サンタに恨み

サンタさんが来なかった理由

ショックでしばらく動けなかった。


七時が過ぎてからお母さんが起こしに来てくれた。

今迄にあった事をどうにかこうにか、
一生懸命に頑張って伝えた。
伝えているうちに悲しさがこみあがって来て、
涙が溢れてきた。

お母さんは黙って聞いていてくれた。

ボクが泣き止むと、お母さんはこう言った。
「そうねぇ、それはきっと
　たっくんのいい子にし具合が足らなかったのかも
　知れないわね。
　もっともっといい子にしてくれば
　サンタさんが来てくれるかも知れないわね」

がーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。
いい子にし具合が足りなかったのか！

「じゃあ、どの位いい子にしていれば
　サンタさんが来て、プレゼントをくれるの？」

お母さんは少し困った顔になった。
「そうねぇ、世界中で百位以内に入ればいいんじゃないかしら？
　それに十二月だけじゃなくって、一年間ずっといい子でいないと
　駄目なのかも知れないわね」

あああああああああああああああああああああああああああああああああああ。
そっか、そうだったんだ。
全然たりなかったんだ。
サンタさんはずっと前から見てたんだ。



後日聞いた話だけど、世界中に子供は十億人以上居るんだって。
その中で百番以内のいい子を目指して、実際にいい子にならないと
サンタさんは来ないんだ。