□ベストアンサー□

ハタセ

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彼等について4

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「ああ、これからもその勢いでどんどんフラグを立ててほしいものだな田山くん」

「先輩性格歪んでますよね」

「お前に言われたくない」

「あ、殴った」

双眼鏡で覗き込んでいた先には七原が敵チームのリーダーにまさかの右フックを噛ましている所だった。

「黒のリーダー殴っちゃマズイだろ。七原ってバカなの?」

「いや、アイツ喧嘩も強いっすけど本業はRIZEのブレーンっすから。賢いはずなんすけどね。何か考えでもあるんじゃないっすか?」

「ふーん。…あ~あ~、始まっちゃったよ喧嘩。」

「3チームとも入り乱れって感じっすね」

「アレ敵と味方の区別ってついてんのか?」

「さぁ?でも基本上の奴ら以外はバカの集まりなんで騒げれば何でもいいって感じじゃないっすかね」

「思春期だなぁ」

「先輩、俺達もね」

呆れながら俺にそう言う桜崎の携帯が鳴った。

「お前、サイレントにしとけって言ってあんだろ。せめてバイブにしとけバイブに」

「バイブの連呼とかやめてくださいよーホントエロいんだから先輩はぁー、ってもしもしー?」

誰がそっちのバイブと言ったよ!と反論しようとしたが、桜崎がそのまま通話を始めてしまったので、その台詞は喉に押し込めて溜息をついてからまた下で繰り広げられている抗争に双眼鏡を向けた。

(面白いなぁ、人間って)

これだから観察はやめられない。

「ああ、…チワッ。つか、今電話とかしてる場合じゃないっしょ?…は?…なんで?……………嫌です。……ダメです。意味が分かりません。それに出る気ないと思いますよ。…………なんであんたがその名前知ってんすか?ふざけんなよ!…………クソッ!」

その声に俺は一瞬ビクリと肩を揺らしてしまった。
いつも大体暢気な桜崎が何やら怒っている様子だ。
家庭の事情とかだろうか?まぁそれなら俺には関係ないので気にしない事にしよう。
そう決めた時に桜崎が俺にその携帯を差し出してきたのだ。

「なに?」

「変われって言われました」

「誰?」

「…………七原」

その名前に柄にもなく驚いてしまった。
だって七原は今俺達の下で喧嘩をしてるはずなのにだ。
しかもこの騒動の火付け役は七原本人。
嫌な予感がした。

「俺は関係ない。出るつもりはないと言え」

「ダメっす先輩…………先輩の事、七原にバレてます。」

「は?」
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