったけど、霊峰がこんな異常気象のままじゃ、里の存亡に関わるもの。天然温泉を観光の目玉にしているなら、なおさらよ」
「どういうことだ?」
「知らなかったら教えてあげるけど……今、里の温泉は全部凍ってしまっているのよ」
「それはまた……」
マジかよ、温泉が凍るって相当だぞ。
いや、確かにそれくらい寒いけど。
「温泉が凍る……それは由々しき事態ですね」
クロナが深刻そうな顔をする。
彼女はスプリングスの里の温泉を誰よりも楽しみにしていたとは言え、里からすれば死活問題だ、由々しき事態と言うのも大袈裟な話ではない。
「でしょう?あたし達からしたら、フローリアンの英雄が来てくれたのは渡りに船だったのよ」
渡りに船、ねぇ……
偶然の一致である可能性も決してゼロでは無いが、あのマジキチが俺への復讐のために神殿や霊殿に呪いをかけ、魔王やインキュバスまで呼び寄せたりもしたのだ。
今回のこれも、マジキチが浄化し切れずに、俺への怨念としてこんな"嫌がらせ"をしているのかもしれない。
殺しても浄化しても削除してもめんどくせぇ女だな!?
逆に深読みすれば、スプリングスの里がこんな目に遭っているのも、俺のせいでもあるわけで……最悪、女神様に掛け合ってもらうことも考えておこう。
「いくら俺達がいると言っても、この霊峰は全くの初見で、土地勘も無いから、本来なら何もかも手探りで事に当たらなければならなかったんだ。ピオンが同行してくれるのは、本当にありがたい」
「別に、あたしじゃ無くてもこの霊峰に詳しい冒険者はいるんだから、それほどのことじゃ……」
「それでも、ジョンソンマスターが君に俺達のことを任せられると判断するくらいの力はあるってことだろう?だから、頼りにしている」
「っ……ほ、褒めたって何も出ないんだからねっ」
ぷいっとピオンはそっぽ(前)を向く。
ツンデレだ、ツンデレがここにいる。かわいい。
「またアヤトが人を誑し込んでる」
「まぁ、アヤト様ですし」
「私の時もこんな感じだったな……」
俺の後ろの三人からそんな物言いをされた。良い意味で本当のことを言っただけなのに、解せぬ。
ピオンの土地勘通り、20分ほど雪山道を歩いた辺りで、高地と認定される辺りの位置まで登ってきた。辺りはもう雲が近いな、頂上部は雲の上を突き抜けるだろう。
「う~……さすがに寒いね……」
息が真っ白になっちゃう、とエリンは自分の薄紅色のマントをあげて、マフラースカーフのように口元と首周りを覆う。マントだけでなく、保温性の高いヒートテックインナーも着用しているのだが、それでもこの寒さは凌ぎきれないようだ。
アトラスの町で購入した唐辛子を靴の中に入れているおかげで、靴の中は火照っているのだが、熱いのは足先ばかりなので、身体自体は縮こむように冷える。
「こうまで雪が積もっていると、ハイリング草を見つけ出すのも一苦労ね……」
げんなりしてそうに言うピオンだが、その仕草や挙動に隙は見られない。
この霊峰に潜む魔物がどこから現れてもいいように、神経を研ぎ澄ましているのだろう。
そう、気配も近い。
もう少し上の方から感じるが、そろそろ接敵してもおかしく……
「……ん?」
ふと、クインズは自分の足元を見て――バッと上を向いた。
「上だ!」
彼女の注意喚起と同時に、視界が翳った。
おっと、上から来るパターンか。
その影から慌てて飛び退くと、次の瞬間には巨躯が飛び降りて来て、雪煙を撒き散らしながら着地する。
真っ先に目についたのは、禍々しいカーキイエロー。
蝙蝠のような翼と翼爪、恐竜のように太い四肢と鉤爪、棘の生えた尻尾に細長い首、頭部はのっぺりした泥鰌のような形で二本のヒゲ、口には門歯がデカデカと主張する。
体表には鱗状の物体がびっしり並んでいるが、なんかこう……ドラゴンをベースに、恐竜と深海魚をミックスしたような、筆舌に尽くし難い外観の、"怪物"だ。
『あkthみwとhmbけgqlたhtbmsにろxabn!!』
恐らく威嚇を兼ねた咆哮のつもりだろうが、何語喋ってんのかよく分からん。
ロングソードを抜いて、と。
「こいつが、霊峰に潜んでいる魔物って奴ね」
ピオンは腰に備えていた弓を抜いて即座に矢を矢筒から引き抜いてつがえる。
「なんかまた変なのが出てきたね……」
エリンは、クインズがいた世界のオキザリス村で手に入れたエクスカリバーを抜き放つ。
「変と言っても、異常気象を起こすような魔物です。油断なりません」
「何であれやることは変わらん。こいつを討つまでだ」
クロナとクインズも、それぞれ鉄扇をトゥーハンドソードを抜いて身構える。
モンスター――仮称として『カオスドラゴン』とする――は、両眼をギョロつかせて、ジリジリと迫ってくる。
「射つ!」
火蓋を切り落とすは、ピオンの矢。
雪風斬り裂く矢は、カオスドラゴンの眼を狙った一射。
しかしカオスドラゴンはその巨躯に反した素早い動きでその場から飛び退き、ピオンの矢を躱した。
『なjqeほzhchさじhgqcfみa!』
奇怪極まる言語を吐き散らしながら、カオスドラゴンは飛び掛かり、ピオンを右前脚の鉤爪で引き裂こうと迫る。
「っと!」
ピオンはカオスドラゴンから目を切ることなく跳躍し、鉤爪の生えた右前脚を避ける。
叩き付けられた前脚は雪を派手に巻き上げる。膂力も強そうだな。
「せぇいッ!!」
叩き込まれた右前脚、そこへクインズが踏み込みながら身体を捻り、ぐるんと全身ごと打ち込むようにトゥーハンドソードを振り下ろす。
クインズの一閃がカオスドラゴンの右前脚を捉えると、剣の質量で押し潰すように鱗を斬り裂く。
『ちかokfbhごきkdいとqs!?』
鱗を破られ、肉を斬られただろうカオスドラゴンは狼狽えたように後退る。
「鉄壁の護りよ――『サークルディフェンサー』!」
すると、クロナから補助魔法が詠唱され、術者の彼女を含む全員に橙色の光が纏われる。
皮膚の硬質化――それも、全員に効果を齎す、指向性の広域魔法だな。
「攻めるっ!」
カオスドラゴンの狼狽えを見抜いたように、エリンは積雪を蹴って身体を前へ飛ばすと、懐へ飛び込んでエクスカリバーをカオスドラゴンの左脇腹辺りへ、何度も斬り込ませる。
『ぶbhnqxわzbeg!』
けれどエリンは深攻めもせず、カオスドラゴンの敵意が自分に向けられたことを悟るや否や攻撃の手を止めてすぐに飛び下がる。
そろそろ俺もいっとくか。
エリンの反対サイドへ縮地で回り込み、
「焼き薙ぎ払え――『地鬼焼葬』!」
魔法剣とは異なる火――青紫色の鬼火を纏わせた、大振りな薙ぎ払いを振るい、カオスドラゴンの腰に当たる部位を切り裂き、その内側を鬼火が焼灼する。
『くえtuioれakhばukenxほf!?』
うるせぇ何言ってるか分かんねぇよ、音出すなら人間に分かる言語使いやがれ。
「火は効くみたいね、それなら……」
俺が放った地鬼焼葬がカオスドラゴンに有効であるのを見てか、ピオンは再び矢をつがえ、その指先に火属性の朱い輝きが纏われ、鏃に火が点いたように燃え上がる。
「――『焔火』ッ!」
焔を纏った火矢が射たれ、カオスドラゴンの長い首に突き刺さると、刺さった部位を押し広げるように炸裂する。
ってか、いかにも火に強そうな見た目してんのに熱に弱いのかよ。
まぁ見た目に反するって言うのはよくあることだ。火が有効なモンスターも、亜種になると火に強くなった代わりに水に弱くなるのも、その一例だな。
『りcelqんlisちゅcnzhをi!!』
うっせーぞ分からん語で喋んな、分かる語でオケ。
どうやら怒ったらしいカオスドラゴンは、フシューフシューと鼻息を荒くし、興奮の影響なのか表面に血管のような筋が浮かび上がる。
元からよく分からん見た目してんのに、さらに分からんくなったな……
無駄に長い首をぐねぐねさせて辺りを睥睨し――直接攻撃していない故に弱いと見たのか、その睥睨がクロナに止まる。
「っ、私ですね……!」
奴の次の狙いが自分だと悟り、クロナは身構える。
「せchlnくhosrしょmd!」
カオスドラゴンは奇声を上げながらクロナに突進を仕掛ける。
こんな巨体にぶつかれば無事では済まない、クロナはその場からに駆け出して突進から逃れようとするが、カオスドラゴンは突進の途中で巨体を捻り、棘の生えた尻尾を勢いよくクロナに振るった。
「えっ!?」
動揺したものの、ほぼ咄嗟に鉄扇で防御し――しかし人間を複数人束にしたような太く強靭な尻尾は、鉄扇もろともクロナを強かに打ち据える。
「くっ、ぅっ……!」
「クロナさんっ!」
派手に吹き飛ばされ、雪の上を何度もバウンドするクロナに、エリンが慌てて助け起こそうとする。
『ししneusごruahあofvq!』
そこへ追い打ちを掛けようとカオスドラゴンが飛び掛かろうとするが、
「私を忘れてもらっては困る、なッ!」
カオスドラゴンの横合いからクインズは、駆け寄りながらトゥーハンドソードを地面に突き立てて棒高跳びのように飛び上がり、無防備を晒していた奴の左側頭部辺りにトゥーハンドソードを勢いよく叩き込み、斬り裂く。運動神経すげぇな。
『こrcxgきzoghuはじcexぶぇェea!?』
カオスドラゴンは悲鳴っぽい声を上げながら蹌踉めく。
「でえぇぇぇぃッ!!」
着地、と同時に軸足を入れ替えながら身体ごと回転させつつトゥーハンドソードを薙ぎ払い、さらにカオスドラゴンの左後ろ足の鱗を斬り飛ばす。
「ついでにもう一発、――焔火!」
その上からピオンの火矢が逆に追い打ちをかけ、カオスドラゴンの首に刺さり、炸裂させる。
「おまけもあるぞ、――フレイムランス」
俺からもフレイムランスを詠唱し、クインズを巻き込まないようにカオスドラゴンの右翼に炎の槍をぶち込み、右翼の翼膜を焼き貫く。
『くぇrちyiいおochtうびukbenげa!?』
やかましい!ゲームの人工知能じゃあるまいしゴチャゴチャ喚くな!
クインズの重撃、ピオンの焔火、俺のフレイムランスの3連コンボを受けたカオスドラゴンはめちゃくちゃに身体を暴れさせ、その拍子に斬りかかろうとしたクインズを弾き飛ばした。
「ぐっ……なんのっ」
とは言え動けないような怪我は負わなかったか、すぐに立ち上がってみせた。クロナの補助魔法のおかげもあるな。
「――ファイアボール!」
カオスドラゴンが暴れて近付けないために、クロナを助け起こしたらしいエリンもファイアボールを詠唱し、火球を撃ち込むが、あまり効いている様子は見えない。
「……うーん、魔法ももうちょっと練習しないと」
自分が放ったファイアボールの威力が弱いことに、エリンは眉をひそめる。
エリンは剣士としての前衛がメインなんだし、そもそも攻撃魔法による火力支援は、今ここにはいない魔法使いであるリザの専売特許みたいなもんだし、そこまで気にすることも無いんだがな。
まぁ今みたいな状況もあれば、出来るだけ強い攻撃魔法が使えるに越したことはないか。
「――ヒール!」
エリンに助け起こしてもらったクロナは、すぐさまダメージを受けたクインズにヒールを放つ。
「助かる」
クインズは目線だけクロナに向けて感謝すると、再度カオスドラゴンへ肉迫する。
ピオンもカオスドラゴンの巨躯に巻き込まれないように立ち回りつつ、何発も矢を放っている。
『こnwthゆkjaぴeuz!』
ふと、カオスドラゴンが大きく息を吸い込む――ブレスか?
「気を付けろ、ブレスだ!」
「むっ」
俺の注意喚起をうけて、クインズは肉迫前進を止めてカオスドラゴンの正面から飛び退く。
「っ!」
ピオンも一歩遅れてカオスドラゴンから距離を取るが、カオスドラゴンは首を振り下ろし――濁った黄土色っぽいブレスを放射状に吐き出した。
吹雪ブレスじゃない?
だが、回避運動を取っていたピオンに、僅かにその黄土色のブレスが届くと、
「いっ!?あぁっ、かっ、は……っ!?」
突如、ピオンはビクンビクンと激しく身体を痙攣させながら、その場に横たわってしまう。
――あれは麻痺のブレスか!
しかもブレスが通用したと思ったか、カオスドラゴンはピオンに向かって飛び掛かり、前脚の鉤爪を振り下ろそうとしている。
「――させるか!」
瞬時、カオスドラゴンの鼻先に縮地して回り込む。
目の前に突然現れた俺に対しては、そのまま顎を開いて咬み付こうとしてくるカオスドラゴン。
「歯ァ食いしば、らなくていいか。とりあえずオラァッ!!」
奴の上門歯に向けて、必殺アヤトパーンチ!
カオスドラゴンの門歯の中心に打ち込み、粉々に砕く。
『ぐばcfoliがhbnぼべzshvえua!?』
上の門歯を砕かれたカオスドラゴンは、首を仰け反らせながらベッベッと門歯の破片を吐き出している。
「うわ、今の痛そう」
一部始終を見ていたエリンは、上唇に指先を添えて声を濁らせる。そう言えば俺が殴り飛ばしたバーロックも、歯がひどいことになってたなぁ。まだ生きてるかは知らんけど、餓死しようとギルドに捕まって処断されようと、知ったこっちゃないけど。
カオスドラゴンが怯んでいる内にピオンを抱きかかえて、クロナの近くまで飛び退く。
「クロナ!ピオンを頼む!」
「はいっ!」
まだ身体が麻痺毒に侵されて動けないピオンのことは、クロナに任せる。
「神経毒のブレスとは厄介な……だが!」
クインズは走り寄りながらトゥーハンドソードを振り上げ、カオスドラゴンの下顎を斬り上げて見せる。味方に当てたらスポーンと飛んでいきそうな斬り上げだな。
「えぇいッ!」
その反対側から回り込むエリンは、カオスドラゴンの左後ろ脚を斬り付けていく。一撃一撃は弱くとも、積み重なればいずれ致命傷になり得る。
『やkuhぞじvllc!』
カオスドラゴンは翼を羽ばたかせてその場から飛び退き、イニシアティブを取り直すようにクインズとエリンの挟み撃ちから逃れる。
が、それこそが俺の狙っていた隙だ。
「逃げられると思うな」
着地先へ向かって無影脚、その勢いのままロングソードを抱え込むようにして突撃、全身ごとぶつかるようにカオスドラゴンの右脇腹辺りへ刺突をぶち込む。
奇声を上げながら蹌踉めくカオスドラゴン。
おいおい、そこで蹌踉めかれても困るぞぅ?
「くたばれ」
ぶち込んだロングソードから手を離し、釘を打つように、その剣の柄尻に向かってアヤトパンチを叩き込む。
アヤトパンチと言う釘打ち機を打ち込まれたロングソードは、カオスドラゴンの右脇腹から真反対の左脇腹を貫通してズボーンと飛び抜けていった。
脇腹から脇腹に風穴を空けられたのは始めてだろう?
嫌がるように尻尾をめちゃくちゃに振り回すカオスドラゴンだが、しょせん悪あがきだ。
振り回される尻尾の棘を躱して、付け根近くを掴むと。
パンチ!鱗をへしゃげ潰して、
チョップ!骨をへし折って、
貫手!尻尾を引きちぎる。
『ぎえちゅwyiをごpgいじu!?』
カオスドラゴンはもがき苦しみながら文字通り、尻尾を巻いて逃れようとしている。
はっはっはっ、過去の異世界転生で虹色に輝く白い一角獣から伝授してもらった神拳は伊達では無いのだよ。
「素手で竜の尾を引きちぎるとは……いや、まだ見慣れていないだけか」
クインズがなんか良くない慣れ方で慣れようとしている。いやまぁ確かに、慣れたらエリンみたいに「なんかまたアヤトがとんでもないことやってる」ってなるかもしれんけど。
足を引きずりながらも、カオスドラゴンはこの場から逃げ出していく。
「逃さないよ」
エリンはその場から駆け出してカオスドラゴンを追おうとするが、制止させる。
「追わなくていい。どのみちあれだけ痛め付けられたんじゃ、長くは保たないはずだ。ここは一旦体勢を整えよう」
下手すると、あのまま放置していてもいずれ衰弱死するだろうけど、息の根が止まるのを確認したいので、追撃もしっかりするよ。
「うん、分かった」
俺の言葉を素直に聞いてくれるエリンは、頷いてエクスカリバーを鞘に納め、それを見てクインズもトゥーハンドソードを背中の鞘に納めて息を吐いている。
後方を見やれば、クロナによって麻痺から回復したピオンが立ち上がろうとしていたところだった。
さて、慌てずにじっくり追撃するとしよう。
入山口と言っても、山の中にさらに山があるようなものであり、複雑な地形によって魔物は容易に里に近付けない。
普段のこの季節なら、緑豊かで風光明媚な場所なのだが、生憎今は異常気象の大雪で真っ白けである。
そんな中、ピオンを先導してもらう形で、俺、エリン、クロナ、クインズの四人は雪山道を往く。
「足場が悪い上に、今は雪と凍結の影響で滑りやすいから、気を付けて」
注意喚起をしてくれるピオン。
万が一こんな高所から滑り落ちたりしたら……俺がちょっと全力を出せば助けられるけど、普通ならまず助からない。気を付けねば。
「ピオン、この霊峰の高地まではあとどのくらいだ?」
既にヴァレリオ霊峰と呼ばれる区域には入っているが、ハイリング草が自生している場所は、霊峰の高地にしか無いという。
「このペースなら、あと20分もかからないわ。もう魔物が出てきてもおかしくないのだけど、今日はこの間以上に静かね……不気味だわ」
「邪悪な気配が、かなり上の方から感じる。正確な高度は分からないが、頂上に近いかもしれない」
「やっぱり高地での戦闘になりそうね、教えてくれてありがとう」
もう間もなく、この霊峰に巣食う何者かとご対面だな。
どこのバカタレの仕業か知らんが、リザをウイルスに感染させた上に俺達の観光まで邪魔してくれやがった罰は、一律で極刑である。
「ジョンソンマスターからの依頼もあるとは言え、案内役をさせてすまない」
「別に構わないわよ。一昨日も言ったけど、霊峰がこんな異常気象のままじゃ、里の存亡に関わるもの。天然温泉を観光の目玉にしているなら、なおさらよ」
「どういうことだ?」
「知らなかったら教えてあげるけど……今、里の温泉は全部凍ってしまっているのよ」
「それはまた……」
マジかよ、温泉が凍るって相当だぞ。
いや、確かにそれくらい寒いけど。
「温泉が凍る……それは由々しき事態ですね」
クロナが深刻そうな顔をする。
彼女はスプリングスの里の温泉を誰よりも楽しみにしていたとは言え、里からすれば死活問題だ、由々しき事態と言うのも大袈裟な話ではない。
「でしょう?あたし達からしたら、フローリアンの英雄が来てくれたのは渡りに船だったのよ」
渡りに船、ねぇ……
偶然の一致である可能性も決してゼロでは無いが、あのマジキチが俺への復讐のために神殿や霊殿に呪いをかけ、魔王やインキュバスまで呼び寄せたりもしたのだ。
今回のこれも、マジキチが浄化し切れずに、俺への怨念としてこんな"嫌がらせ"をしているのかもしれない。
殺しても浄化しても削除してもめんどくせぇ女だな!?
逆に深読みすれば、スプリングスの里がこんな目に遭っているのも、俺のせいでもあるわけで……最悪、女神様に掛け合ってもらうことも考えておこう。
「いくら俺達がいると言っても、この霊峰は全くの初見で、土地勘も無いから、本来なら何もかも手探りで事に当たらなければならなかったんだ。ピオンが同行してくれるのは、本当にありがたい」
「別に、あたしじゃ無くてもこの霊峰に詳しい冒険者はいるんだから、それほどのことじゃ……」
「それでも、ジョンソンマスターが君に俺達のことを任せられると判断するくらいの力はあるってことだろう?だから、頼りにしている」
「っ……ほ、褒めたって何も出ないんだからねっ」
ぷいっとピオンはそっぽ(前)を向く。
ツンデレだ、ツンデレがここにいる。かわいい。
「またアヤトが人を誑し込んでる」
「まぁ、アヤト様ですし」
「私の時もこんな感じだったな……」
俺の後ろの三人からそんな物言いをされた。良い意味で本当のことを言っただけなのに、解せぬ。
ピオンの土地勘通り、20分ほど雪山道を歩いた辺りで、高地と認定される辺りの位置まで登ってきた。辺りはもう雲が近いな、頂上部は雲の上を突き抜けるだろう。
「う~……さすがに寒いね……」
息が真っ白になっちゃう、とエリンは自分の薄紅色のマントをあげて、マフラースカーフのように口元と首周りを覆う。マントだけでなく、保温性の高いヒートテックインナーも着用しているのだが、それでもこの寒さは凌ぎきれないようだ。
アトラスの町で購入した唐辛子を靴の中に入れているおかげで、靴の中は火照っているのだが、熱いのは足先ばかりなので、身体自体は縮こむように冷える。
「こうまで雪が積もっていると、ハイリング草を見つけ出すのも一苦労ね……」
げんなりしてそうに言うピオンだが、その仕草や挙動に隙は見られない。
この霊峰に潜む魔物がどこから現れてもいいように、神経を研ぎ澄ましているのだろう。
そう、気配も近い。
もう少し上の方から感じるが、そろそろ接敵してもおかしく……
「……ん?」
ふと、クインズは自分の足元を見て――バッと上を向いた。
「上だ!」
彼女の注意喚起と同時に、視界が翳った。
おっと、上から来るパターンか。
その影から慌てて飛び退くと、次の瞬間には巨躯が飛び降りて来て、雪煙を撒き散らしながら着地する。
真っ先に目についたのは、禍々しいカーキイエロー。
蝙蝠のような翼と翼爪、恐竜のように太い四肢と鉤爪、棘の生えた尻尾に細長い首、頭部はのっぺりした泥鰌のような形で二本のヒゲ、口には門歯がデカデカと主張する。
体表には鱗状の物体がびっしり並んでいるが、なんかこう……ドラゴンをベースに、恐竜と深海魚をミックスしたような、筆舌に尽くし難い外観の、"怪物"だ。
『あkthみwとhmbけgqlたhtbmsにろxabn!!』
恐らく威嚇を兼ねた咆哮のつもりだろうが、何語喋ってんのかよく分からん。
ロングソードを抜いて、と。
「こいつが、霊峰に潜んでいる魔物って奴ね」
ピオンは腰に備えていた弓を抜いて即座に矢を矢筒から引き抜いてつがえる。
「なんかまた変なのが出てきたね……」
エリンは、クインズがいた世界のオキザリス村で手に入れたエクスカリバーを抜き放つ。
「変と言っても、異常気象を起こすような魔物です。油断なりません」
「何であれやることは変わらん。こいつを討つまでだ」
クロナとクインズも、それぞれ鉄扇をトゥーハンドソードを抜いて身構える。
モンスター――仮称として『カオスドラゴン』とする――は、両眼をギョロつかせて、ジリジリと迫ってくる。
「射つ!」
火蓋を切り落とすは、ピオンの矢。
雪風斬り裂く矢は、カオスドラゴンの眼を狙った一射。
しかしカオスドラゴンはその巨躯に反した素早い動きでその場から飛び退き、ピオンの矢を躱した。
『なjqeほzhchさじhgqcfみa!』
奇怪極まる言語を吐き散らしながら、カオスドラゴンは飛び掛かり、ピオンを右前脚の鉤爪で引き裂こうと迫る。
「っと!」
ピオンはカオスドラゴンから目を切ることなく跳躍し、鉤爪の生えた右前脚を避ける。
叩き付けられた前脚は雪を派手に巻き上げる。膂力も強そうだな。
「せぇいッ!!」
叩き込まれた右前脚、そこへクインズが踏み込みながら身体を捻り、ぐるんと全身ごと打ち込むようにトゥーハンドソードを振り下ろす。
クインズの一閃がカオスドラゴンの右前脚を捉えると、剣の質量で押し潰すように鱗を斬り裂く。
『ちかokfbhごきkdいとqs!?』
鱗を破られ、肉を斬られただろうカオスドラゴンは狼狽えたように後退る。
「鉄壁の護りよ――『サークルディフェンサー』!」
すると、クロナから補助魔法が詠唱され、術者の彼女を含む全員に橙色の光が纏われる。
皮膚の硬質化――それも、全員に効果を齎す、指向性の広域魔法だな。
「攻めるっ!」
カオスドラゴンの狼狽えを見抜いたように、エリンは積雪を蹴って身体を前へ飛ばすと、懐へ飛び込んでエクスカリバーをカオスドラゴンの左脇腹辺りへ、何度も斬り込ませる。
『ぶbhnqxわzbeg!』
けれどエリンは深攻めもせず、カオスドラゴンの敵意が自分に向けられたことを悟るや否や攻撃の手を止めてすぐに飛び下がる。
そろそろ俺もいっとくか。
エリンの反対サイドへ縮地で回り込み、
「焼き薙ぎ払え――『地鬼焼葬』!」
魔法剣とは異なる火――青紫色の鬼火を纏わせた、大振りな薙ぎ払いを振るい、カオスドラゴンの腰に当たる部位を切り裂き、その内側を鬼火が焼灼する。
『くえtuioれakhばukenxほf!?』
うるせぇ何言ってるか分かんねぇよ、音出すなら人間に分かる言語使いやがれ。
「火は効くみたいね、それなら……」
俺が放った地鬼焼葬がカオスドラゴンに有効であるのを見てか、ピオンは再び矢をつがえ、その指先に火属性の朱い輝きが纏われ、鏃に火が点いたように燃え上がる。
「――『焔火』ッ!」
焔を纏った火矢が射たれ、カオスドラゴンの長い首に突き刺さると、刺さった部位を押し広げるように炸裂する。
ってか、いかにも火に強そうな見た目してんのに熱に弱いのかよ。
まぁ見た目に反するって言うのはよくあることだ。火が有効なモンスターも、亜種になると火に強くなった代わりに水に弱くなるのも、その一例だな。
『りcelqんlisちゅcnzhをi!!』
うっせーぞ分からん語で喋んな、分かる語でオケ。
どうやら怒ったらしいカオスドラゴンは、フシューフシューと鼻息を荒くし、興奮の影響なのか表面に血管のような筋が浮かび上がる。
元からよく分からん見た目してんのに、さらに分からんくなったな……
無駄に長い首をぐねぐねさせて辺りを睥睨し――直接攻撃していない故に弱いと見たのか、その睥睨がクロナに止まる。
「っ、私ですね……!」
奴の次の狙いが自分だと悟り、クロナは身構える。
「せchlnくhosrしょmd!」
カオスドラゴンは奇声を上げながらクロナに突進を仕掛ける。
こんな巨体にぶつかれば無事では済まない、クロナはその場からに駆け出して突進から逃れようとするが、カオスドラゴンは突進の途中で巨体を捻り、棘の生えた尻尾を勢いよくクロナに振るった。
「えっ!?」
動揺したものの、ほぼ咄嗟に鉄扇で防御し――しかし人間を複数人束にしたような太く強靭な尻尾は、鉄扇もろともクロナを強かに打ち据える。
「くっ、ぅっ……!」
「クロナさんっ!」
派手に吹き飛ばされ、雪の上を何度もバウンドするクロナに、エリンが慌てて助け起こそうとする。
『ししneusごruahあofvq!』
そこへ追い打ちを掛けようとカオスドラゴンが飛び掛かろうとするが、
「私を忘れてもらっては困る、なッ!」
カオスドラゴンの横合いからクインズは、駆け寄りながらトゥーハンドソードを地面に突き立てて棒高跳びのように飛び上がり、無防備を晒していた奴の左側頭部辺りにトゥーハンドソードを勢いよく叩き込み、斬り裂く。運動神経すげぇな。
『こrcxgきzoghuはじcexぶぇェea!?』
カオスドラゴンは悲鳴っぽい声を上げながら蹌踉めく。
「でえぇぇぇぃッ!!」
着地、と同時に軸足を入れ替えながら身体ごと回転させつつトゥーハンドソードを薙ぎ払い、さらにカオスドラゴンの左後ろ足の鱗を斬り飛ばす。
「ついでにもう一発、――焔火!」
その上からピオンの火矢が逆に追い打ちをかけ、カオスドラゴンの首に刺さり、炸裂させる。
「おまけもあるぞ、――フレイムランス」
俺からもフレイムランスを詠唱し、クインズを巻き込まないようにカオスドラゴンの右翼に炎の槍をぶち込み、右翼の翼膜を焼き貫く。
『くぇrちyiいおochtうびukbenげa!?』
やかましい!ゲームの人工知能じゃあるまいしゴチャゴチャ喚くな!
クインズの重撃、ピオンの焔火、俺のフレイムランスの3連コンボを受けたカオスドラゴンはめちゃくちゃに身体を暴れさせ、その拍子に斬りかかろうとしたクインズを弾き飛ばした。
「ぐっ……なんのっ」
とは言え動けないような怪我は負わなかったか、すぐに立ち上がってみせた。クロナの補助魔法のおかげもあるな。
「――ファイアボール!」
カオスドラゴンが暴れて近付けないために、クロナを助け起こしたらしいエリンもファイアボールを詠唱し、火球を撃ち込むが、あまり効いている様子は見えない。
「……うーん、魔法ももうちょっと練習しないと」
自分が放ったファイアボールの威力が弱いことに、エリンは眉をひそめる。
エリンは剣士としての前衛がメインなんだし、そもそも攻撃魔法による火力支援は、今ここにはいない魔法使いであるリザの専売特許みたいなもんだし、そこまで気にすることも無いんだがな。
まぁ今みたいな状況もあれば、出来るだけ強い攻撃魔法が使えるに越したことはないか。
「――ヒール!」
エリンに助け起こしてもらったクロナは、すぐさまダメージを受けたクインズにヒールを放つ。
「助かる」
クインズは目線だけクロナに向けて感謝すると、再度カオスドラゴンへ肉迫する。
ピオンもカオスドラゴンの巨躯に巻き込まれないように立ち回りつつ、何発も矢を放っている。
『こnwthゆkjaぴeuz!』
ふと、カオスドラゴンが大きく息を吸い込む――ブレスか?
「気を付けろ、ブレスだ!」
「むっ」
俺の注意喚起をうけて、クインズは肉迫前進を止めてカオスドラゴンの正面から飛び退く。
「っ!」
ピオンも一歩遅れてカオスドラゴンから距離を取るが、カオスドラゴンは首を振り下ろし――濁った黄土色っぽいブレスを放射状に吐き出した。
吹雪ブレスじゃない?
だが、回避運動を取っていたピオンに、僅かにその黄土色のブレスが届くと、
「いっ!?あぁっ、かっ、は……っ!?」
突如、ピオンはビクンビクンと激しく身体を痙攣させながら、その場に横たわってしまう。
――あれは麻痺のブレスか!
しかもブレスが通用したと思ったか、カオスドラゴンはピオンに向かって飛び掛かり、前脚の鉤爪を振り下ろそうとしている。
「――させるか!」
瞬時、カオスドラゴンの鼻先に縮地して回り込む。
目の前に突然現れた俺に対しては、そのまま顎を開いて咬み付こうとしてくるカオスドラゴン。
「歯ァ食いしば、らなくていいか。とりあえずオラァッ!!」
奴の上門歯に向けて、必殺アヤトパーンチ!
カオスドラゴンの門歯の中心に打ち込み、粉々に砕く。
『ぐばcfoliがhbnぼべzshvえua!?』
上の門歯を砕かれたカオスドラゴンは、首を仰け反らせながらベッベッと門歯の破片を吐き出している。
「うわ、今の痛そう」
一部始終を見ていたエリンは、上唇に指先を添えて声を濁らせる。そう言えば俺が殴り飛ばしたバーロックも、歯がひどいことになってたなぁ。まだ生きてるかは知らんけど、餓死しようとギルドに捕まって処断されようと、知ったこっちゃないけど。
カオスドラゴンが怯んでいる内にピオンを抱きかかえて、クロナの近くまで飛び退く。
「クロナ!ピオンを頼む!」
「はいっ!」
まだ身体が麻痺毒に侵されて動けないピオンのことは、クロナに任せる。
「神経毒のブレスとは厄介な……だが!」
クインズは走り寄りながらトゥーハンドソードを振り上げ、カオスドラゴンの下顎を斬り上げて見せる。味方に当てたらスポーンと飛んでいきそうな斬り上げだな。
「えぇいッ!」
その反対側から回り込むエリンは、カオスドラゴンの左後ろ脚を斬り付けていく。一撃一撃は弱くとも、積み重なればいずれ致命傷になり得る。
『やkuhぞじvllc!』
カオスドラゴンは翼を羽ばたかせてその場から飛び退き、イニシアティブを取り直すようにクインズとエリンの挟み撃ちから逃れる。
が、それこそが俺の狙っていた隙だ。
「逃げられると思うな」
着地先へ向かって無影脚、その勢いのままロングソードを抱え込むようにして突撃、全身ごとぶつかるようにカオスドラゴンの右脇腹辺りへ刺突をぶち込む。
奇声を上げながら蹌踉めくカオスドラゴン。
おいおい、そこで蹌踉めかれても困るぞぅ?
「くたばれ」
ぶち込んだロングソードから手を離し、釘を打つように、その剣の柄尻に向かってアヤトパンチを叩き込む。
アヤトパンチと言う釘打ち機を打ち込まれたロングソードは、カオスドラゴンの右脇腹から真反対の左脇腹を貫通してズボーンと飛び抜けていった。
脇腹から脇腹に風穴を空けられたのは始めてだろう?
嫌がるように尻尾をめちゃくちゃに振り回すカオスドラゴンだが、しょせん悪あがきだ。
振り回される尻尾の棘を躱して、付け根近くを掴むと。
パンチ!鱗をへしゃげ潰して、
チョップ!骨をへし折って、
貫手!尻尾を引きちぎる。
『ぎえちゅwyiをごpgいじu!?』
カオスドラゴンはもがき苦しみながら文字通り、尻尾を巻いて逃れようとしている。
はっはっはっ、過去の異世界転生で虹色に輝く白い一角獣から伝授してもらった神拳は伊達では無いのだよ。
「素手で竜の尾を引きちぎるとは……いや、まだ見慣れていないだけか」
クインズがなんか良くない慣れ方で慣れようとしている。いやまぁ確かに、慣れたらエリンみたいに「なんかまたアヤトがとんでもないことやってる」ってなるかもしれんけど。
足を引きずりながらも、カオスドラゴンはこの場から逃げ出していく。
「逃さないよ」
エリンはその場から駆け出してカオスドラゴンを追おうとするが、制止させる。
「追わなくていい。どのみちあれだけ痛め付けられたんじゃ、長くは保たないはずだ。ここは一旦体勢を整えよう」
下手すると、あのまま放置していてもいずれ衰弱死するだろうけど、息の根が止まるのを確認したいので、追撃もしっかりするよ。
「うん、分かった」
俺の言葉を素直に聞いてくれるエリンは、頷いてエクスカリバーを鞘に納め、それを見てクインズもトゥーハンドソードを背中の鞘に納めて息を吐いている。
後方を見やれば、クロナによって麻痺から回復したピオンが立ち上がろうとしていたところだった。
さて、慌てずにじっくり追撃するとしよう。
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