【完結】可愛い義妹のためならば 〜超絶シスコン兄貴の異世界無双〜

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

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授業開始

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ここ最近の俺とシャルの朝は、ほぼ一定化しつつある。
 シャルは俺よりも早く起き出して、レイピアの素振りで自己鍛錬。
 その俺はシャルが鍛錬から帰ってくる間に、顔を洗ったり朝飯を作っておく。

 そして朝食を食べ終えて後片付けを終えたら、今日から始まることがある。

 そう、学問所の授業開始である。

 昨日にベン村長が村に触れ回ってくれたおかげか、子ども達はみんな俺やシャルの授業を楽しみにしてくれているとのこと。
 うーん、楽しみにしてくれるのは嬉しいんだが、プレッシャーかかるわ。
 まぁ今さらプレッシャーなんか感じても仕方ない、とにかくなるようになるだけだ。

「そろそろ時間ですね……」

 シャルも緊張している。

「そう構えるなよシャル。自分の思うような授業をやってみて、生徒の話や訴えをよく聞いて、それに出来るだけ応えていくんだ」

 努めて気楽そうにそう声を掛けてやる俺だが、かくいう俺も緊張しているんだよ。

「よし、やるか」

「はいっ」

 意を決して、俺は学問所の出入り口を開けた。
 ドアの前に集まるのは、村の子ども達の集まり。

「あっ、アルフせんせーだ!」

「シャルせんせーも一緒だ!」

「アルフせんせー!」

「シャルせんせー!」

 子ども達は口々に俺とシャルを先生と呼んでくる。
 俺は咳払いをして、パンパンと手を鳴らしてみせる。
 イメージは、昔見てた低年齢層向けのスタジオ番組に出てくるお兄さんだ。

「はーいみんな、おはようございます!」

「「「「「おはようございまーす!」」」」」

 元気良く挨拶して、それにすぐ返ってくる挨拶。
 いいぞ、掴みはこんなところか。

「今日からみんなの新しい先生になる、アルフ先生だよー!そしてそして、こっちは小さい子達の先生になる、シャル先生だ!」

 トン、とシャルの肩を軽く叩いてやる。
 耳元で、「俺の真似をすればいい」と囁けば、シャルは力強く頷く。

「み……みなさーん!わたしはシャル先生ですよー!これから!よろしくお願いしまーす!」

「「「「「よろしくお願いしまーす!」」」」」

 概ね、好感触のようで何よりだ。

「さてさて、文字や数字の勉強がしたい年少の子は、シャル先生の教室に。ちょっぴり難しい勉強がしたい年長さんは、俺の教室に、それぞれ来てねー!」

 ここで、子ども達が受ける授業の仕分けだ。

 クリスさんが言っていた通り、まだ5、6歳の子はトテトテとシャルの方に向かい、残りの7、8歳くらいの子がバタバタと俺の方に向かってくる。

 ちょっと待っててね、と年長さん達を待たせてから、シャルの方へ駆け寄って耳打ち。

「もし何かあれば、すぐに俺を呼んでくれ」

「わ、分かりました」

 もし何かしら問題が起きたら、俺が責任者として適切な対応をせねばなるまい。
 耳打ちを終えたら、いよいよ授業スタートだ。

「さっ、教室に行ってみよー!」
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