【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

文字の大きさ
42 / 72
第五章 凍て付いた里のツンデレ狩人

42話 吹き荒れる雪月花

しおりを挟む
 ヴァレリオ霊峰への入山口は、スプリングスの里から徒歩で僅か一時間で到着するほど、地域に密接した狩り場だ。
 入山口と言っても、山の中にさらに山があるようなものであり、複雑な地形によって魔物は容易に里に近付けない。

 普段のこの季節なら、緑豊かで風光明媚な場所なのだが、生憎今は異常気象の大雪で真っ白けである。

 そんな中、ピオンを先導してもらう形で、俺、エリン、クロナ、クインズの四人は雪山道を往く。

「足場が悪い上に、今は雪と凍結の影響で滑りやすいから、気を付けて」

 注意喚起をしてくれるピオン。
 万が一こんな高所から滑り落ちたりしたら……俺がちょっと全力を出せば助けられるけど、普通ならまず助からない。気を付けねば。

「ピオン、この霊峰の高地まではあとどのくらいだ?」

 既にヴァレリオ霊峰と呼ばれる区域には入っているが、ハイリング草が自生している場所は、霊峰の高地にしか無いという。

「このペースなら、あと20分もかからないわ。もう魔物が出てきてもおかしくないのだけど、今日はこの間以上に静かね……不気味だわ」

「邪悪な気配が、かなり上の方から感じる。正確な高度は分からないが、頂上に近いかもしれない」

「やっぱり高地での戦闘になりそうね、教えてくれてありがとう」

 もう間もなく、この霊峰に巣食う何者かとご対面だな。
 どこのバカタレの仕業か知らんが、リザをウイルスに感染させた上に俺達の観光まで邪魔してくれやがった罰は、一律で極刑である。

「ジョンソンマスターからの依頼もあるとは言え、案内役をさせてすまない」

「別に構わないわよ。一昨日も言ったけど、霊峰がこんな異常気象のままじゃ、里の存亡に関わるもの。天然温泉を観光の目玉にしているなら、なおさらよ」

「どういうことだ?」

「知らなかったら教えてあげるけど……今、里の温泉は全部凍ってしまっているのよ」

「それはまた……」

 マジかよ、温泉が凍るって相当だぞ。
 いや、確かにそれくらい寒いけど。

「温泉が凍る……それは由々しき事態ですね」

 クロナが深刻そうな顔をする。
 彼女はスプリングスの里の温泉を誰よりも楽しみにしていたとは言え、里からすれば死活問題だ、由々しき事態と言うのも大袈裟な話ではない。

「でしょう?あたし達からしたら、フローリアンの英雄が来てくれたのは渡りに船だったのよ」

 渡りに船、ねぇ……
 偶然の一致である可能性も決してゼロでは無いが、あのマジキチアリスが俺への復讐のために神殿や霊殿に呪いをかけ、魔王やインキュバスまで呼び寄せたりもしたのだ。
 今回のこれも、マジキチが浄化し切れずに、俺への怨念としてこんな"嫌がらせ"をしているのかもしれない。

 殺しても浄化しても削除してもめんどくせぇ女だな!?

 逆に深読みすれば、スプリングスの里がこんな目に遭っているのも、俺のせいでもあるわけで……最悪、女神様に掛け合ってもらうことも考えておこう。

「いくら俺達がいると言っても、この霊峰は全くの初見で、土地勘も無いから、本来なら何もかも手探りで事に当たらなければならなかったんだ。ピオンが同行してくれるのは、本当にありがたい」

「別に、あたしじゃ無くてもこの霊峰に詳しい冒険者はいるんだから、それほどのことじゃ……」

「それでも、ジョンソンマスターが君に俺達のことを任せられると判断するくらいの力はあるってことだろう?だから、頼りにしている」

「っ……ほ、褒めたって何も出ないんだからねっ」

 ぷいっとピオンはそっぽ(前)を向く。

 ツンデレだ、ツンデレがここにいる。かわいい。

「またアヤトが人を誑し込んでる」

「まぁ、アヤト様ですし」

「私の時もこんな感じだったな……」

 俺の後ろの三人からそんな物言いをされた。良い意味で本当のことを言っただけなのに、解せぬ。



 ピオンの土地勘通り、20分ほど雪山道を歩いた辺りで、高地と認定される辺りの位置まで登ってきた。辺りはもう雲が近いな、頂上部は雲の上を突き抜けるだろう。

「う~……さすがに寒いね……」

 息が真っ白になっちゃう、とエリンは自分の薄紅色のマントをあげて、マフラースカーフのように口元と首周りを覆う。マントだけでなく、保温性の高いヒートテックインナーも着用しているのだが、それでもこの寒さは凌ぎきれないようだ。
 アトラスの町で購入した唐辛子を靴の中に入れているおかげで、靴の中は火照っているのだが、熱いのは足先ばかりなので、身体自体は縮こむように冷える。

「こうまで雪が積もっていると、ハイリング草を見つけ出すのも一苦労ね……」

 げんなりしてそうに言うピオンだが、その仕草や挙動に隙は見られない。
 この霊峰に潜む魔物がどこから現れてもいいように、神経を研ぎ澄ましているのだろう。

 そう、気配も近い。
 もう少し上の方から感じるが、そろそろ接敵してもおかしく……

「……ん?」

 ふと、クインズは自分の足元を見て――バッと上を向いた。

「上だ!」

 彼女の注意喚起と同時に、視界が翳った。

 おっと、上から来るパターンか。

 その影から慌てて飛び退くと、次の瞬間には巨躯が飛び降りて来て、雪煙を撒き散らしながら着地する。

 真っ先に目についたのは、禍々しいカーキイエロー。

 蝙蝠のような翼と翼爪、恐竜のように太い四肢と鉤爪、棘の生えた尻尾に細長い首、頭部はのっぺりした泥鰌どじょうのような形で二本のヒゲ、口には門歯がデカデカと主張する。

 体表には鱗状の物体がびっしり並んでいるが、なんかこう……ドラゴンをベースに、恐竜と深海魚をミックスしたような、筆舌に尽くし難い外観の、"怪物モンスター"だ。

『あkthみwとhmbけgqlたhtbmsにろxabn!!』

 恐らく威嚇を兼ねた咆哮のつもりだろうが、何語喋ってんのかよく分からん。
 ロングソードを抜いて、と。

「こいつが、霊峰に潜んでいる魔物って奴ね」

 ピオンは腰に備えていた弓を抜いて即座に矢を矢筒から引き抜いてつがえる。

「なんかまた変なのが出てきたね……」

 エリンは、クインズがいた世界のオキザリス村で手に入れたエクスカリバーを抜き放つ。

「変と言っても、異常気象を起こすような魔物です。油断なりません」

「何であれやることは変わらん。こいつを討つまでだ」



 クロナとクインズも、それぞれ鉄扇をトゥーハンドソードを抜いて身構える。

 モンスター――仮称として『カオスドラゴン』とする――は、両眼をギョロつかせて、ジリジリと迫ってくる。

「射つ!」

 火蓋を切り落とすは、ピオンの矢。
 雪風斬り裂く矢は、カオスドラゴンの眼を狙った一射。
 しかしカオスドラゴンはその巨躯に反した素早い動きでその場から飛び退き、ピオンの矢を躱した。

『なjqeほzhchさじhgqcfみa!』

 奇怪極まる言語を吐き散らしながら、カオスドラゴンは飛び掛かり、ピオンを右前脚の鉤爪で引き裂こうと迫る。

「っと!」

 ピオンはカオスドラゴンから目を切ることなく跳躍し、鉤爪の生えた右前脚を避ける。
 叩き付けられた前脚は雪を派手に巻き上げる。膂力も強そうだな。

「せぇいッ!!」

 叩き込まれた右前脚、そこへクインズが踏み込みながら身体を捻り、ぐるんと全身ごと打ち込むようにトゥーハンドソードを振り下ろす。
 クインズの一閃がカオスドラゴンの右前脚を捉えると、剣の質量で押し潰すように鱗を斬り裂く。

『ちかokfbhごきkdいとqs!?』

 鱗を破られ、肉を斬られただろうカオスドラゴンは狼狽えたように後退る。

「鉄壁の護りよ――『サークルディフェンサー』!」

 すると、クロナから補助魔法が詠唱され、術者の彼女を含む全員に橙色の光が纏われる。
 皮膚の硬質化――それも、全員に効果を齎す、指向性の広域魔法だな。

「攻めるっ!」

 カオスドラゴンの狼狽えを見抜いたように、エリンは積雪を蹴って身体を前へ飛ばすと、懐へ飛び込んでエクスカリバーをカオスドラゴンの左脇腹辺りへ、何度も斬り込ませる。

『ぶbhnqxわzbeg!』

 けれどエリンは深攻めもせず、カオスドラゴンの敵意が自分に向けられたことを悟るや否や攻撃の手を止めてすぐに飛び下がる。

 そろそろ俺もいっとくか。

 エリンの反対サイドへ縮地で回り込み、

「焼き薙ぎ払え――『地鬼焼葬じきしょうそう』!」

 魔法剣とは異なる火――青紫色の鬼火を纏わせた、大振りな薙ぎ払いを振るい、カオスドラゴンの腰に当たる部位を切り裂き、その内側を鬼火が焼灼する。

『くえtuioれakhばukenxほf!?』

 うるせぇ何言ってるか分かんねぇよ、音出すなら人間に分かる言語使いやがれ。

「火は効くみたいね、それなら……」

 俺が放った地鬼焼葬がカオスドラゴンに有効であるのを見てか、ピオンは再び矢をつがえ、その指先に火属性の朱い輝きが纏われ、鏃に火が点いたように燃え上がる。

「――『焔火ほむらび』ッ!」

 焔を纏った火矢が射たれ、カオスドラゴンの長い首に突き刺さると、刺さった部位を押し広げるように炸裂する。
 ってか、いかにも火に強そうな見た目してんのに熱に弱いのかよ。

 まぁ見た目に反するって言うのはよくあることだ。火が有効なモンスターも、亜種になると火に強くなった代わりに水に弱くなるのも、その一例だな。

『りcelqんlisちゅcnzhをi!!』

 うっせーぞ分からん語で喋んな、分かる語でオケ。

 どうやら怒ったらしいカオスドラゴンは、フシューフシューと鼻息を荒くし、興奮の影響なのか表面に血管のような筋が浮かび上がる。
 元からよく分からん見た目してんのに、さらに分からんくなったな……

 無駄に長い首をぐねぐねさせて辺りを睥睨し――直接攻撃していない故に弱いと見たのか、その睥睨がクロナに止まる。

「っ、私ですね……!」

 奴の次の狙いが自分だと悟り、クロナは身構える。

「せchlnくhosrしょmd!」

 カオスドラゴンは奇声を上げながらクロナに突進を仕掛ける。
 こんな巨体にぶつかれば無事では済まない、クロナはその場からに駆け出して突進から逃れようとするが、カオスドラゴンは突進の途中で巨体を捻り、棘の生えた尻尾を勢いよくクロナに振るった。

「えっ!?」

 動揺したものの、ほぼ咄嗟に鉄扇で防御し――しかし人間を複数人束にしたような太く強靭な尻尾は、鉄扇もろともクロナを強かに打ち据える。

「くっ、ぅっ……!」

「クロナさんっ!」

 派手に吹き飛ばされ、雪の上を何度もバウンドするクロナに、エリンが慌てて助け起こそうとする。

『ししneusごruahあofvq!』

 そこへ追い打ちを掛けようとカオスドラゴンが飛び掛かろうとするが、

「私を忘れてもらっては困る、なッ!」

 カオスドラゴンの横合いからクインズは、駆け寄りながらトゥーハンドソードを地面に突き立てて棒高跳びのように飛び上がり、無防備を晒していた奴の左側頭部辺りにトゥーハンドソードを勢いよく叩き込み、斬り裂く。運動神経すげぇな。

『こrcxgきzoghuはじcexぶぇェea!?』

 カオスドラゴンは悲鳴っぽい声を上げながら蹌踉めく。

「でえぇぇぇぃッ!!」

 着地、と同時に軸足を入れ替えながら身体ごと回転させつつトゥーハンドソードを薙ぎ払い、さらにカオスドラゴンの左後ろ足の鱗を斬り飛ばす。

「ついでにもう一発、――焔火!」

 その上からピオンの火矢が逆に追い打ちをかけ、カオスドラゴンの首に刺さり、炸裂させる。

「おまけもあるぞ、――フレイムランス」

 俺からもフレイムランスを詠唱し、クインズを巻き込まないようにカオスドラゴンの右翼に炎の槍をぶち込み、右翼の翼膜を焼き貫く。

『くぇrちyiいおochtうびukbenげa!?』

 やかましい!ゲームの人工知能じゃあるまいしゴチャゴチャ喚くな!

 クインズの重撃、ピオンの焔火、俺のフレイムランスの3連コンボを受けたカオスドラゴンはめちゃくちゃに身体を暴れさせ、その拍子に斬りかかろうとしたクインズを弾き飛ばした。

「ぐっ……なんのっ」

 とは言え動けないような怪我は負わなかったか、すぐに立ち上がってみせた。クロナの補助魔法のおかげもあるな。

「――ファイアボール!」

 カオスドラゴンが暴れて近付けないために、クロナを助け起こしたらしいエリンもファイアボールを詠唱し、火球を撃ち込むが、あまり効いている様子は見えない。

「……うーん、魔法ももうちょっと練習しないと」

 自分が放ったファイアボールの威力が弱いことに、エリンは眉をひそめる。
 エリンは剣士としての前衛がメインなんだし、そもそも攻撃魔法による火力支援は、今ここにはいない魔法使いであるリザの専売特許みたいなもんだし、そこまで気にすることも無いんだがな。
 まぁ今みたいな状況もあれば、出来るだけ強い攻撃魔法が使えるに越したことはないか。

「――ヒール!」

 エリンに助け起こしてもらったクロナは、すぐさまダメージを受けたクインズにヒールを放つ。

「助かる」

 クインズは目線だけクロナに向けて感謝すると、再度カオスドラゴンへ肉迫する。
 ピオンもカオスドラゴンの巨躯に巻き込まれないように立ち回りつつ、何発も矢を放っている。

『こnwthゆkjaぴeuz!』

 ふと、カオスドラゴンが大きく息を吸い込む――ブレスか?

「気を付けろ、ブレスだ!」

「むっ」

 俺の注意喚起をうけて、クインズは肉迫前進を止めてカオスドラゴンの正面から飛び退く。

「っ!」

 ピオンも一歩遅れてカオスドラゴンから距離を取るが、カオスドラゴンは首を振り下ろし――濁った黄土色っぽいブレスを放射状に吐き出した。
 吹雪ブレスじゃない?

 だが、回避運動を取っていたピオンに、僅かにその黄土色のブレスが届くと、

「いっ!?あぁっ、かっ、は……っ!?」

 突如、ピオンはビクンビクンと激しく身体を痙攣させながら、その場に横たわってしまう。

 ――あれは麻痺のブレスか!

 しかもブレスが通用したと思ったか、カオスドラゴンはピオンに向かって飛び掛かり、前脚の鉤爪を振り下ろそうとしている。

「――させるか!」

 瞬時、カオスドラゴンの鼻先に縮地して回り込む。
 目の前に突然現れた俺に対しては、そのまま顎を開いて咬み付こうとしてくるカオスドラゴン。

「歯ァ食いしば、らなくていいか。とりあえずオラァッ!!」

 奴の上門歯に向けて、必殺アヤトパーンチ!
 カオスドラゴンの門歯の中心に打ち込み、粉々に砕く。

『ぐばcfoliがhbnぼべzshvえua!?』

 上の門歯を砕かれたカオスドラゴンは、首を仰け反らせながらベッベッと門歯の破片を吐き出している。

「うわ、今の痛そう」

 一部始終を見ていたエリンは、上唇に指先を添えて声を濁らせる。そう言えば俺が殴り飛ばしたバーロックも、歯がひどいことになってたなぁ。まだ生きてるかは知らんけど、餓死しようとギルドに捕まって処断されようと、知ったこっちゃないけど。

 カオスドラゴンが怯んでいる内にピオンを抱きかかえて、クロナの近くまで飛び退く。

「クロナ!ピオンを頼む!」

「はいっ!」

 まだ身体が麻痺毒に侵されて動けないピオンのことは、クロナに任せる。

「神経毒のブレスとは厄介な……だが!」

 クインズは走り寄りながらトゥーハンドソードを振り上げ、カオスドラゴンの下顎を斬り上げて見せる。味方に当てたらスポーンと飛んでいきそうな斬り上げだな。

「えぇいッ!」

 その反対側から回り込むエリンは、カオスドラゴンの左後ろ脚を斬り付けていく。一撃一撃は弱くとも、積み重なればいずれ致命傷になり得る。

『やkuhぞじvllc!』

 カオスドラゴンは翼を羽ばたかせてその場から飛び退き、イニシアティブを取り直すようにクインズとエリンの挟み撃ちから逃れる。

 が、それこそが俺の狙っていた隙だ。

「逃げられると思うな」

 着地先へ向かって無影脚、その勢いのままロングソードを抱え込むようにして突撃、全身ごとぶつかるようにカオスドラゴンの右脇腹辺りへ刺突をぶち込む。

 奇声を上げながら蹌踉めくカオスドラゴン。
 おいおい、そこで蹌踉めかれても困るぞぅ?

「くたばれ」

 ぶち込んだロングソードから手を離し、釘を打つように、その剣の柄尻に向かってアヤトパンチを叩き込む。
 アヤトパンチと言う釘打ち機を打ち込まれたロングソードは、カオスドラゴンの右脇腹から真反対の左脇腹を貫通してズボーンと飛び抜けていった。

 脇腹から脇腹に風穴を空けられたのは始めてだろう?
 嫌がるように尻尾をめちゃくちゃに振り回すカオスドラゴンだが、しょせん悪あがきだ。

 振り回される尻尾の棘を躱して、付け根近くを掴むと。

 パンチ!鱗をへしゃげ潰して、

 チョップ!骨をへし折って、

 貫手!尻尾を引きちぎる。
 
『ぎえちゅwyiをごpgいじu!?』

 カオスドラゴンはもがき苦しみながら文字通り、尻尾を巻いて逃れようとしている。
 
 はっはっはっ、過去の異世界転生で虹色に輝く白い一角獣から伝授してもらった神拳は伊達では無いのだよ。

「素手で竜の尾を引きちぎるとは……いや、まだ見慣れていないだけか」

 クインズがなんか良くない慣れ方で慣れようとしている。いやまぁ確かに、慣れたらエリンみたいに「なんかまたアヤトがとんでもないことやってる」ってなるかもしれんけど。

 足を引きずりながらも、カオスドラゴンはこの場から逃げ出していく。

「逃さないよ」

 エリンはその場から駆け出してカオスドラゴンを追おうとするが、制止させる。

「追わなくていい。どのみちあれだけ痛め付けられたんじゃ、長くは保たないはずだ。ここは一旦体勢を整えよう」

 下手すると、あのまま放置していてもいずれ衰弱死するだろうけど、息の根が止まるのを確認したいので、追撃もしっかりするよ。

「うん、分かった」

 俺の言葉を素直に聞いてくれるエリンは、頷いてエクスカリバーを鞘に納め、それを見てクインズもトゥーハンドソードを背中の鞘に納めて息を吐いている。

 後方を見やれば、クロナによって麻痺から回復したピオンが立ち上がろうとしていたところだった。
 さて、慌てずにじっくり追撃するとしよう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

処理中です...