樹の都《アルベリア》の大罪人

ハシバ柾

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十九

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 樹の都アルベリアの端、人を避けるように、深い森の中に建てられた一軒の家。そのリビングで、テーブルを挟み、二人の男が向かい合っていた。片方は、みずみずしさの中にもかすかに老いが兆しはじめた茶髪の男。もう一方は、若葉の香りをようやく脱ぎさったばかりといった年ごろの、白髪の男だ。その手元には、先ほど書き上げたばかりの〈記録〉が握られている。室内は仄暗いが、明かりはない。この家だけが、暮れゆく昼の終わりを引きずっているようだ。

「その……いかがでしょう? 聞かせていただいたお話を、そのまま書き起こしてみたのですが……」

 手元の手帳に書き留めたすべてを朗読し終えた白髪の男が、緊張の滲む面持ちで問いかける。対する茶髪の男は、しばらく黙り込んだ末、力の抜けた微笑みで答えた。

「前から思っていたことですが……ツェイズさん。あなたはどうやら、記者よりも詩人、でなければ小説家に向いていますね」

 この評価に、白髪の彼――ツェイズは、がっくりと肩を落とす。

「やっぱりそうですか……。よく言われました。記者を目指していたのなんて昔の話で、今は一商会の会計係ですが、改めてそう言われてしまうと……こたえますな」

「いいえ。むしろ、劇作家でも目指してみてはいかがです。あの大商会を抱える奥様なら、劇場くらい持っているんじゃないかと思いますよ。奥様が怖くて言い出せませんか。なにかお手伝いできればよかったのですが……」

「またまた、あまりからかわないでいただきたい。いやあ……ええ、まあ、妻が怖くないかと言われれば……いいえとお答えするしかありません。彼女の私に対する扱いときたら、そりゃひどいもので――」

 ツェイズと妻のことから、彼らが夫婦で支える大商会の躍進、そして最近の樹の都アルベリアの様子へと、会話は緩やかに流れていった。静けさの中に、時おり、くすくすと笑う声が浮き上がる。

 茶髪の男の笑みとともに会話が途切れた一瞬、胸にこみ上げるものを感じたツェイズは、続ける言葉を失った。思い出してみれば、二人がこうして他愛ない話を楽しむのも、ずいぶん久しぶりのことだった。男の笑顔から無理をしている気配が消えたのも、どれほどぶりだろうか。
 ツェイズの心中を察してか、男の笑みが寂しそうなものに変わる。

「あなたが長らく知りたがっていたことは、なにもかもお話ししました。期待外れだったでしょうが、ほとんどは事実です。僕の知らない師の姿については、多少創作を加えてくださったようですが……。まだ何か、僕に関することで、その手帳に書き加えたいことがあるようでしたら、今のうちにお答えしますよ」

 〈きちんとお話しできるのも、今日が最後ですから〉。茶髪の男――フィクトは、そう言いながら、風にゆったりとふくらんだカーテンの方を見やった。
 左右に寄せられたカーテンは、しかしタッセルには抱かれていない。微風に揺れるその影と、窓枠に切り取られた外光は、徐々に青みを帯びはじめている。もう、夜がすぐそこまできていた。

 ツェイズはかぶりを振った。記者を目指していた頃にたくわえたはずの語彙が、必要な今、まるで役に立たなかった。言わなければならないことも、聞かなければならないことも、数え切れないほどある。それなのに、何ひとつ言葉が出てこないのだ。

「なにも……なにも思い浮かんでこなくて……。聞きたいことをすべてお聞きしていたら、月も眠ってしまう気がして……なにも……」

 〈この日が終わらないものだったなら、言葉のひとつも探せたかもしれないのに〉――震える声とともに、無理に吊り上げた口元をかすめ、涙がツェイズの頬を伝い落ちる。またしばらく、静寂が二人を包み込んだ。
 そうして、窓の向こうから落ちてくる光が、すっかり輪郭を失ったころ。

「やはり、詩人ですね。あなたは。芸術とはあまり縁のない人生でしたが、あなたの言葉は胸に沁みる」

 フィクトの言葉に、ツェイズが顔を上げる。

 ツェイズがフィクト・フェルマーという人物に出会ったのは、もうずいぶん前のことになる。記者を目指し、その日暮らしの生活をしていたツェイズは、筆記係を探していたフィクトに偶然声をかけられ、短期の雇用契約を結んだ。
 驚いたことに、フィクトは、妖精を自在に操って〈奇跡〉を起こす力を持っていた。彼は、妖精を操るその術を『魔術』と呼び、自らを『魔術師』と名乗った。好奇心旺盛なツェイズは、そんな彼の誘いに、一も二もなく飛びついたのだった。

 そうして、食事と住居を引き換えにツェイズに与えられた仕事は、〈彼と、彼の弟子に関するすべてのことを逐一記録すること〉という、変わったものだった。どうして日記で済ませてしまわないのか、どうしてわざわざ記録する必要があるのか……聞きたいことはいくつもあったが、〈余計な詮索をしない〉という契約条件のために、何ひとつ尋ねることはできないまま、ただ充分すぎる待遇に応えた。フィクトは、ツェイズの未熟な文章にも、〈詩的ですね〉と言うだけで、一度も文句をつけなかった。

 それからというもの、ツェイズが記者としての外部の仕事を取り逃がすたび、フィクトはあれこれと理由をつけて契約を延長した。日々『魔術』を研究し、弟子に教え広めるフィクトと、彼の姿を書き留めるツェイズ――二人の関係はずるずると続き、結局、今日この日までをともに過ごすことになったのだった。

 今になって考えると、フィクトは、生活に貧するツェイズを哀れんで、雇用という名目で守ってくれていたに違いない。だが、ツェイズはそれを口には出せないままでいた。フィクトのことだ、改めて感謝の気持ちを伝えても、〈僕がしたいようにしたまでです〉と言うだけなのだろうが。

「師と離れて、もう十五年ほどになりますが……黙っているというのは、案外、難しいことでもありませんでした。まだ、昔話を誰かに話して聞かせたくなるような歳でもありませんし。あなたに出会わなければ、誰かに話すこともなかったかもしれません。そんな話が記録として残るなんて、かえって不思議に思えるくらいで」

 フィクトはそう言うと、手元のカップに口をつけた。コーヒーの黒々とした液面が、白い光を返しながら揺れる。

「もし出会わなければ……そうですね。それは、師についても同じかもしれません。あの人を知らなければ、今ごろどうなっていたか……考えてみたところで、想像もつきません。情けないくらいです。魔術学者としての僕も、〈魔術師〉としての僕も、彼がいなければありえなかったわけですから」

 遠くを見るような目でカップの中を見下ろしたフィクトに、ツェイズは言葉を返すことができなかった。

 フィクトはときおり、今のように、どこか近づきがたい空気をまとうことがあった。ツェイズは長らく、一人きりで『魔術』と向き合ってきた孤独が彼にそうさせるのだと思っていたが、彼と師の話を聞いた今、その考えも変わりつつあった。
 彼――フィクト・フェルマーという男はきっと、孤独ではなかった。いいや、孤独ではなかったがゆえに、ひとりだったのだ。

「あなたは、〈魔術師〉になってよかったと思いますか。あなたの手で世界中に魔術が広まって、なにもかも変わってしまって……あなただって……」

「〈そのせいで殺されるのに〉?」

 そう言いながら、フィクトが立ち上がる。怒らせてしまったのかと身を縮めたツェイズだったが、フィクトの横顔に怒りの色は浮かんでいなかった。

「少し、表で話しましょう」

 ツェイズは、フィクトの顔色をうかがいつつ、うなずいた。
 二人がベランダに出ると、外には夜が満ちていた。ベランダの長辺にわたされた物干しロープに、洗濯物の影はない。長身のフィクトは、ロープを腕でよけ、ベランダから裏庭へと下りていく。彼に続いて、ツェイズも柔らかい草地に足を踏み入れた。

「――魔術師とそうでない人の間には、もともと大きな隔たりがありました。僕と師匠、二人きりのサンプルでは、わからなかったことです」

 フィクトが、何の前置きもなく言った。彼が何の話をしようとしているのか悟ったツェイズは、フィクトの目を見ることができず、視線を逃がす。

「魔術が使える人と使えない人とでは、精神の構造そのものが違っていました。誰もがずっと気づけなかった溝が、魔術が生まれたことで暴かれてしまった。魔術という新たな可能性が、人種という壁を生み、人に区別をつけた。では、魔術は生まれない方が良かったのでしょうか。神秘の底で眠っていた方が良かったのでしょうか」

「それは……」

「僕は、そうは思いません」

 月の光が、振り返ったフィクトの横顔を、裏庭ごと青く染める。ツェイズは思わず息をのんだ。目の前のフィクトは、穏やかな日頃の彼とは、まるで別人のようだ。

「僕の過去を美談と取るなら、それでもかまいません。魔術をどう捉えるかも、あなたの自由です。僕から言えることは、天才がまいた種を育てるのは、我々凡才の役目だということだけです。すでにこの世界に根を張った魔術という分野は、これからも変わらず、成長し続けることでしょう。水をやる人材なら、それなりに育ててきたつもりです」

 そこまで言ったフィクトは、あたりを見回した。そして、草地のはげたところを見つけると、むき出しの土のそばにかがみ込む。続いて、ツェイズが歩み寄ってきたのを確かめた彼は、いつもと変わりない面持ちで口を開いた。

「このあたりに、僕の墓を作ってくれませんか。死体が返ってこなければ、形だけでもかまいません。本当は、もっと早くに用意しておくべきだったのでしょうが、あいにく、突然の報せでしたから。家族への別れも、師とともに旅立つ決意を固めたときに済ませました。……ああ、そうだ。もし、僕がいなくなったあとに師匠が戻ってきたら、僕のことを彼に伝えてあげてください。残念がるかもしれませんが、何も知らないよりは、気持ちの整理もつくでしょう」

 取り乱す様子もなければ、恐れているふうでもない。フィクトはただ冷静に、自分の死を見据えていた。
 けれどもツェイズには、そんな彼が理解できなかった。ツェイズはこぶしを握り、フィクトが指したあたりの土をにらみつける。

「あなたに……あなたに、先の話をする権利があるのですか。あなたのいない未来の話を、どうしてあなたができるのですか。あなたのことをお師匠様に? そんなことは、あなたが直接言えばいい! 生きて出迎えて、久しぶりと言ってあげればいいではありませんか! それなのに……」

 ツェイズは言葉に詰まり、顔を覆う。平然としているフィクトを見るのが、苦しくてならないのだった。

「私は、あなたにいなくなってほしくありません。あなたにかかわる誰もが、きっとそうだ。なのに、なのに……どうしてあなたはそんなふうに……」

 ふと、ツェイズのそばで、屈んでいたフィクトが立ち上がる。目元を拭い、フィクトを見上げたツェイズは、表情の薄いフィクトの顔に、はじめて寂しさを見て取った。
 明日、フィクトは死ぬ。『魔術』を悪用し、多くの人を傷つけた弟子の責任を取るため――『魔術』と『魔術師』そのものが悪でないことを、自らの死をもって証明するために。

「〈多少の手痛い失敗も許されるのが弟子というものだ。弟子を守るのが師の役割であり、義務であるからには〉。僕の師の言葉です。その通り、弟子がどんなに大きな失敗を犯しても、一度までなら……命のある限りは守るのが、師ではありませんか? 僕は、やりなおす機会を彼に与えてやりたい。そして、師匠が生み出した『魔術』をも守りたいんです。いつか、師匠が帰ってきたときのためにも」

 フィクトの話からして、彼の師が帰ってくることは、もうないだろう。しかし、フィクトは師の帰りを待ち続けている。その口ぶりからして、彼自身、もう師が戻らないのだとわかっていただろうに……。
 ツェイズはふと、誰からも愛され、友人にも弟子にも恵まれたフィクトが、特定の誰かと結ばれることなく、ひとりきりでいた理由に気がついた。

「あっ、これまでご結婚されなかったのは、もしかして……」

「久々に帰ってきて、なにもかも変わってしまっていたら、寂しいでしょう? あの人が安心して帰ってこられるように、居場所らしい居場所を残しておきたかったんです。ひ弱に見えてしぶとい人ですから、死に顔を見なければ死んだとは思えなくて。……とはいっても、彼を待つのはもう終わりにするつもりです。未練まで処刑台に引きずっていくつもりはありませんよ」

 そこまで言ったフィクトは、思い出したように、懐に手を差し入れる。そして、取り出したものをツェイズに差し出した。フィクトが大事にしていたクロノグラフだ。

「……私よりも、二人目の弟子である彼女に贈るべきものでは? 彼女はとても優秀だと、いつもおっしゃっていたじゃないですか」

「彼女には人と同じ時間を生きてほしいんです。その分、あなたはせっかちですからね。五秒早いくらいがちょうどいいでしょう」

 含みのあるフィクトの言葉は、冗談なのかそうでないのか判別しがたい。ツェイズは曖昧に笑い、クロノグラフを握りしめた。
 フィクトの意図がどうであっても、このクロノグラフは、彼と彼の師のつながりそのものだ。その重さがわからないツェイズではない。

「今夜は思ったより冷えますね。お互い頭も冷えましたし、家に戻りましょう」

 フィクトは、空いた両手をこすり合わせてつぶやくと、ツェイズに背を向けた。青く染まった彼の背中に、ツェイズはたまらない気持ちになった。
 師匠の見えない背中を追って生きた末にたどり着いたのが、死を目前にしたこの夜であることを、フィクトはどう思っているのだろうか。誰かと手を取り合って歩くこともなく、もう帰らないだろう師のために、孤独でありつづけた人生を。

「フィクトさん! あなたは……あなたは、幸せでしたか」

 ツェイズの問いに、フィクトが振り返る。ベランダには暗く影が差し、そこに立つフィクトの表情もうかがえない。

「どう見えましたか」

 フィクトが問い返す。その言葉はまるで、フィクト自身が抱え続けてきた命題そのもののように思われた。ツェイズは、答えられず黙り込んだ。同じ問いを師に投げかけられなかったフィクトは、今また、ツェイズの問いに答えることなく、家の中へと消えていく。ツェイズは、立ちつくしたまま、そんな彼の背中を見送った。

 徐々に夜が深みを増していく。巨大樹の枝葉のないひらけた空が、紺に色づいていく。
静かに天を仰いだツェイズの手のひらで、クロノグラフが冷たく時を刻みはじめていた。
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