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ハタセ

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彼の事情 No.2〔七原 郁巳の場合〕

彼の事情 No.2〔七原 郁巳の場合〕

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〔七原 郁巳の場合〕

まぁ、言ってしまえば幼い頃からよく出来た子供ではあった。
勉強も運動も少しやれば平均を上回る成績を残したし
小学生の時は俺もまだ真面目だったので色々と賞を取ったりもした。
そりゃ初めて貰った時は嬉しかったけど、2回3回と続け様に貰うと流石の子供でも飽きるってもんだよ。
まぁ自分が飽き性ってのもあるけどさ。

高学年に上がる頃にはいかに目立たず教師や審査員を欺けるかを試してみたけどギリギリのとこで入賞してしまうのでそれもすぐに止めた。
実家には今だに俺の賞状やトロフィーなんかが処狭しと飾られている。寒いよねー

だけど中学に上がってからはその環境に退屈さを感じ始め何か他に面白い事はないかと
所謂不良グループと連むようになっていった。
まぁそれなりに楽しかったよ
煙草も酒も女もその時に覚えた気がする。
未成年でそんな事覚えるなって?
アハ、頭固いね~今時そんな不良いないって
好奇心旺盛な猿が面白いこと覚えただけの事だよ。

夜の街に出てグチャグチャに喧嘩するのも楽しかった。
中学を卒業する頃には族の頭にまでなっていたのには正直自分でも驚いたけど。

でも俺は周りを仕切るほど面倒見が良い人間でもないし、第一に面倒臭かった。
その頃には不良や族とかバカらしくなって飽きていたしね。
基本が飽き性なもんだから、天井が見えるとすぐに興味失せちゃうのが俺の短所。

だから敢えて他所のチームに負けて吸収させてもらった。
要はチームを管理する事に疲れた俺はわざと自分のチームを売ったってわけ。
チームの幹部にはそんな俺の考えに気づいちゃった奴もいて怒られちゃったけど、そもそもこんな俺を総長になんかしてた君たちが悪いでしょ?
ご愁傷さまだよね~って笑ったら飽きれた顔されちゃった。そのまま見逃してくれたら良かったのに
彼ら俺が残ることを条件で他のチームに吸収されるならいいって言っちゃってさ
で、それが今の俺が所属してるRIZEってとこね。
総長は真峯 亮司(マミネ リョウシ)
喧嘩も強ければ頭もそれなり良く、尚且つ見目が良かった。
そいつも俺が残ることを条件で吸収に同意しやがって、俺が残らないなら俺の元仲間全員捨てるとか言ってさ
流石の俺も、元チームをそこまで無慈悲に扱えないし、後の報復とか嫌だなぁって思ったので渋々了承したんだよね。
もう族には飽き飽きしてたんだけど、でもコイツの近くに居れば俺はそこまで目立たずに好き勝手出来ると踏んだ。
総長って立場だと色々と制限があってやり辛かったしこれは良い機会だと思ったんだ。
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