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古着屋
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寂れた商店街
その更に二本奥の通りにその店はあった。
俺だって偶然見つけたに過ぎない。
自販機の前で小銭入れから百円玉が転がり、転がり、転がり続けなかったら
見つけられなかっただろう。
『〇〇〇古着店』
前三文字はペンキが剥げていて読み取れない。
とにかく年季の入った店である事に間違いはない。
安くて良いもんがあるかも知れないしな。
ちょうど暇だったので、店へと足を踏み入れた。
店はそれほど広くなく、入口からカウンターが見えた。
カウンターにはエプロンをした若い女性店員が居た。
「いらっしゃーい。
ご試着は奥の試着室でどうぞご自由に」
店員に軽く会釈をして、中に入った。
商品は八割方がダメージジーンズであった。
見た目は同じ様だが、値段はピンキリだな。
ほー、安いのは十円からか。
で、こっちは五十万円か、違いが分からんな。
「すいません、これ、このダメージジーンズは
なんで五十万円もするんですか?」
「有名人が死亡時に着用してたものだからですよ。
勿論、洗濯はされていません。
物によっては血液が付着してるのもありますよ」
ダメージジーンズにはアメリカの俳優の顔写真が付けられていた。
二十年前に死亡と表示されている。
マニア用か。
そう考えたら、五十万円も納得できるわな。
この百円のダメージジーンズを試着してみるか。
一着のダメージジーンズを手に取り、試着室へ入った。
履いていたズボンを脱ぎ、ダメージジーンズを試着。
うん、いいんじゃないか。
う、なんだ?
痛い、痛い、なんだこの痛みは?
慌ててダメージジーンズを脱ごうとするが脱げない。
試着室の外から、店員の声がする。
「すいませーん、態と言い忘れてましたが、
うちのダメージジーンズは、履いてる人間にダメージを与えるんですよ。
もう手遅れだとは思いますけど」
下半身を物凄い力で締め付けられて、骨が折れる音がしたが、
尚も締め付けは強くなる。
来るんじゃなかった、こんな店。
その更に二本奥の通りにその店はあった。
俺だって偶然見つけたに過ぎない。
自販機の前で小銭入れから百円玉が転がり、転がり、転がり続けなかったら
見つけられなかっただろう。
『〇〇〇古着店』
前三文字はペンキが剥げていて読み取れない。
とにかく年季の入った店である事に間違いはない。
安くて良いもんがあるかも知れないしな。
ちょうど暇だったので、店へと足を踏み入れた。
店はそれほど広くなく、入口からカウンターが見えた。
カウンターにはエプロンをした若い女性店員が居た。
「いらっしゃーい。
ご試着は奥の試着室でどうぞご自由に」
店員に軽く会釈をして、中に入った。
商品は八割方がダメージジーンズであった。
見た目は同じ様だが、値段はピンキリだな。
ほー、安いのは十円からか。
で、こっちは五十万円か、違いが分からんな。
「すいません、これ、このダメージジーンズは
なんで五十万円もするんですか?」
「有名人が死亡時に着用してたものだからですよ。
勿論、洗濯はされていません。
物によっては血液が付着してるのもありますよ」
ダメージジーンズにはアメリカの俳優の顔写真が付けられていた。
二十年前に死亡と表示されている。
マニア用か。
そう考えたら、五十万円も納得できるわな。
この百円のダメージジーンズを試着してみるか。
一着のダメージジーンズを手に取り、試着室へ入った。
履いていたズボンを脱ぎ、ダメージジーンズを試着。
うん、いいんじゃないか。
う、なんだ?
痛い、痛い、なんだこの痛みは?
慌ててダメージジーンズを脱ごうとするが脱げない。
試着室の外から、店員の声がする。
「すいませーん、態と言い忘れてましたが、
うちのダメージジーンズは、履いてる人間にダメージを与えるんですよ。
もう手遅れだとは思いますけど」
下半身を物凄い力で締め付けられて、骨が折れる音がしたが、
尚も締め付けは強くなる。
来るんじゃなかった、こんな店。
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