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彼の事情 No.2〔七原 郁巳の場合〕
彼の事情 No.2〔七原 郁巳の場合〕3
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「君は桜崎くんだっけ?久しぶりだねー。こうして会うのは初めてだけど。どこのチームにも入ってないのに割と有名人の君がどうして此処に居るのかな?なーに?あ、もしかして遂に君まで俺を狩りに来たの?本業再開って感じ?こいつらも君が仕向けたのかなぁ?んー、でも君の本業は裏方みたいなものだから違うよね?じゃあ君は一体何しに来たのカナー?」
桜崎圭とはこの時が初対面だったが彼の事はよく知っていた。
有名な会社の次男坊でその金で遊び保けているボンボン。
ってのは彼の表の顔で、裏の顔を知ってるのは俺含め極小数であろう。
君なら相手にしてもいいよ?と笑顔を向けたら即座に遠慮しまーすと間延びした返事が返ってきた。
「あと、そいつら別に俺が仕向けたわけじゃないっすから。変な誤解しないでくださいね?つか俺有名人だったんすか?まぁ知り合いは多い方ではあるけどー」
んー?と首を捻る彼を一瞥した。
喧嘩じゃなくてここに何しに来たのこの子?
もしかしてそっち方面はからっきしって事なのかな。
「んな事より何の用事かなー?俺こう見えても結構忙しいんだけどなー?」
面倒事は勘弁なんだけどって態度で示すと桜崎は分かってますと言わんばかりの笑みを浮かべた。
「じゃあ単刀直入に言いますね。俺に情報提供してください。」
「じょーほーてーきょー?RIZEの?」
「察しが早くて助かりますー」
それは意外な申し出だった。
「って言ってもチームの弱点とかじゃなくて、近々やり合うとこと場所だけ教えてくれればいーんですけどね」
「ん?それだけ?」
イマイチこいつの考えが掴めない。自然に眉間に皴が寄ってしまう。
「はい。そんだけっす。勿論見返りとしてちゃんと報酬は支払いますよ。嫌なら断ってくれても構いませんし、ただ…」
「ただ?」
「そんなつまらなそーな顔してるくらいなら俺に付き合ってみたほーが楽しいと思いますけど。ま、俺の勘違いならいいっすけど」
「えー?俺そんな顔してたー?」
図星を突かれ苦笑した。
「少なくても田山が来てからはそーっすね」
「ハハ、やっぱりなんでも知ってるね君はー…」
賢い子は割と好きなんだけど、なんだろーなーコイツは?
あー、こういうのが同族嫌悪ってやつなのかもね。
類は友を呼ぶとは言うけど、桜崎とはとてもお友達になれる気がしないな。
なる気もないけどね。
桜崎圭とはこの時が初対面だったが彼の事はよく知っていた。
有名な会社の次男坊でその金で遊び保けているボンボン。
ってのは彼の表の顔で、裏の顔を知ってるのは俺含め極小数であろう。
君なら相手にしてもいいよ?と笑顔を向けたら即座に遠慮しまーすと間延びした返事が返ってきた。
「あと、そいつら別に俺が仕向けたわけじゃないっすから。変な誤解しないでくださいね?つか俺有名人だったんすか?まぁ知り合いは多い方ではあるけどー」
んー?と首を捻る彼を一瞥した。
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「はい。そんだけっす。勿論見返りとしてちゃんと報酬は支払いますよ。嫌なら断ってくれても構いませんし、ただ…」
「ただ?」
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「少なくても田山が来てからはそーっすね」
「ハハ、やっぱりなんでも知ってるね君はー…」
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あー、こういうのが同族嫌悪ってやつなのかもね。
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なる気もないけどね。
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