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ハタセ

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彼の事情 No.2〔七原 郁巳の場合〕

彼の事情 No.2〔七原 郁巳の場合〕6

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「了解っす。じゃあ七原さんは俺と手を組むってことでこれからよろしくお願いします」

「うん、よろしくー」

さて、なんかひょんなことから桜崎の番号とメアドを手に入れてしまったけど

(これ売ったらいくらになんのかなー?)

昔とは言えこの界隈で名の知れた情報屋のメアド。
今でもその情報屋の行方を探してる奴は腐るほど居る。
余程怨みを買っていたか、はたまた頼りにされていたか
どっちが高額に買い取ってくれるのかを少し考えていたら自分の持っていたそれが音を出した。

その差出人は桜崎からのもので直ぐさまメールを開く。

「えーと?…あー、まぁそーだよねー」

内容は『売ったら売ります』のたった一文だけ。
それでも俺には充分な効果があった。

「確かに、今の俺と桜崎ではちょーっと俺のが分が悪いよね」

匿名が消えてから一気にやる気が削がれて腕落ちまくったからね。

「でも、まぁ、気になるし?」

ポキポキと指を鳴らして俺は薄暗がりの部屋で唯一光りを放つその液晶画面へと視線を向けた。

「いくら用心深く鍵を閉めてもね、ピッキングみたいに強引なやり方で開ける事だって出来るからさ」

リスクは承知の上だ。
だけどね、何もしないでただ奴の思惑通りに動くのが嫌なわけ。
例え情報が手に入ったところで俺は動く気はないし
これくらい、いいでしょ?
知る権利ってのは誰にでもあるものだよねー。

「だからさぁ悪く思わないでよね、匿名さん?」

早速キーボードに手を乗せてハッキングに取り掛かった。

だけどさー
やっぱアイツは用意周到って言うか、ムカつくわ。
俺が情報を手に入れる事が出来たのはそれから一ヶ月も経った後だった。

どうやら桜崎の他にも誰かが居るらしい。
とは言っても『仲間?』はただ1人だけだけど。
んで、いつも2人であやしーい行動をしているとかいないとか。
初めは桜崎の彼女かと思ってたけど、どうやら連れてるのは男のようで。
うちの頭の様についにそっち系に走ったのかと一瞬過ぎったが、そもそも人に従う事が大ッ嫌いな奴だ。
多分それはありえない。
じゃあ何だ?と考えてみたけど桜崎の奴隷としか思い浮かばなかった。

「でも、それじゃあ、何で桜崎自身が行動を起こしているのかが疑問なんだよねー」
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