【完結】可愛い義妹のためならば 〜超絶シスコン兄貴の異世界無双〜

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

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信頼も過ぎると重圧に成り得るんだが

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 シカシチューに舌鼓を打ち、腹も心も満たされた、その翌日。

 俺とシャルは朝早くにベン村長宅に訪れていた。
 授業の準備が完了したので、明日からでも授業を始めたいと報告に行くのだ。

 ちなみに授業時間はどうするのかとシャルと相談していたのだが、家業を手伝わなければならない子達のことも考慮して、午前で二時間で一度区切り、午後にもう二時間同じ内容の授業をする、と言う形となった。
 午前中は授業を受けて、午後は家業を……あるいはその逆で、午前中は家業、午後は授業を……と言う、授業と家業を両立させられるように考慮した結果がこれだ。

 また、シャルが担当する方は、幼い子どものことも考慮して、机に座っての文字の読み書きだけではなく、文字や数字を使ったちょっとしたお遊戯も行うことも考えている。
 倉庫の中に、ボードゲームやカードゲームもいくつか見つかったので、それを使わせてもらおうと思う。

 何と言うか、ほんとに小学校と幼稚園みたいな感じだな。

 こんな感じで学問所を再開しようと思います、とベン村長に相談。
 
「……というわけでして、明日の午前中から授業を開始しようと思っておりまして」

「明日の午前中からですな。分かりました、村の者にもそう伝えておきましょう」

 あっさり了承されてしまった。
 ベン村長、俺のこと信用してくれるのは嬉しいんだけど、ちょっと信用し過ぎじゃありません?
 期待を裏切ってしまった時の反動が怖くなるんだが……

「ありがとうございます」

「あ、ありがとうございますっ」

 俺が頭を下げれば、一歩遅れてシャルも慌てて頭を下げる。

「いえいえ、そう畏まらずとも……あぁ、そう言えばアルフ先生」

 ふと思い出したかのように、ベン村長は手を鳴らす。

「先生とシャルさんは、剣をお持ちでしたな?前に、用心棒の真似事をしていたとお話ししていたことも」

「はい。……何か、武器が必要になるような厄介事でも起きたのですか?」

 自然と声が低くなり、意識が戦闘のそれに切り替わる。
 シャルも俺の様子の変化に気付いてからだが、気を引き締めて目を細める。

「あぁ違います。問題が起きたのではなく、もし魔物や盗賊が村に入ってきても、お二人がいれば安心かなと」

「……ベン村長、安心されているところ申し訳ありませんが、俺もシャルも剣術に関しては、素人よりはマシ、少しチャンバラが上手い程度のものです。多少の魔物ならまだしも、戦闘のプロフェッショナルを相手に出来るほどの力はありません」

「そ、そうでしたか、これは失礼しました」

 俺とシャルを冒険者か何かと勘違いしていたらしいベン村長は、軽く頭を下げる。

 あー、ちょっと緊張しちゃったよ。

 中ボスくらいの魔物なら何とかなるけど、本物の冒険者や、そいつらが相手するような大型の魔物の相手は、さすがに無理だわ。

「では、アルフ先生、シャルさん。明日から学問所をよろしくお願いします」

 互いに会釈して、村長宅を後にする。
 さて、明日から忙しくなるな。
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