【完結】可愛い義妹のためならば 〜超絶シスコン兄貴の異世界無双〜

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

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俺の義妹に手を出すな

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 数刻前。

 予定時刻になるや否や、俺は祭壇の方から強い悪意を感じた。
 例の魔物とやらが姿を現したらしい。
 俺は即座に駆け出して祭壇の裏手へ回る。
 ぶっちゃけ、不意打ちを仕掛けるつもりだ。
 そして魔物の姿がハッキリ見えるくらいにまで近付いた時、

「(おい!なんだこの初号機は!?版権引っ掛かるんじゃねぇのこれ!?)」

 残酷な天使のように少年が神話になるようなオープニングテーマのアニメに出てきそうな姿をした魔物。

 なんてツッコミを脳内でしてる場合じゃない、初号機……もとい、魔物は何本もの触手を伸ばし、シャルの身体に絡みつ付かせているではないか。
 触手による凌辱プレイをお好みとは、マニアックな性癖だな。
 ……じゃなくて。
 
「ぁっ、ぐっ、いやぁっ……!?」

『フフフ……肉付きが乏しいのはいただけないが、活きの良さは認めてやろう』

 肉付きが乏しい。
 それを聞いた俺は魔物の背後に回り込み、

「ぁ……っぁ……」

『さぁ娘よ、我の糧となるがい……』

「誰の肉付きが乏しいって?」

 氷礫アイシクルを奴の後頭部っぽい部位にぶっ込んだ。  

『いグブオォォォ!?』



 回想終了。
 俺の氷礫による不意打ちを受けた魔物は間抜けな声を上げて怯む。
 その隙に俺は駆け寄りながらロングソードを抜き放ち様に、シャルを凌じょ……拘束している触手をバッサバッサと斬り捨てていく。

「大丈夫か、シャル」

「ぁ、あ、お、お兄、様……」

 恐怖で抜けてしまっているシャルの腰を掴んで、無理矢理立たせつつ、魔物に向き直る。

『おのれ、何者かは知らぬが小賢しい真似を……!』

「小賢しくて結構だ」

 そも神様のフリして若い娘を凌辱して愉しんでるテメーに言われたかねぇわ。

『フン、ならばその娘もろとも貴様も糧にしてや……』

「お断りだ、クソ野郎」

 再度、魔法陣を顕現して氷礫を奴の顔面に叩き込む。

『グォァッ!?』

 長ったらしい前口上なんざ、攻撃してくれって言ってるようなもんだろうが。ここはニチアサ世界じゃないんだよ。

「シャル、離れていろ」

 シャルの腰から手を離して、俺は一気に駆け寄って奴の腹っぽい部位へロングソードを薙ぎ払う。
 だが、肉を斬ったような感触は感じられない。
 泥の中に手を突っ込んだような感じ……腹部に斬撃は通らないようだ。
 すぐに魔物は俺に触手を伸ばしてくるが、それをロングソードで斬り飛ばしながら飛び下がる。
 頭に攻撃は通る、腹部はダメ。
 触手を斬ってもすぐにまた新しい触手を出せる当たり、体内に自己再生能力でもあるのかもしれないな。

 うーん、ちょっとめんどくさいなこいつ。
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