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お願いします、クリス先生
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俺とシャルが学問所で子ども達を相手に授業をするようになって数日。
子ども達はみんな毎回の授業を楽しんで受けているし、シャルの方も、彼女が担当する幼児達の識字率が高まっているとのこと。
しかしながら毎日授業をするわけではなく、一週間の内の三、四日程度の回数にしている。
敢えて回数を減らし、それも間を置きつつのペースにしているのは、子ども達に『学べる環境は当たり前にあるものではない』ことを教えるためでもある。
前世の日本では義務教育制度があるからか、『学校に行くことが当たり前』な認識がある。
教養の他には集団生活の慣れや、規則を守る中での活動と言った、社会的な事柄を学ばせるわけでもあるんだが、他人同士の集団生活と言うのは遅かれ早かれ"派閥"が出来てしまう。
派閥に属する者は、外部からの存在に対して排他的になりがちになる。
そうした派閥の形成が"仲間外れ"を生み出し、やがてそれが"いじめ"に繋がる。
その"いじめ"が不登校や自殺を招く。
……結局のところ、ヤ○ザな組織の抗争や、政界の足の引っ張り合いも、それの延長でしかないと俺は思う。
アイデンティティを形成する期間の内からそれなんだ、大人になって社会に出ても、それが当たり前の中で生きてきたんだから、しょーもないことをやらかすんだろうさ。
話を戻せば、このサダルスウドの学問所に通う子ども達は少人数で、村というある種閉鎖的な環境の中では、そう言ったことが起こり得る可能性は低いだろうが、何かの拍子に子どもの中に派閥的な認識が芽生えないとも限らない。
ハブラレルーヤはあかんで、みんな仲良くね。
で。
授業の無い日に俺とシャルが何をしているのかと聞けば、教室や居住区の掃除はもちろんだが、学問所の中のことだけではない。
食品や雑貨の買い出しもあるし、村人達との交流もあるし、まぁ色々とあるんだが、その中でも代表的なのが……
「それではお願いします、クリス先生」
「お願いします、クリス先生っ」
学問所の日当たりの良い空き地で、薄着でタオルを首に巻き、麦わら帽子をかぶった俺とシャルは、クリスさんに深々と頭を下げた。
「はい、よろしくお願いします」
クリスさんも同じく頭を下げる。
つまり、農業の体験授業である!
ベン村長とその奥さん、クリスさんとの都合を擦り合わせて、週に二日ほどクリスさんが俺とシャルに畑の耕し方や、作物の育て方をレクチャーしてくださるのだ。
無論、学問所での授業料として、授業を受けに来る子どもの親御さんからいくらかの金銭はいただいているので、生活苦になるようなことは今のところはない。
でも自然豊かな村なんだ、野菜を自分で作ってみたいとも思うし、その穫れた野菜でご飯を作ったり、村の皆さんと物々交換が出来たら楽しくない?と言うのもあって、こうしてクリスさんに教えを請うてるわけだ。
昨日はちと曇っていたが、今日はなんとか晴れてくれた。
さぁ、さくさくやっていこう。
子ども達はみんな毎回の授業を楽しんで受けているし、シャルの方も、彼女が担当する幼児達の識字率が高まっているとのこと。
しかしながら毎日授業をするわけではなく、一週間の内の三、四日程度の回数にしている。
敢えて回数を減らし、それも間を置きつつのペースにしているのは、子ども達に『学べる環境は当たり前にあるものではない』ことを教えるためでもある。
前世の日本では義務教育制度があるからか、『学校に行くことが当たり前』な認識がある。
教養の他には集団生活の慣れや、規則を守る中での活動と言った、社会的な事柄を学ばせるわけでもあるんだが、他人同士の集団生活と言うのは遅かれ早かれ"派閥"が出来てしまう。
派閥に属する者は、外部からの存在に対して排他的になりがちになる。
そうした派閥の形成が"仲間外れ"を生み出し、やがてそれが"いじめ"に繋がる。
その"いじめ"が不登校や自殺を招く。
……結局のところ、ヤ○ザな組織の抗争や、政界の足の引っ張り合いも、それの延長でしかないと俺は思う。
アイデンティティを形成する期間の内からそれなんだ、大人になって社会に出ても、それが当たり前の中で生きてきたんだから、しょーもないことをやらかすんだろうさ。
話を戻せば、このサダルスウドの学問所に通う子ども達は少人数で、村というある種閉鎖的な環境の中では、そう言ったことが起こり得る可能性は低いだろうが、何かの拍子に子どもの中に派閥的な認識が芽生えないとも限らない。
ハブラレルーヤはあかんで、みんな仲良くね。
で。
授業の無い日に俺とシャルが何をしているのかと聞けば、教室や居住区の掃除はもちろんだが、学問所の中のことだけではない。
食品や雑貨の買い出しもあるし、村人達との交流もあるし、まぁ色々とあるんだが、その中でも代表的なのが……
「それではお願いします、クリス先生」
「お願いします、クリス先生っ」
学問所の日当たりの良い空き地で、薄着でタオルを首に巻き、麦わら帽子をかぶった俺とシャルは、クリスさんに深々と頭を下げた。
「はい、よろしくお願いします」
クリスさんも同じく頭を下げる。
つまり、農業の体験授業である!
ベン村長とその奥さん、クリスさんとの都合を擦り合わせて、週に二日ほどクリスさんが俺とシャルに畑の耕し方や、作物の育て方をレクチャーしてくださるのだ。
無論、学問所での授業料として、授業を受けに来る子どもの親御さんからいくらかの金銭はいただいているので、生活苦になるようなことは今のところはない。
でも自然豊かな村なんだ、野菜を自分で作ってみたいとも思うし、その穫れた野菜でご飯を作ったり、村の皆さんと物々交換が出来たら楽しくない?と言うのもあって、こうしてクリスさんに教えを請うてるわけだ。
昨日はちと曇っていたが、今日はなんとか晴れてくれた。
さぁ、さくさくやっていこう。
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